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ベルギー&オランダひとり旅#07.プランタン=モレトゥス博物館に行ったらわくわくした

 本当はもう少し居たいところでしたが、行きたいところは他にもいっぱい。また来ようという気持ちとともに聖母大聖堂を後にしたその空からは、いまだに冷たい小雨がぱらついていました。

 足早にやってきたのは、プランタン=モレトゥス博物館

 アントワープの中心地に位置する活版印刷の博物館で、大聖堂からは歩いて5分程度で到着します。


プランタン=モレトゥス博物館

プランタン=モレトゥス博物館の外観

 16世紀のアントワープは、ヴェネツィアやパリなどと並んで印刷業の一大拠点でした。

 プランタン=モレトゥス博物館は、当時大規模な印刷・出版業を営んでいたクリストフ・プランタン(Christophe Plantin)が1555年に開いた印刷工房のオフィキナ・プランティニアナ(Officina Plantiniana)を起源に持ちます。

 創業者亡き後は娘婿のヤン・モレトゥスが事業を受け継ぎ、造本技術を向上させます。そして、300年以上もの間、一族により出版業が展開されました。その後、1867年にはアントープ市によって工房が売却。翌年には居住部分と合わせて博物館として公開されました。

こういう地球儀って素敵よね

 博物館には1600年頃から使用された世界最古の印刷機が2台あり、当時の印刷設備が展示されています。ほかにも、25,000冊の古書や638点の写本など、膨大なコレクションを所有しているのが特徴です。

 2005年には「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」としてユネスコの世界遺産に登録。

 名称からもわかる通り、この建物はもともと印刷工房だけでなく居住空間としても使われました。そのため、豪勢な家具や室内装飾、ルーベンスを始めとする数多くの絵画が見られるのも魅力の一つです。

慣れてないから読み難いけど
こういう字体好き

◇◇

◆活版印刷とデモンストレーション

文字だけじゃなくて周りのデザインも素敵

 実は旅行前から、この博物館を楽しみにしていました。

 印刷技術が今日ほどに発展していない当時の印刷工房。「これから未知の世界へ進出するんだ!」という夢が詰まっている気がしたからです。

 ――といいつつも、印刷には全く以て疎い私。どれほどかというと、活版印刷を「かっぱ印刷」と思っていたくらい(言い訳じゃないけど、「かっぱいんさつ」に聞こえるよね)。

 ということで、活版印刷とは・・・。

活字を組み合わせて作った版=活字組版を使った印刷方法です。…(略)…印刷したい部分が凸状に製版されており、その部分にインキを付けて紙を乗せ、上から圧力をかけることで紙にインキを転写します。木版などは版が一枚の板からできていますが、活版印刷は文字のひとつひとつが別々の活字でできているため、これらを組み合わせることで何度も版を作ることができます。

CAPPAN STUDIO「活版印刷ってどんな印刷?」より

 博物館では、当時の印刷機を実際に使う様子を見学できました。

土台のテーブルに組版があり、左側の板に紙をセット
ここにインクを乗せるわけですね
紙をセットした板を被せたら
上からグググー!!!
スタッフの方曰く、ここ、かなりの力が必要だそうです
出来上がりがこちら
強い力を必要とするこの作業。
印刷機が動くのを防ぐため
こうして天井まで棒を伸ばして支えていたそうです

◇◇

◆庭

中庭もあります
ライオン?
いや、耳が変だし
鼻は人間
なんだこいつ

◇◇

◆印刷機

 印刷室には計7台の印刷機が展示されています。世界最古の印刷機といわれる2台を除く残りの5台は、今でも機能するのだとか。

 ちなみに、当時はこの工房で一日1,250枚も印刷(両面)されていたそうです。そして、一日の平均労働時間は14時間(参照:博物館ホームページ)。

 いやぁ、肉体労働でしんどい上に14時間・・・。報酬は歩合制だったそうで、長く働くほど多くの賃金を得られたそうです。

 「今は当時に比べて技術も発展したし、仕事をするにしてもここまで身体を酷使することはなくなったけど、現代人は休みの時間にお金を払ってまで健康のためにジムで運動してるよね。少なくともここで働いていた人たちはそんなことをする必要はなかったわけだ。」

 先程のデモンストレーションで、そんなことを仰っている方がいました。印刷業に限らず、博物館で昔の話を聞いていると、このような話をよく耳にする気がします。その度に「便利 ≠ 幸福」なんだなと思いつつも、それでもやっぱり便利な方がいいよなあという結論に至る私でございます。

◇◇

◆活字棚

 印刷機に横には、さまざまな種類の活字が収められていました。

 こういうのすごく好きです。何時間でも見ていられる。自分だったらどのフォントを使うかなって想像するだけで、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

◇◇

◆印刷物

 そして出来上がった印刷物は、本当に美しかったです。

こうやって誤字がないか確認したり
修正箇所を見つけたりしてたのかな・・・。
気の遠くなる作業だろうなあ~
この地図、色もデザインも素敵すぎる
こういうのを見てるとわくわくするよね

◇◇

◆図書室

 この博物館で一番好きだった空間がこちらです。

 古書に、絵画に、地球儀・・・。家具がすべて木製というのも落ち着くポイントかもしれません。理想的すぎるぜ、こんにゃろめ。

◇◇

◆居住空間と絵画など

 最後に、居住部分などの写真を抜粋してお送りします。

ザ・ゴージャスな空間
絨毯(であってる?)の迫力がすごい
やっぱり小さい昔のベッド
皮でできてる?
壁がまたすごい
De stervende Seneca, P.P. Rubens (1612-1616)

ルーベンス作っぽいと思ったらルーベンスだった
De ongelovige Thomas - kopie naar P.P. Rubens (18de eeuw)

こちらもGoogle翻訳さんに伺ったところ
18世紀に制作されたルーベンスによる模写らしい
フェルメールの《天文学者》を思い出す
多分これもルーベンス作
なんか見たことあるぞ
いつぞやの教皇だよね?
食卓?
豪華だわあ
紙(?)か何かの倉庫
本って本当に素敵だなって思う
あまり読まないけどさ

◇◆◇◆◇◆◇

 プランタン=モレトゥス博物館は印刷や出版に興味のある方はもちろん、これらの分野に精通していない方でも楽しめる博物館だと思います。

 なんでしょう、当時の人々が抱えていただろう夢を感じました。

 無論、その繁栄のために酷使された人たちもいたでしょう。ただ、そういうことも含めて、当時にしかない世界を垣間見れたような気がします。

 見応えたっぷりで、楽しかったなあ!

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