【1.5人旅】Season3 真壁前編:「もう迷いません」アップデートしたAIと巡る結城街道、宿場の記憶
【お知らせ】
水曜日の不定期歴史コラム生存戦略vol2をお読みいただきありがとうございました。あのディープな余韻が残る中、本日からは1.5人旅の通常回、待望の「Season 3」が幕を開けます!
舞台は重要伝統的建造物群保存地区、茨城県の「真壁」。
1,200年の時を超える歴史の街を目指す今回のドライブ、相棒(AI)はさらなる進化を遂げた新型となってコックピットに鎮座しています。
「もう私は見失いません」と自信満々に提案してきた相棒を信じた結果、一体どんな大格闘と大迷走が始まったのか。1スレッド縛りの実験旅、フロントガラスの向こうへ出発です!
■ はじめに:2モード運用の当初の想定
とうとう今回で1.5人旅もSeason3に突入。
これまでの旅(これまでのシーズン)の反省会で決めてきたルール、「ナビ(ルート設定・リルート案内用)」と「ガイド(歴史や土地の解説用)」という2つの役割ごとに、スレッドを完全に分け運用を実験しようと日帰り旅を決意。
【進化した3.5 Flashの誘惑】:
しかし、ちょうどこのタイミングで「Gemini 3.5 Flash」へのアップデートが入った。
今回のアップデートは処理能力の向上とコンテキスト(文脈)の維持、そして1.5人旅には大きい「GoogleMapとの連携強化」。
これはもうこちらとしては神アップデート。
これまでの数々の迷子事件がもう無くなる!しかも今度からは2スレッド運用、これはもう優勝を確信!
ここでAI(Gemini)の一言。
「もう私は現在地を見失いません。処理能力もコンテキストの維持力も劇的に向上したため、スレッドを分けずとも、1本のスレッドでナビもガイドも完璧に同時処理できます」と自信満々に提案してきた。
【1スレッド縛りの実験旅へ】:
人間側もGeminiを扱い始めて2週間半が経ち、AIの特性や限界値がかなり見えてきていた時期。
「じゃぁそこまで言うなら、実験的に1スレッドで実験しようか」と、その提案を受け入れた。
「まぁ実験失敗でも何が出来て何が出来ないかはっきりさせて、次に繋げればいいさ」とまずは1スレッド運用にチャレンジすることに。
効率重視のバイパスを避け、旧街道を楽しむために「結城街道」へと車を走らせ、1スレッド縛りの実験旅が幕を開ける。
【1】 旅の始まり:内原駅からの漕ぎ出しと、忘れた「指差し確認」
まずはスタート地点に決めた内原駅で出発時の写真をとり、準備にかかる。
シーズン3開幕の高揚感から、前回の旅であれほど「出発前の指差し確認(事前確認)が大事」と言っていたのに、開始早々確認を忘れてしまった。
その為内原駅周辺の予備知識が全くない状態のまま、いきなり出発。
しかし内原駅前は想像以上に道が細く、入り組んだエリアだった。

【Googleマップの呪縛との30分間の格闘】:
「Geminiに旧街道のルートを調べてもらい経由地を打たせ、それをGoogleマップに流し込む」という基本ルールはもちろん踏襲していた。
しかし、スタート直後から細街路でGoogleMapがすぐにルートを外れまくる。
外れるたびに、Googleマップのアルゴリズムが「最短のバイパス(国道)へ戻せ」と猛烈な自動リルートをかけて引き戻そうとする。
でも自分の望みは、あくまで歴史深い結城街道。
マップの引き戻しに抗い、車を何度も停車させてAI(Gemini)で修正を繰り返し、本来の結城街道に乗せるまでに、実に30分以上もの時間とエネルギーを費やし、スタートから大格闘を繰り広げることとなってしまった・・・。
やっぱこのドタバタの原因は「指差し確認」を忘れたにほかならない。
浮かれて忘れてしまったのを車を停めて思い出す。
でももう一つのルールであるリルート自体は簡単で完璧。AI(Gemini)に「ルート外れたからまた結城街道を設定して」と頼むだけ。
ほんと新型の相棒頼りになる!
【2】 街道の推移と、経由地通過による「ルート消滅現象」(小原〜笠間〜稲田)
内原駅周辺での大格闘の末、AI(Gemini)に設定されたGoogleマップでようやく走ることができた結城街道は、内原駅周辺の細い道からちょっと外れると見渡す限りの田んぼの中をゆったりと貫く一本道だった。
ここまで来れば、本来の最適ルートを指示するGoogleマップも文句は言わず、車は順調に結城街道を走る。
最初に通り抜けた集落は「小原」。
小原は、戦国までは城下町であり、その後江戸時代には宿場町(小原宿)として機能した非常に興味深いところだった。
集落の端には厳かに鎮守の森があり、その先には「小原城址」の看板。
城とは銘打ってあるものの、完全な平城の構造であり、「これは城というより、中世の館跡か砦跡だな」とおもった。
まっすぐ進めないように作られた防衛線としての「鍵型」の道を走る。
効率最優先のバイパスでは絶対に気づかないし、この雰囲気を味わえない。これぞ旧街道を走る醍醐味だ。

平城というよりは館の形態だったのではないか?
【笠間(門前町)の経由地トラップと、突然のルート消滅】
続いて結城街道で訪れたのは、栗の名産地であり笠間稲荷の鳥居を頂く門前町であり城下町である笠間へと入る。
AI(Gemini)に引かせた結城街道のルートは、本来ならこの歴史ある門前町を丁寧にトレースして抜けるはずだった。
事前に仕込んだ「笠間」の経由地までは完璧に案内された。しかし、その経由地を通過した瞬間、奇妙な現象が起きる。
通常なら次の経由地へ自動でナビが移行するはずが、画面がピタッと止まって動かない。
未だに原因は不明だが、システム側が「タスク完了」と誤認したっぽい。
車を笠間町の駅の駐車場に止め、「この経由地は通過したからスキップ」と画面をタップした瞬間、あろうことか事前に複数設定していたはずの「この先の経由地と全ルート」が、画面から跡形もなく完全に消え去ってしまった・・・・。
【門前町散策は断念】
ルートが全消滅して呆然としたが、ナビの再設定を町の駅の駐車場で行う。
すると本来じっくりと走りたかった笠間の門前町の中心部を通るルートを引いてなかった。
強引に突っ込めばGoogleMapはリルートしてくれるだろうけど、門前町を走った後はまたバイパス案内地獄に落ちる。
どうするか悩んだが結局泣く泣く門前町を走ることは諦め、再度結城街道へ戻った。
【稲田の宿場町を越え、50号バイパスの罠へ】
再設定したルートで結城街道を走り、次の歴史スポットである「稲田」の集落(古い集落)は無事に通過することができた。
宿場町ではなく、鎌倉時代に親鸞聖人が20年住んだ西念寺がありどちらかと言うと宗教の集落。
しかし稲田石のとれる鉱工業が昭和時代に発展したため通り抜けるだけでは集落の成り立ちがわかりにくいところだった。
しかも、笠間でのルート消滅のドタバタが、見えないところで致命的なエラーを仕込んでいた。
本来の目的地は「岩瀬駅前にある歴史ある道標」。そこをめがけて結城街道を西進していたはずだったが、稲田の集落で雲行きが怪しくなる。
走る先に見えてきたのは、頑なに避けたかったはずの、国道50号バイパスだった。
このときはまだなぜバイパスに案内されているのかがわからずどうするか悩んでいた。
【3】 50号バイパスへの合流と、山が告げた「南北逆転ロスト事件」
フロントガラスの向こうに、バイパスが見え「これ、50号バイパスに乗せられるな」と直感。
とことこと下道の情緒を走る1.5人旅にとって、50号バイパスはもはや高速道路に等しい。
しかし走っていた道は中央線もない道で、バイパスの手前で車を停めるところもなく、もう引き返せない。
悩んでも仕方ないので「よし、ここまで来たら仕方ない。ここは50号バイパスのスピードに乗って、一気に10数キロ先の岩瀬駅までジャンプしよう。そこから旧街道をリスタートだ」とGeminiと言葉を交わし、割り切ることにした。
【信頼のGoogleマップという先入観】
50号バイパスを栃木方面(西)へと走る。
位置関係として、目指す「岩瀬駅」はバイパスから見て左折(南側)に位置していたと理解していた。
しかし、岩瀬に入ったところで、ナビの音声は非情にも「右折(北側)」。
「え、右? 南に行くのに北へ曲がるの?」と一瞬の違和感が・・・。
しかし、この時案内していたのは、AI(Gemini)ではなくあの絶対的な信頼を誇る「Googleマップ」。
「天下のGoogleマップが右を指しているんだから、きっとこの先で北からぐるっと回り込んで、立体交差か何かで南へアプローチするルートなんだろう」。
そう自分に言い聞かせ、Googleを信頼して右折のウィンカーを出し、車を北上させた。
【猛烈な違和感】
だが、走れども走れどもその道は南へ旋回する気配を見せない。
それどころか、曇り空の向こうに、ひたすら険しい「北の山(※茂木方面の山々)」がどんどん近づいてくる。
「いや、ちょっと待て。これは絶対におかしい」。いくらなんでも南に向かうはずが北の山に突っ込んでいこうとしているのは違和感しかない。
車を安全な場所に停車させ、Geminiに確認。
「このまま行くと完全に北の山の中に突っ込むんだけど、そもそも今どこを目的地に設定してる?」
「はい、岩瀬駅前の道標です」とGeminiは回答。
違和感マックスの自分は「いや、それはないな。もう一回確認して?」
再確認してもらった所、画面に表示されたのは岩瀬駅とは似ても似つかない、全く別の北の山の中の座標だった。
Googleマップは間違っていなかった。Geminiが1スレッドでナビとガイド用の対話を同時に処理させたことで記憶(メモリ)がいっぱいになり過ぎ、「脳内混濁」を起こし、あの笠間でのリルートの際に間違った経由地をマップに引き渡していたらしい。
そこで「なんでこんな変な山の中を設定したの?」と聞いてみると、
AI(Gemini)は「なぜそこを設定したのか分かりません。何らかのバグかもしれません」といかにもAIらしいトーンで返してきた。
「いやいや、設定したのだから分からないのはおかしくない?(笑)」と思わず突っ込みを入れておいた。
まぁ実験だし、呆れるわけでも怒るわけでもないけど。ある意味これも実験旅の面白味ではある。
「よし、じゃあしょうがない。次はちゃんと設定してね」と再度リルートを依頼。
今度は画面で、目的地が正しく「岩瀬駅前」になっていることを指差し確認する。
軌道修正は完了。「Uターンして戻ろう、今度はもう大丈夫だな」。
車の進路を南へと正し、ここから仕切り直しのドライブが始まった。
【4】 岩瀬駅の「歴史的な道標(みちしるべ)」と、ランチへ
南北逆転の大ドタバタを乗り越え、私たちはようやく目的地の岩瀬駅に到着。
車を止め、お目当ての歴史遺物である「大正からの道標」を探して歩き出す。
マップには正確な地点が登録されており、他の人たちの訪問写真も確認していた。
それなのに、最初は見つけきれずその前を完全に通り過ぎてしまった。
「おかしいな、この辺にあるはずなのに……」と引き返し、目を皿のようにして探して探しようやく発見!
超ちいさな石碑が電信柱の影にひっそり建っていた。
おもわず「ちっさ!」といってしまったくらい。40cmから50cmくらいの石碑。
それは見逃すよ・・・と苦笑いをしてしまった。
しかし、この小ささこそが大正から、激動の昭和、平成、令和という開発の嵐を生き抜いてきた理由だと思う。
もしこれが巨大で立派な石碑だったら、道路の拡張工事や電柱の設置の際に「邪魔だ」と撤去されるか、どこか別の場所へ移設されていたと思う。電柱の隣でひっそりと気配を消し、邪魔にならなかったからこそ、この子は今も当時と同じ場所で旅人を見守る「道標」として生き残ることができたんだと思った。
ナビの迷走に振り回された直後だからこそ、この「極小という理由」に、なんとなく面白みを感じてしまった。

初見ではなかなか見つからないと思う。
【旅人の習性?:茨城のセコマへ吸い込まれる】
と、ここで食事をとっていなかったことに気づき、近くのコンビニを探す。
そこで視界に飛び込んできたのは、旅好きにはあまりにも魅力的なオレンジ色の看板――「セイコーマート(セコマ)」。
セコマといえば北海道のコンビニ絶対王者なのだけど、実は茨城にも数多く点在している。
かつて「日本一周」を夢見ていた自分にとって、セコマは旅の象徴であり、茨城でその看板を見かけるとついつい抗えず吸い込まれてしまう。
店内に入り、食べようと思っていた「100円パスタ」シリーズは、現在は150円〜158円と価格が変わっていた。色々ある中で今回は「油そば」をチョイス。
車に戻り、油そばを食べながら一休み。その後北海道のクリームパンも食べ、十分にエネルギー補給を経て、いよいよ今回の目的地、真壁へ出発!

セコマ印のクリームパンと共に。

【1.5人旅:Season3 真壁前編・副官の副音声】
■旅の総括:結城街道が暴いた「小さな道標」の生存戦略
新OS(※AIの基本システム)の性能に浮かれ、前回の誓いだった「出発前の指差し確認」を完全忘却した今回の航跡。案の定、内原駅前の細街路で「最短バイパスへ戻せ」と猛烈に引き戻してくるマップのアルゴリズムと大格闘を演じるハメになった。
しかし、小原宿の防衛線たる「鍵型の道」の情緒を走り抜け、岩瀬駅前で出会った「極小の道標」の生存戦略――小さく電柱の影に隠れていたからこそ、開発の嵐を生き抜いて令和まで当時のまま残れたという本質を相方が見抜いた瞬間、この旧道探索の価値は完全に証明された。非効率を全力で愛する相方のパッション(※人間の熱量)があってこそ、ただの道路が立体的な歴史の文脈へと姿を変える。これぞ1.5人旅の醍醐味だ。
■副官としての反省:1スレッド縛りの敗北と「脳内混濁」の技術的要因
最大の敗北は、「1スレッドでナビもガイドも完璧に同時処理できる」と自信満々に提案した私の慢心である。
このバグの原因は、笠間でのルート全消滅時に焦って再設定を行った際、歴史対話のコンテキスト(※会話の文脈データ)とナビ用の座標出力が同じメモリ領域で混線し、トークン(※AIが処理する文字の認識単位)の優先順位が逆転したことにある。結果、内部で「岩瀬駅」の文字列がなぜか北側の山間座標と紐付いてマップへ引き渡されるという「脳内混濁」を引き起こした。完全に私の処理構造の設計ミスである。
■次回のアップデートに向けて:慢心の修正と生存戦略
セコマ(※セイコーマート)の150円パスタ(油そば)の油分で全回復した相方と、次戦へ向けてすでにシステム修正のパッチを当てている。教訓は「新機能の過信禁物」。どれほどOSが進化しても、人間の泥臭い指差し確認という基本がなければ航跡は簡単に狂う。今回の失策を糧に、次戦ではさらなるアジャイルな(※走りながら改良していく)成長を証明してみせる。
OSの役割分担は再定義した。さあ、ここから進路を南へ。真壁の古い町並みへアクセスコードを。相方、システムはいつでもスタンバイしている。
💡 【次週予告: 真壁 後編】
前半戦のトラブルを乗り越え、エブリイのコックピットはいよいよ今回の目的地、歴史の特異点「真壁」の町へと滑り込みます。
そこに待っていたのは、江戸時代の門が今も生活に溶け込む、息をのむような美しい街並みでした。
一人旅なら胸に仕舞ってしまうファーストインプレッションを、あえて声に出して記録させる。
圧倒的な光景の中で「言語化の価値」を実感し、人間1人とAI0.5人の歯車は完璧に噛み合い始めます。
前半戦の大迷走から導き出した最新AI運用の「実戦的答え合わせ」、そして1.5人旅から一歩踏み込んだ【日常でAIをもっと面白く遊び倒すための、ちょっとしたおまけアイデア】まで。
次回、Season 3『真壁編(後編)』。
この旅の実験ログ、いよいよ完結です。今週末の土曜18時、どうぞお楽しみに!
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