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パパになって初めてわかったこと。#7|「一人になりたい」と思った夜、僕は自分を責めていた。


夜11時。子どもたちが寝て、家の中がようやく静かになりました。

リビングには片付け忘れたおもちゃ。テーブルには子どもが飲み残した麦茶。ソファには畳みきれなかった洗濯物。

「やっと、自分の時間だ」

そう思ってスマホを手に取りました。でも時計を見ると、もう11時を過ぎています。明日も仕事です。

結局、何をするでもなく画面を10分ほど眺めて、布団に入りました。

そのとき、ふと思ったんです。

自分の時間って、いつからこんなに少なくなったんだろう。


「ちょっと一人になりたい」と思ってしまった日

先週の、休みの日の夕方でした。

長男と次男がリビングで取っ組み合いのようになって騒いでいて、その横で僕は洗濯物を畳んでいました。

そのとき、はっきり思ったんです。

「ちょっとだけ、一人になりたいな」

本当に、それだけです。静かなところで、30分くらい何も考えずにいたい。

でもそのあと、少し嫌な気持ちが残りました。

子どもたちはかわいい。家族と過ごす時間は大切。自分から望んで父親になった。

なのに、一人になりたいと思ってしまった。

父親なのに、こんなことを思っていいのかな。そんなふうに考えました。

余裕がなくなると、一番近い人に出る

このころ、自分でも気づいていたことがあります。

余裕がない日は、子どもへの言い方が変わるんです。

いつもなら「そろそろ着替えようか」で済むところが、「早くして!」になる。一緒に片付けられるはずのおもちゃに、なぜかイライラする。妻に何か頼まれたときに、口には出さないけれど「今?」と思ってしまう。

そして、あとで後悔する。

第3話で、子どもに怒ってしまった夜のことを書きました。あのときも、たぶん怒った瞬間だけの問題ではなかったんだと思います。その前から、じわじわ余裕がなくなっていた。

僕は仕事で、返ってきた商品の検品をしています。汚れがないか、傷がないか、数は合っているか。集中力が落ちてくると、見落としが増えるのが自分でもわかります。

家でも、同じことが起きていました。

実は、まだちゃんと言えていない

ここまで書いておいて何ですが。

僕はこの「一人になりたい」という話を、妻に正面から言えていません。

それとなく伝えたことは、たぶんあります。冗談まじりだったり、別の話のついでだったり。でも、面と向かって「一人の時間がほしい」と言ったことは、一度もありません。

言えない理由も、自分ではわかっています。

家のことをやっている時間は、たぶん妻のほうが長い。そこに向かって「僕は一人になりたい」と言うのは、なんとなく筋が通らない気がしていました。

でも、そう思っている時点で、僕はたぶん勘違いをしています。

僕が「一人になりたい」と思うなら、妻にも一人になりたい日があるはずです。好きなことをしたい時間がある。何も考えたくない日だってある。

僕だけが「父親は大変だ」と思っている限り、そこは一生見えないままです。

言葉にしていないのに、なぜか回っていること

不思議なのは、我が家にはすでに「交代する時間」があることです。

休みの日、どちらかが子どもを連れて出かけている間、もう一人は家に残る。次の週は、それが入れ替わる。

誰かが提案したわけでも、ルールを決めたわけでもありません。気づいたら、そうなっていました。

たぶん、お互いが言葉にしないまま、少しずつ譲り合ってきた結果なんだと思います。

それで、ちゃんと回っている。だから今まで、話す必要がありませんでした。

でも最近思うのは、うまくいっているうちに話しておいたほうがいいんじゃないか、ということです。

余裕がなくなってから「一人になりたい」と言えば、それはたぶん、不満として伝わります。

今なら、ただの希望として言える気がします。

「時間ができたらやろう」

以前の僕は、ずっとこう思っていました。ゲームも、読書も、勉強も。

でも子どもがいる生活で、まとまった自由時間が突然現れることはほとんどありません。待っているだけでは、たぶん一生来ない。

だから、大きな時間を探すのをやめました。10分でも、15分でもいい。短くても「これは自分の時間だ」と思える時間を、先に決めておく。

ただ、ここで一つ困っていることがあります

子どもが寝たあと、僕は副業をしています。noteを書く。次の記事を考える。AIを触ってみる。

将来の収入につながれば家族のためになる。だから大切な時間です。

でも最近、少し疑問に思うようになりました。

この時間を、全部「自分の時間」と呼んでいいんだろうか。

副業は好きでやっている部分もあります。でも、成果を出したい、収入を増やしたい、と考え始めた瞬間に、これはもう一つの「仕事」になります。

本業が終わって、家事と子育てをして、そのあと副業。それだけで一日が終わる。

これでは、自分の時間をつくったつもりで、ずっと働いているだけかもしれない。

だから最近は、意識してこう決めています。

週に一日は、何の成果にもつながらないことをする。

アニメを見る。カードを眺める。何もせずぼーっとする。生産性はゼロです。

でも、たぶんそれが一番、自分に戻れる時間なんだと思います。

自分を大切にすることは、家族を後回しにすることじゃない

父親になってから、「家族を優先する」という言葉を何度も考えてきました。それは今も大切だと思っています。

でも、家族を優先することと、自分を全部後回しにすることは、同じではありませんでした。

自分に余裕がなくなれば、その余裕のなさは結局、一番近くにいる人に向かってしまう。

だったら、自分を整える時間をつくることも、巡り巡って家族のためになる。

そう思えるようになったのは、わりと最近です。

パパになって初めてわかったこと。

父親になったからといって、自分がなくなるわけではありませんでした。

会社員でもある。夫でもある。父親でもある。

でもその前に、一人の人間です。好きなものがあって、疲れることがあって、一人になりたい日もある。

それを全部我慢することが、良い父親なのかというと、たぶん違う。

まだ正解は分かりません。それでも、「一人になりたい」と思ったときに自分を責めるのだけは、やめようと思っています。

そして近いうちに、妻にもちゃんと言ってみようと思います。

「たまには一人になりたいときあるでしょ」と。

たぶん、返ってくる言葉のほうが、僕には必要な気がしています。

今夜も、子どもたちが寝たあと少しだけ時間ができます。

noteを書くかもしれない。アニメを見るかもしれない。何もせず、ぼーっとするかもしれない。

それでいい。

明日また、会社員になって、夫になって、父親になるために。ほんの少しだけ、自分に戻る。

「パパ、遊ぼう!」と言われたときに、笑って「いいよ」と言える自分でいるために。

普通の家庭の、普通のパパの話です。

次回予告

第8話|「パパの仕事って、何のためにしてるの?」と聞かれた日。

「お金を稼ぐため」——そう答えれば簡単でした。

でも、本当にそれだけなんだろうか。

父親になってから変わった「働く理由」について書きます。

「パパになって初めてわかったこと。」 30代会社員・2児の父が綴る、仕事と家族のリアル。



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