私の居場所は、ゲームの中にあった|ドラクエⅤ
子どもの頃から引っ込み思案だった私にとって、学校は少し息苦しい場所でした。
友達が全くいなかったわけではありません。
少ないながらも、仲良くしてくれていた友達はいました。
でも、口数が少なかったりするせいか、誤解されたり勘違いされたりすることも多く、子どもながらに人間関係に疲れていました。
そんな私は学校から帰ってくると、友達と遊びに行くよりも楽しいと思えることがありました。
私が一番安心できた場所は、テレビの前だったのです。
小学校にあがる前、家で暇を持て余していた私は、母に「つまんないー!」とよく訴えていました。
そうすると母は決まって、
「お兄ちゃんのところへ行きなさい」と言いました。
母の言葉に従って兄の部屋へ行くと、兄はテレビゲームをやっていました。
兄は私が部屋に来ると、1人でやっていたゲームをキリのいいところで中断し、2人で遊べるゲームに切り替えてくれました。
ボンバーマンやマリオなど、よく一緒に遊んだものです。
兄がやっているゲームをただ横で眺めているのも嫌いではありませんでしたが、見ていてつまんないなと思っていたゲームがありました。
それは、かの有名なドラゴンクエストです!
まだ幼かった私は、漢字が読めなくてストーリーについていけず、何がおもしろいのかさっぱりわかりませんでした。
小学校の中学年頃、兄は私にドラクエⅤを勧めてきました。
「やってみるとおもしろいから」と。
私は乗り気ではなかったけど、とりあえずやってみることにしました。
主人公は男の子だったけど、迷わず自分の名前をつけました。
兄に助言されながら進め、フィールドへ出て地道にレベル上げをしたり、気づけば私自身がその世界を旅しているような気持ちになっていました。
毎日学校へ行っていたけど、
“早く帰ってドラクエやりたい!”と思うほどに。
そんなのめり込んでいたある日、ストーリーも終盤にさしかかってきて、魔法のじゅうたんという乗り物でフィールド上を移動していた時です。
なんと画面がフリーズしてしまった!!
コントローラーのボタンを何押しても反応しません。
もうどうすることもできないとわかりつつも、兄が学校から帰ってくるのをそのまま待ちました。
兄が帰ってくると案の定、これは電源消すしかないということになり電源を消しました。
再びつけると、知る人ぞ知るあの恐ろしいBGMが鳴り響きました。
なんとセーブデータが消えてしまったのです…。
一生懸命レベル上げしたり、仲間を集めたり、毎日ワクワクしながら進めていた大事なものが、一瞬でなくなってしまいました。
呆然としている私を見かねた兄は、生き残った兄のクリア済のセーブデータで、ラスボスを倒すところを見せてくれました。
しかし、燃え尽き症候群みたいになった私は、そのドラクエⅤを再び最初からやる気にはなれず、未完のまま時が流れたのでした…。
(のちに出たリメイク版で全クリしましたw)
私にとってドラクエⅤは、まさにもうひとつの世界みたいなものでした。
仲間もいて、居場所があって、感情移入できるようなストーリーもある。
迷ったり不安な時は、攻略本を見ればどうすればいいかもわかる。
仮に失敗したとしても、リセットボタンを押せばやり直すこともできる。
学校で嫌なことがあったときも、何も考えずにゲームの世界に没頭することができました。
ゲームの世界にいるときは、私を否定するものは何もなかったからです。
今は昔ほど時間がなくなってしまったので、ゲームをする時間は減りました。
それでもたまに、何か足りないものを満たしたいような気持ちになり、ゲームをやることがあります。
今思うと、ゲームの世界は私にとって、楽しさだけではなく安心できる居場所でもあったんだと思います。
あの頃ゲームに救われた私が、大人になってまたゲームで人と繋がるなんて思ってもいませんでした。
この話はまた次回、書きたいと思います。
人生って、本当に何が繋がるかわからないものですね😊
