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AI物語:第6話 専門家の知識をコンピューターに――エキスパートシステムの時代

1980年代、AIは再び注目を集めます。その主役となったのが「エキスパートシステム」。医師や技術者など、専門家が持っている知識を「もし~なら」というルールに変換し、コンピューターに判断させる仕組みでした。
医療、製造、故障診断など、さまざまな分野で期待されたエキスパートシステム。しかし、知識を増やすほどルールは複雑になり、変化する現実に対応することも難しくなっていきました。AIは再び、次の問いに向き合います。

「人間がルールを教えるのではなく、AI自身に学習させられないのか?」


1980年代。長い「AIの冬」を抜けて、人工知能に再び光が差し始めていました。しかし、研究者たちは以前と少し違う考え方をするようになっていました。何でもできる、人間そっくりの知能を、いきなりコンピューターに作る。それは、あまりにも難しい。ならば――「人間の専門家が持っている知識を、コンピューターに教えてみよう。」そんな発想です。

AIの第二の春

たとえば医師。患者の症状を聞き、「この症状があり、さらにこの検査結果なら、この病気の可能性が高い。」と判断します。熟練した技術者も同じです。機械の音を聞き、「この音なら、この部品を疑うべきだ。」と経験から判断します。

人間の頭の中には、長年の経験から身につけた膨大な知識が蓄積されている。それなら、その知識を「もし……なら……」というルールに変えて、コンピューターに教えればいい。
こうして広がっていったのが、「エキスパートシステム」でした。

専門家の知識を機械へ

これは、今のAIとはかなり違います。コンピューター自身が大量のデータから学習するのではなく、人間の専門家が持つ知識を、人間が一つ一つルールとして入力していくのです。たとえば、「もし発熱があり、特定の症状があり、この検査結果なら――」というルールを積み重ねる。条件が一致すれば、コンピューターが結論を出す。単純に見える仕組みでしたが、専門分野では大きな力を発揮しました。

エキスパートシステム

特に有名になったのが、医療分野の「MYCIN」です。1970年代にスタンフォード大学で研究されたこのシステムは、感染症の診断や抗菌薬の選択を支援することを目指しました。人間の医師が持っている知識を、コンピューターが利用する。その姿は、まるで「人工的な専門家」のようでした。

MYCINと医療AI

企業も注目しました。もし工場の熟練者が長年かけて身につけた知識をコンピューターに保存できれば、その人がいなくても一定の判断を再現できる。
故障診断。金融。製造。医療。さまざまな分野でAIが使えるのではないか。AIは再び、大きな期待を集めました。

工場で働くAI

しかし――ここにも、弱点がありました。知識が増えるほど、ルールも増えていく。「この場合はこう」「ただし、この条件なら例外」「さらに、この状況では別の判断」そんなルールを延々と追加していくと、システムは次第に複雑になっていきます。

ルールが増え続ける

そして何より、「専門家は、その判断をどうやってしているのか?」
という問題がありました。人間の専門家自身が、理由を明確に説明できない判断もあります。長年の経験。直感。微妙な違和感。そうしたものを、すべてルールに変換することはできません。

さらに、世界は常に変化します。新しい病気。新しい製品。新しい事故。新しい状況。そのたびに人間がルールを追加しなければならない。エキスパートシステムは、確かに役に立ちました。しかし、それは「自分で学び続ける知能」ではありませんでした。

そして、この問題が再びAIの前に立ちはだかります。人間の知識を一つ一つ書き込むのではなく――コンピューター自身に、大量の経験から学ばせることはできないのか?この問いが、次の時代への扉を開いていきます。
AIは再び壁にぶつかります。そして、二度目の「冬」がやって来ることになるのです。


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こう爺ワールドのご紹介
監督:こう爺
お話とプロンプト:ChatGPT
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