レモンタルタルソースと私と夏休み|【エッセイ】日常のスベッたコロンだ
レモンの酸味が程良い。家に帰って舐めたとき、それがいいと思っていました。
KALDIで買ったレモンタルタルソースのことです。
店内で見たとき美味しそうだと思いました。でもどうやって食べよう。買う前に店内をぐるりぐるりと回り、そう考えました。
私はあまり料理が好きではありません。思い付きでとても好きな味に出会うこともあるのですが、大抵のおかずは「煮物」か「炒め物」に落ち着きます。
それなのに悩んでいました。
レモン味だったからです。
私は鶏モモ肉のピカタにレモンタルタルソースを付けて食べたら、それは美味しかろうと思いました。
そう腹積もりが決まったので、買って帰ることにしました。
暫くの間レモンタルタルソースは冷蔵庫の中で使われずに冷えていました。そしてわたしが第1回目にこのソースを使ったのは「レタスサラダ」でした。
名称の所に「半固体状ドレッシング」と書いてあるので、そういう食べ方もできるよねという考えからでした。
かけて食べてみると酸味が広がってさわやかです。私は最初の考えと違っていることが少し気になりましたが、美味しかったので又冷蔵庫に戻しました。
第2回目の料理に選んだのは「パスタ」でした。
これも少し違っていました。
パスタを茹でて、茹でたブロッコリーをオリーブオイルで炒め、そこにパスタを入れました。フライパンを火からおろす直前にレモンタルタルソースを加えて味をなじませます。
とてもおいしかったのです。私は買ってよかったとしみじみとしました。まだ当初の目的は達成されていないのに。
そんなことを繰り返している内に中身は残り1/5程になってしまいました。
私は「まずい」と思いました。
味ではありません。状況が、です。
夏の暑い日にわざわざ遠くのスーパーに行って、鶏モモ肉の3枚入りのパックを買いました。
いつもは1枚入りを買うのですが、1枚入りだと煮物に使ってしまうと「カピタ」にできないという事実にようやく気付きました。
「そうか、だから私は今まで作ろうとして作れなかったのか」
そう思いました。
だから、3枚買って2枚は煮物用に小さく切ってジップロックに入れて冷凍します。残りの1枚が大きかったのでそれを半分にして「よし!カピタだ!」やっとそう思うことができました。
小麦粉があったっけと思って買ってしまってから家にあったのはご愛嬌としました。
カピタの作り方を忘れました。確か卵を使うのだと記憶していました。卵はありました。でも、どうするのかが思い出せません。
仕方ないので、塩コショウをして小麦粉にまぶしてフライパンの中へ。周りの空いたところに副菜の白菜を詰め込みました。
「これ……なに?」
分かりませんでした。
検索してみると「チキンソテー」と出ました。
それでも私はレモンタルタルソースをその「チキンソテー」にかけるとその日の夕飯を食べ終えたのです。
食べてみると、私がKALDIの店内で思い描いた夢の光景に少しだけ近くて、やっと夏の宿題をし終えた小学生のような気分になりました。
ところで「ピカタ」ですが、小麦粉を付けた後、卵と牛乳と色々を混ぜたものに絡ませてフライパンで焼くのだそうです。
作り方を知った今、作る日は来るのでしょうか。
わかりません。
ただ、その時にレモンタルタルソースは確実に無いです。それだけは言えます。
いいなと思ったら応援しよう!
皆様の胸の中に少しでも何かが届きましたでしょうか。届きましたらそのままお持ち帰りください。もしよろしければ応援していただけたら励みになります。いただいたチップは「詩の森」の詩に曲を付けて公開するために大切に使わせていただきます。