なぜFP&Aの需要が急増しているのか
「最近、FP&A(Financial Planning & Analysis)って言葉をやたら聞く」
「経理から先のキャリアを考えると、FP&Aが気になる」
「でも、結局なにが違うの?本当に需要あるの?」
結論から言うと、FP&Aの需要は“流行”ではなく、構造変化です。
そしてこの構造変化は、あなたが今感じている「経理がしんどい」「責任が集中する」「未来が見えない」に直結しています。
1. 会社がいま“答え”ではなく“意思決定”を求めている
昔の会社は、言い方は悪いですが、
**「正しい数字を出しておけば回っていた」**時代がありました。
でも今は違います。
市場が変わるスピードが速い
顧客のニーズが短期間で変わる
競合が急に現れる
人材も資金も常に不足する
つまり、会社は**“次に何をするか”を決め続けないと生き残れない**。
この時、経営陣が欲しいのは
「先月の実績」だけではなく、
**“次の一手の材料”**です。
どの施策が伸びているのか
何を止めるべきか
どの投資を増やすべきか
いつ資金が尽きるか
この計画は実現可能か
この「意思決定のための数字」と「ストーリー」を作る役割が、FP&Aです。
2. SaaSがFP&Aの需要を爆発させた
あなたの会社がSaaS企業という前提で、ここが本丸です。
SaaSは、売上の見え方が独特です。
受注した瞬間に売上が立つわけじゃない
解約(チャーン)が未来の売上を削る
広告費や人件費を先に使い、回収は後
伸びる時は一気に伸びるが、失速も早い
そして、SaaSは多くの場合、成長のための赤字がある程度前提になります。
だから経営はいつもこの問いに追われます。
「成長のために投資していい。でも、どこまで投資して大丈夫?」
その判断に必要なのは、帳簿の正確性だけではなく、
未来の数字を読み解く力です。
CACは上がっていないか
Payback期間は伸びていないか
NRRは維持できるか
セールス採用を増やすといつARRが増えるか
開発投資を増やすと何ヶ月後に解約率が下がるか
ここを整理して、意思決定に落とし込む人が足りない。
だからFP&Aが必要になります。
3. 「経理が抱え込みすぎる会社」が増えているから
経理が抱え込みすぎる会社は増えています。
実際に私もそうでした。
・100人規模で経理3人
・予算・中計・IPO準備・予実管理が全部経理に集中
・責任感が強くてやり切ろうとしてしまい、しんどい
この構造の本質は、
**“会社が数字の専門家を経理にしか持っていない”**ことです。
経営企画が弱い、データ分析が弱い、事業側に数字を扱える人が少ない。
結果として、経理に期待が集中します。
「これってどういう意味?」
「来月どうなる?」
「この計画いける?」
「投資していい?」
経理は本来、過去を正しく締めるのが第一の職能。
でも会社が成熟していないと、未来の議論まで吸い込まれます。
この“未来の議論を担う役割”がまさにFP&Aで、
本来は独立した機能として置くべきなのに、置けない会社が多い。
だから市場全体で、FP&Aが不足しているんです。
4. 生成AIの普及で「作業」より「判断」の価値が上がった
ここも大きい。
AIが得意なのは、
定型作業
集計
文章生成
初期ドラフト作成
資料の叩き台
つまり、経理の“作業部分”が効率化されやすい。
すると会社は次にこう考えます。
「作業は軽くなった。じゃあ、その分、何に時間を使うべき?」
答えが、意思決定支援です。
“数字の意味”を説明できる人
リスクを見抜いて先回りできる人
事業側と会話して、経営判断に落とし込める人
これがFP&Aの価値。
AIの普及は、FP&A需要を減らすどころか、
むしろFP&Aを“会社の中心”に押し上げています。
5. 「人生が苦しい人ほど」FP&A視点が刺さる理由
ここからは少し個人の話です。
経理の仕事って、真面目で責任感が強い人ほど苦しくなりがちです。
ミスが許されない
正確さが求められる
〆切が絶対
褒められにくい
“問題が起きないこと”が成果になりがち
そしてある日、ふと思う。
「自分は頑張っているのに、報われているんだろうか?」
この問いに、FP&Aは答えをくれます。
FP&Aは、
**「自分の仕事が会社の未来にどう繋がるか」**が見えやすい。
投資判断に関わる
戦略に関わる
社長やCFOと会話する
“次の一手”に影響する
だから、人生に迷っている人ほど、
「未来を作る仕事」に惹かれるんです。
6. 経理からFP&Aに行く人が増えるのは自然な流れ
経理は、FP&Aへの最強の土台です。
数字の整合性を見抜ける
財務三表の理解がある
現場の実務も分かる
“現実のコスト”を知っている
足りないのは、主にこの3つ。
未来を仮説で語る力(予測・シミュレーション)
事業側と会話する力(問いの設計・翻訳)
意思決定に落とす力(ストーリー化)
逆に言えば、ここを鍛えれば、あなたは“市場価値が跳ねる”。
まとめ:FP&A需要増は「会社が未来を求め始めた」サイン
FP&Aの需要が急増しているのは、
市場が不確実になった
SaaSで経営が複雑化した
経理への集中が限界を迎えた
AIで“判断”の価値が上がった
という構造変化が同時に起きているからです。
そして、あなたが今感じているしんどさは、
「あなたの能力が足りない」からではなく、
会社が“未来の役割”まで経理に背負わせているから起きています。
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