#23:にわか乗り鉄!観光列車でスイスの大自然を満喫する①ルガーノ~ツェルマット
旅の最後の目的地、スイスです。
始まりはイタリアとの国境にほど近い南部の街ルガーノ。
ミラノからユーロシティに乗り、1時間半弱かけてルガーノへ向かいました。
ルガーノはイタリア語圏のティチーノ地方最大の街で、駅前にはルガーノ湖を望み、気持ち少し涼しく感じたような気がします。

スイスで何より楽しみだったのが雄大な山々や湖、またハイジが出てきそうな牧草地などの景勝地を堪能すること。
『地球の歩き方』やブログから、この目的にぴったりの山岳鉄道や絶景路線があることを知り、この1週間の滞在中に列車に乗りまくることにしました。旅のきっかけが小倉智昭さんの記事だったせいか、計画段階では「今回行くところは最初で最後!悔いの無いようにしないと!」とかなり思い詰めていて、いくらなんでも詰め込み過ぎだろうというくらい詰め込んでしまいました(笑)。移動=観光と言ってもいいくらいひたすら移動してました。
今回の経験から観光列車について言えることは、
・公式サイトや専門的な知識を持つ書籍やブログを参考にすること
・価格が高くなるのは覚悟すること(物価も高い)
・ご予約はお早めに
また観光列車とは別にスイス移動の足として列車乗り放題のスイストラベルパスの2等を購入しました。これも色々な種類があるのでご自身の旅行に合ったものを探してみるのがいいと思います。観光列車はこれで乗車できることが多いですが、座席指定料金が別途かかったりして、なかなか完全な追加料金不要にはならないのでご注意ください。
私はいちいち切符を買う手間が省けたことや、美術館や船を利用できたことは良かったです。
急いで飛び乗ることや急に乗る必要が出た時が何度かあったので。
またブログか何かで「1等にしても早く着くわけでもないし」と言っていたのに妙に納得して2等にしました(笑)。特に問題なかったです。
スイス国鉄(SBB)のアプリを入れて、旅行前も旅行中もひたすら調べていました。


ベルニナ・エクスペレス(バス:ルガーノ~ティラーノ、列車:ティラーノ~クール)
赤い車体が美しいベルニナ急行は、区間の大半が「レーティシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」として世界遺産に登録されており、氷河を含めた絶景を走るので有名です。特にぐるっと石造りの橋の上を通っていく様子はまさに絵になります。
実はベルニナ急行は列車だけでなくバスもあります。
バスではルガーノからイタリアのティラーノまで3時間ほどかけて行き、ティラーノで列車に乗り換えます。
ミラノから直接ティラーノまで来てしまってもよかったのですが、道中の景色を見てみたくてバスでもベルニナ急行に乗ってみることにしました。
しかし残念なことに、到着した日の夜から雲行きが怪しく、翌朝の出発時間になってもあいにくの雨でした。ウキウキとバス停から乗り込んだものの、雨が降っていると窓ガラスが曇ってしまって何も見えません。(とりあえず窓汚いな…)結局、ティラーノに到着するまでほとんど外の景色は見えず、絶景ならぬ絶句の旅。こればかりは仕方のないことではありますが。



バスの中では、やることがないからおしゃべりに興じる…というわけでもなく、とても静か。中にはもう諦めて寝てしまう乗客も。わざわざ予約した観光路線バスなのに残念です。
雰囲気も照明も外の景色も暗い車内で、なぜか突然、「アガサ・クリスティも雷雨で足止めされたときに『オリエント急行殺人事件』の着想を得たのだから、『ベルニナ急行殺人事件』とかもアリなのでは?!」という謎のアイディアがひらめき、「いや、待って、こんなみんなきっちりシートベルトを付けているバスの中でどうやって殺人事件が起こるの?」などとそもそも殺人事件が起こる可能性やシチュエーションについて、穏やかな寝息が聞こえる中、しばらく思いめぐらせていたものの、最終的には「アガサ・クリスティにはなれそうもないな」という結論を得ました。

そしてバスはティラーノに到着。
バス停から案内板を頼りに地下道を通って列車駅へ向かいます。


雨は小休止のようでした。列車が出発するまで1時間半弱。
乗客みんな、お昼の時間です。駅前にいくつかあるレストランのひとつでなんとか空席を見つけ無事ランチを取ることができました。







まだ雨はちらついていたものの、バスの時に比べて列車に乗ってからは窓の外の景色も見えるようになってきました。期待していた眺めとはだいぶ違いますが、それでも有名な橋の上を車体が通る瞬間や氷河などが眼前に現れた時は夢中で見入っていました。




正直なところ、ベルニナ急行は天気に恵まれず全体的に残念な結果となってしまいました。イタリアの青の洞窟ほどではないにしろ、自然を楽しむ観光列車というのはお天気次第ということをつくづく痛感しました。
しかも乗車中に天気予報を確認したところ、この先一週間ずっと雨の予報!一体、何しにスイスに来たんだろう…と絶望。
それでも今回の経験から、ここでがっかりするのは早いです!
なにしろ山の天気、天気予報もあてになりません。むしろ天気予報もぶっ飛んでいます。ライヘンバッハの滝へ向かうバスのモニターで見た天気予報では、晴れ・曇り・雨・雪がひとつの地域で全て出ていて「一日でコンプリートじゃん!」
実際、この後の旅程では予想以上にお天気に恵まれることが多かったです。
それに、もしも「これはもうダメだわ。何も見えない。」ということになったら、スイスは何しろ交通の便が良く都市間もそんなに時間がかからないので、街並みが有名な場所で街歩きを楽しんだり、美術館や博物館を訪れたりとプランBやCを発動すればいいのです!ちなみにマイリンゲンにあるシャーロックホームズ博物館も駅近です。
そうしてベルニナ急行の終着点、クールに到着。
クールはスイス最古の街ということですが、駅舎は近代的で駅周辺も整備の行き届いているモダンな場所という第一印象です。しかし着いたのが土曜日の18時半過ぎとあって、お店はほとんど閉まっていました。運よく駅のスーパーで夕食を購入。

氷河特急(クール~アンデルマット)
クールからは、氷河特急(グレッシャー・エクスプレス)というスイスを東西に横断する人気の観光列車に乗ります。
クールから来たところを少し戻って、サン・モリッツという山岳リゾート地からマッターホルンのある街ツェルマットまで一本で連れて行ってくれます。全区画を行くと所要時間は8時間。ゆっくりと走る車内から眺めを楽しむ旅です。
なかなか席が予約できないほどの人気ぶりですが、眺めが素晴らしいと聞いて、ぜひ乗ってみたい!
この日の宿泊はツェルマットなので一本で行けるのは便利です。ただ、8時間はちょっと長いな…。それに他にも乗りたい列車がありました。
そこで、ちょうど真ん中ほどの場所に位置するアンデルマットという街まで乗車することにしました。クールからアンデルマットまでおよそ2時間半の旅です。




目の覚めるような緑の山々を堪能

アンデルマット到着。ここで下車する人は少数派ですが、本格的なハイキングスタイルの人もちらほら。アンデルマットは地理的に交通の要所で、ここからバスでの峠越えも人気のようです。


さて、私はと言えば、アンデルマットから南下します。
お目当ては、ロカルノから出発するチェントヴァッリ鉄道に乗ること。
そこまでは普通列車などを乗り継ぎます。
チェントヴァッリ鉄道(ロカルノ~ドモドッソラ)
チェントヴァッリ鉄道はスイス南部にあるマッジョーレ湖畔のリゾート地ロカルノとイタリアのドモドッソラを結ぶ鉄道です。
『地球の歩き方』で紹介されていて、チェントヴァッリが百の谷であることや渓谷の眺めを楽しめることに惹かれて乗車してみることに。
「百の谷」なんて、名前からして素敵じゃないですか?
スイストラベルパスで乗車できるのもいいです。
しかし、スイスに来たのにイタリアと行ったり来たりしていますね(笑)。
予約しようと思ったのですが、いまいちうまくいかなかったので直接ロカルノに行きました。特に問題なく、2等車両の窓側席をゲットできました。




出発地点のロカルノがあるティチーノ地方は「スイスの中のイタリア」とも言われるほど。家並みは南欧風で、まだイタリアにいるような錯覚に陥ります。
そんないかにもバカンスにふさわしい街から西へ行くにつれ、どんどん緑が濃くなり森が深くなっていきます。そして森の中にさらに切り込みを入れたかのような渓谷や滝を間近で見られるので迫力があります。
さらには「よくこんな森の奥深くに造ったなぁ」と思わせる橋の数々。
構造的に頑丈にするためなのでしょうが、下の曲線はシンプルながら美しいです。そもそもこんな場所に鉄道を通すこと自体に驚愕です。
正直、同じような景色が続き、いくつもある渓谷や橋の区別がつきにくかったので、この列車内で専用Wi-Fiにつなぐと見られる場所案内に首っ引きでした。



ドモドッソラに到着。
ここからツェルマットは、地図上では西へ向かうとそんなに距離はなさそうにも見えますが、何しろ山々に囲まれていますからね。
鉄道を使って行こうとすると、ドモドッソラからブリークまで今度は北上し、そしてツェルマットまで南下するという順番になります。
いちいち遠回りにも思えますが、移動の間の景色もお楽しみの一つ。




ブリークを経由し、いよいよマッターホルンのお膝元、ツェルマットにたどり着きました。


ツェルマットには2泊しました。
マッターホルンが眼前に迫っている景色には圧倒されましたが、天気予報も実際の天気も怪しく、到着した時に見た初マッターホルンは頭がだいぶお隠れに…。これから雲がさらに増えるかどうか…。

とはいえ、お天気のことは心配しても仕方ない。
荷物を宿泊先に置いてから、一般車が通らず空気の澄んだ美しい街をぐるっと歩き回り、googleマップから見つけたレストランで美味しい夕食をいただいて、この大移動日を終えました。



・参考資料
(※最新版↓)
https://www.swisstours.jp/rail_bernina-express.html
https://www.swisstours.jp/rail_glacier-express.html
記事の内容は旅行当時の2024年4~6月の情報を基にしています。最新情報・正確な情報はご自身でお調べのうえ、ご確認ください。
