羽衣伝説 天からのファンタジーHagoromo Densetsu Vol.III
第六話
「招かれし者」
どれほどの時が流れたのでしょうか――。
ふと気がつくと、
そこは今までに見たことのない、
美しく静かな世界でした。
やがて、あの天女が姿を現しました。
「こちらへどうぞ」
そう言われたような気がしました。
けれど、唇はほとんど動いていません。
それでも、その言葉は確かに、
ごんぞうの心の奥へと響いてきたのです。
そこからしばらく、
回廊のような道を登っていきました。
やがて着替えを促され、
言われるままに身支度を整えると、
数人の天女たちに手を引かれながら、
大きな扉の前へと導かれました。
「こちらは、月の神様たちが居られる場所です。
ここから先は、どうぞお一人でお進みください」
そう告げられ、ごんぞうは静かに扉を開きました。
そこには――
銀色に輝く、船のような乗り物があり、
その向こうで、あの天女が手を振って待っていました。
その姿を見て、ごんぞうは少し安堵し、
その船へと乗り込みました。
そして、天女を乗せると、
静かに進み始めたのです。
――その瞬間。
あたりが、きらりと輝きました。
すると、そこには
天女の父と母が、すでに待っていたのです。
ごんぞうは目を丸くしながら、
ゆっくりと近づいていきました。
すると――
「よく来られました。
私たちは、あなたがここへ来るのを待っていました。
あなたは、私の娘を
嫁に迎えてくださるのですね」
「……?」
そんな約束をした覚えはありませんでした。
けれど――
なぜか、とても心地よく、
満たされた気持ちになっていたごんぞうは、
思わず――
「はい。とても光栄です」
そう、答えていたのです。
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