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臨床note⑨|足のトラブルは、足だけ診ても解決しない。



扁平足。

外反母趾。

寝指。

X脚。

これらを「足の問題」として、
足だけを診るケースは今も多い。


もちろん、

足裏感覚は大切だ。

足指の自由度も重要だと思っている。

けれど、

薄いソールを履けば解決する。

足指を鍛えれば解決する。

そんな単純な話でもない。


25年以上この仕事をしてきて、
ひとつ確信していることがある。


足は、

上流で起きていることの

「出力結果」

に過ぎないということだ。


足は結果であって原因ではない


足のトラブルの多くは、

足だけで起きているわけではない。


上流で起きている問題と、

地面との接点で生まれる矛盾が、

長い時間をかけて積み重なった結果として
足のトラブルとして現れている。



翼状肩甲。

内巻き肩。

骨盤の傾き。

扁平足。

これらは一見すると、

骨や関節の問題に見える。

でも骨は自分では動かない。

骨を動かしているのは筋肉だ。


正確には、

筋肉や神経系のアンバランスが、

骨の位置や関節の働きを変えている。


足のアーチが崩れているときも、

その背景には、

骨盤の前傾。

股関節の内旋。

重心位置の偏り。

呼吸パターンの乱れ。

そうした上流の問題が存在することが少なくない。

足は、
それに引っ張られている。


つまり、

原因と結果の関係だ。


「正しい動きの溝」をつくる


では何をするのか。

弱くなった筋肉を使えるようにしながら、

身体が慣れ親しんだ誤作動パターンを許さない動きを新しく設計する。


そのうえで、

姿勢。

角度。

荷重。

呼吸。

感覚。

それらを整えながら繰り返していく。


身体に、

新しい動きの溝を刻んでいく作業だ。


人体は賢い。


繰り返されたものを学習する。

最初は意識して行っていた動きも、

十分な反復が積み重なると、

やがて無意識の自動運転へ移行していく。


だからこそ重要なのは、

何を繰り返しているかだ。


正しい設計で繰り返せば、

身体はそれを学習する。

誤った設計で繰り返せば、

身体は誤作動を学習する。



問題は、

その繰り返しが

正しく設計されているかどうか。


角度。

可動域。

速度。

荷重のタイミング。

呼吸。

感覚入力。

それらが揃って初めて、

神経系は新しいパターンを選択し始める。


逆に言えば、

何百回繰り返しても、

誤った動きを繰り返している限り、

誤った溝は深くなる。

そしてそれが無意識化されれば、

身体はそれを

「いつもの動き」

として選び続ける。

その先に何が起きるかは、

説明するまでもないと思う。



足だけを見るな、全体を読め

施術でも、

トレーニング指導でも、

僕が最初に見るのは足だけではない。

もちろん足も見る。

でも、

それより先に読むものがある。

骨盤の傾き。

股関節の回旋。

呼吸のパターン。

重心の位置。

背骨の動き。

肩甲骨の状態。

身体全体の内力バランス。

そのすべてを見てから、

初めて足の状態の意味が見えてくる。



足の問題は、

足だけに答えがあるわけではない。


どこを見て、

どこに触れ、

どの順番で身体を読み解くのか。

そこに、

施術家や指導者の決定的な差が出るのだと思っている。


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