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はじめての育児手当 🔥4

夫婦の財布ははじめから別だった。

話し合いはしていない。
気付いたらそうなっていた。

それでもいいか。
そんなふうに思っていた。


子どもが産まれるまでは。

─────

ATMで、引き出しボタンを押す。

金額を見て、言葉を失った。

「……え?」

思わず、もう一度通帳を見返した。
見間違いではなかった。

うそでしょ。

これで、やるの?

子どもは、まだ小さい。
おむつ代、ミルク代。

生活は、子どもだけで
成り立っているわけじゃない。
日々の食費もある。

─────

不安になって、夫に言った。

「これ……結構きついと思う」

返ってきたのは、
あまりにも軽い言葉だった。

「貯金あるでしょ。できるじゃん」

その一言で、会話は終わった。

貯金。

それは、私が結婚してからコツコツ
自分の給料から貯めてきたお金。

生活費にそれを食い潰すのか。

そうしたとして、
その地獄はいつまで続くのか。


足りなければ、私がなんとかする。

そういう前提でこの家は回っている。
その事実に、今更、気づいた。

─────

この頃は、まだ大きな出費は少なかった。

出かけることもほとんどない。
贅沢なんて、するはずもない。

それでも、通帳の数字は、
確実に減っていった。

食費。

それに、雑費。
自分の携帯代。
車検のための貯金。
車の維持費と、ガソリン代。

出かけなくても、車はなくならない。

そこに、子どものおむつ代。
母乳が安定しない時期の、ミルク代。

ベビーカーや、子どもの服。
ほとんど友達からもらったけれど、
足りない分は、全部私が買った。

時間はあった。
だから、私がやった。

夫が買ってくれることは、なかった。

一緒に買い物に行っても、
食事用のものをカゴに入れたまま、
会計の頃には、いなくなる。

気づけば、私が払っていた。

そこに、「家計」という言葉はなかった。

使っていないのに、減っていく。
贅沢していないのに、苦しい。

このままじゃ、無理だ。
はっきり、そう思った。

でも、子どもは、まだ小さい。


やらないと。

この先のために。

─────

削った。

削れるのは、自分だけだった。

服も、外食も、美容院も。
何も買わなかった。
何も持たなかった。

それでも、足りなかった。

マイナスの数字を見て、ため息をつく。

「……こんなので、
どうやってやっていくんだろう」


産後の私は、
またしても、お金と生活を
ひとりで背負う場所に立たされていた。

──────────
🫧この形の私

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過去のお金の話

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▷  進学時|寮費
▷      家|生活費
▷      婚|資金
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▶  次の出来事へ(母の一大事)

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