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「日本生まれの芸術表現」会見

 東京・六本木の国立新美術館で「時代のプリズム:日本で生まれた芸術表現 1989-2010」が2025年12月8日(月)まで開催中だが、同9月10日(水)に記者会見が行われた。
 逢坂恵理子・国立新美術館長は「今回、国立新美術館が日本の現代美術史を振り返る展覧会を、海外のキュレーターとともに試みようとした原点には、日本のアーティストが新たな表現を模索しつつ、海外にどのように受容されたのか、また海外のアーティストが日本からどのように刺激をうけ、自らの作品に反映したのか、双方向の視点を取り入れたいという思いがあった」と説明した。
 今回協働キュレーションを行った、アジアの現代視覚文化のグローバルミュージアムである香港のM+のスハーニャ・ラフェル館長は「国境を越えた芸術と観客とを結びつけることを本展では目指しています」と話す。
 またM+にとってもこの展覧会は「日本の近現代芸術における長く豊かな歴史にM+が関心を抱いており強くコミットしていることを示すものです」とラフェル館長は述べた。

国立新美術館の逢坂恵理子館長(左)と香港のM+のスハーニャ・ラフェル館長(右)


 M+のアーティスティック・ディレクターでチーフ・キュレーターであるドリアン・チョン氏(本展キュラトリアル・ディレクター)は展覧会の構成ープロローグ、イントロダクション、レンズ1:過去という亡霊、レンズ2:自己と他者と、レンズ3:コミュニティの持つ未来ーに沿ってそれぞれを説明していった。


 今回の展覧会で再検証している期間は1989年から2010年だが、始めは冷戦が崩壊し、日本では昭和から平成に移る節目であったので分かりやすいが、2010年で区切ったのには理由があるとした。

ドリアン・チョン(M+アーティスティック・ディレクター、チーフ・キュレーター)


 2011年3月に東日本大震災・福島第一原発事故という「大きなパラダイムシフトが起こりました。もしそれを(期間に)入れるとなると新しい時代の始まりになってしまうので、2010年で止めたかったのです」。
 結果として「20世紀から21世紀への移行期を取り上げることになり、その時期は文化的活動や解釈にも大きな影響を与えました」と話した。
 (展覧会の紹介記事は 日本で生まれた芸術表現|桑原亘之介)

 質疑応答において、国立新美術館の神谷幸江・学芸課長(本展コーディネーティング・キュレーター)は本展においてどのようにグローバル時代の芸術表現を紹介するかということについて「百科事典のように紹介するのではなく、私たち自身の視点として語ることを心掛けました」と述べた。

国立新美術館の神谷幸江・学芸課長(9月2日撮影)


 そして展覧会のタイトルが日本語、英語でそれぞれ「時代のプリズム」と「Prism of the Real」となっているのは「生々しい時代を体験して頂く」ということからついたタイトルだと説明した。
 そして「今回の気づきの一つとして、80年代、90年代にはまだ誰にも知られていない、いわゆるノン・メジャーなアーティストたちの非常に新しい活動の萌芽があることを思い知らされました」。
 つまり「ノン・メジャーがメジャーになるプロセスを本展では見て頂くことになると思います」と神谷学芸課長は語った。

 
 


 
 休館日は毎週火曜日。ただし、9月23日(火・祝)は開館、9月24日(水)は休館。
 開館時間は午前10時から午後6時(毎週金・土曜日は午後8時まで)。入館は閉館30分前まで。
 観覧料は一般2000円、大学生1000円、高校生500円、中学生以下は無料。
 問い合わせは℡050-5541-8600(ハローダイヤル)。展覧会公式サイトは https://www.nact.jp/exhibition_special/2025/JCAW/

国立新美術館外観


 

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