やけどしないこたつ

僕の家には電気炬燵があった。

冬になると、家族みんなで炬燵に入る。我が家の家族は、みんな炬燵が好きだった。

もちろん、僕の犬もそうだった。

仕事で疲れて帰ってきた日は、そのまま炬燵で寝てしまうことがあった。

一時間くらい経って、なんだか妙に暑いなと思って目を覚ます。

すると、目の前に犬の尻があった。

どうやら僕が寝ている間に、犬も炬燵に入ってきたらしい。

僕はそのまま、犬を少しだけぎゅっと抱きしめた。

犬は何も気にせず、眠っていた。

僕も、そのまま眠った。

我が家の炬燵には、みんなそれぞれ座る場所が決まっていた。

たまに席替えをすることもあったけれど、大体いつも同じ場所に座っていた。

だから当然、その場所には、それぞれの匂いが染み付いていたのだと思う。

仕事から帰ってきて、僕がいつも座っている場所を見る。

するとそこには、僕より先に犬が丸まって寝ている。

僕は、その光景を見るのが好きだった。

「お兄ちゃんが座れないから、どきんちゃい。〇〇ちゃん」

母がそう言っているのを聞くのも好きだった。

僕は、

「大丈夫だよ」

と言って、別の場所に座った。

あるいは、犬を少しだけ抱き上げて、そのまま自分の膝の上に乗せた。

犬は嫌がることもなく、僕の膝の上でまた眠った。

こんな小さな生き物の、いったいどこにそんな力があったのだろう。

白色と茶色と金色の毛が混ざった、まるで毛玉みたいな生き物だった。

なのに、人を笑わせたり、癒したり、和ませたりする。

僕が仕事から帰ってくる。

すると、僕の座る場所で丸くなって眠っている。

まるで、僕が帰ってくるのをずっと待っていたみたいだった。

僕は、そんな君を見るのが好きだった。

炬燵の中で、君はいつも暖かそうに眠っていた。

僕も君を抱きしめて、そのまま眠った。

あの頃の炬燵は、やけどするほど熱かった。

でも、不思議と、僕は一度もやけどをしなかった。







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こちらの記事は、パナップさんから頂いたエッセイしりとりバトンのテーマ「や」から、作成してみました。


パナップさんはエッセイを書かれている方で、読んだあとに、心が温かくなる文章を書かれる方です。

一時期の僕は、パナップさんの文章を読みたくて、そしてパナップさんに僕の文章を読んでもらいたくて、noteを続けていたようなところがあります。

パナップさんと僕は、一度も直接絡んだことがありません。

それなのに、僕は勝手に、ほとんど友達のように思っています。笑

さて、次のバトンは、しらたまとまわりみちさんにお送りしてもいいでしょうか?


しらたまさんは、ふわふわしたフェルトアートのアニメーションと、エッセイを書かれてる人です。
可愛らしいフェルトアートと、優しい文体のエッセイが素敵な方です。
しらたまさん、ご迷惑でなければお願いしてもよろしいでしょうか?


※下記、ルールにも記載ありますが
止めてしまっても大丈夫です👌

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ルール
・前走者の表題のお尻から始まる表題
・ハッシュタグ『#エッセイしりとり』を忘れず
・文字数は 140〜3,000 程度
・書き終わったら、
 次にバトンを渡したい人を最大3名まで指名
・指名した相手に通知が届くよう
 その人の記事を一つ、自分の記事内へ貼る
・誰にも回さず終了してもOK
・別ルートから二度目、三度目のバトンが飛んできた場合も参加OK

バトン引き受けてもらえる場合は、「つ」から始まるタイトルになります。もしご迷惑でなければよろしくお願いします(>人<;)

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