「絶対、戻ってくる」と誓った旅──立山・雷鳥・みくりが池での親子の時間
立山の美しい景色の記憶の中、眠りに落ちた翌朝――。
※前編はこちら 👇
🍳 雷鳥沢ヒュッテの朝ごはんと、雷鳥に会えるかどうかの不安
雷鳥沢ヒュッテでいただいた朝食は、昔ながらの旅館のような優しい和定食。
歩荷さんが担いで運んでくれた物資からの食事だと思うと、ありがたみもひとしお。下界で頂くホテルの朝食より輝いて見える。

意外とグルメな我が子が、「美味しい!」と箸を止めずに食べ続ける。
そんな姿に、私はじんわりと満たされていく。
とても幸福な朝食だった。
エネルギーをしっかりチャージして、いよいよ出発です。


今回の立山旅行の大きなテーマの一つは——
「雷鳥を子どもたちに見せたい」。
前日は道中、雷鳥も探しながら歩いたのですが、いない様子でした。
もう一つの願いは、みくりが池に映る立山連峰の姿を子どもたちが納得できる形で写真に収めること。(子どもは2人とも、写真が趣味なのです)
どちらも、自然現象。私たちがどうこうできるものではありません。
二つのテーマを叶えたいと心で神様に祈りながら、足を進めました。
温泉の効果か、昨日の疲れはすっかり取れていて、登れるのか不安だった階段も娘より早く登り切る。
雷鳥沢ヒュッテ様に合掌です。



🏔️ 幼い日の記憶と重なる景色
実は、娘と息子が幼稚園の頃にもこの地を訪れたことがあります。
そのとき、みくりが池では突然、霧に包まれ、すぐ近くにいる子どもさえ見えないような状況に——。
子どもたちに、その場から一歩も動かぬよう指示をして、視界を凝らす。
そんな高山ならではの天候の記憶が、少し心配の種でもありました。
🦃 風が止み、雷鳥が現れた
みくりが池に着いたとき、
風がなぜかぴたりと止みました。
まるで奇跡。
鏡のような池に立山連峰がくっきりと映り込みます。

子どもたちは、三脚を取り出し、一眼レフを備え付け、レンズを様々変えて撮影です。
何人もの観光客が足を止め、「撮ってもらえますか?」と笑顔で声をかけてくる。その光景に、胸が温かくなった。
1時間ほど、みくりが池の撮影スポットで写真を撮り続けた私たち。
撮影の直後、みくりが池温泉に向かう途中、突然の霧。先ほどまでの好天は何処へ?
まるで、子どもが小さかった頃の記憶がデジャブのように戻ってきたかのよう。
「覚えてる?あのときも霧に包まれたよね」
美しい写真を撮れたことを感謝をしながらも、まだ欲張って、「雷鳥もお願い!」と思ってしまう。
🐧 雷鳥にも会えた!
立山連峰がみくりが池に映る静かな水面とその青に見とれてから、みくりが池温泉へ向かう坂道を登り始めた。
脇のハイマツの影に、丸く膨らんだ羽毛の塊が静かに佇んでいる――雷鳥だった。

子どもは会えていなかったので、本当に見せられてよかった。
鳥好きの娘は喜び、撮影好きの息子は、絶好の被写体に、再び三脚を取り出し、レンズを選び撮影大会です。
おせっかいな娘は、通りかかる登山者に、
「雷鳥いますよ」と囁いてまわる。
雷鳥は、本当に可愛い。いつまでも眺めていたい。
そして、この雷鳥を撮影したり、みんなに案内している子どもたちがとても愛おしくて、こんな幸せな時間はあるのだろうかと思う。


風が止まり、美しい山が池に映る、雷鳥が現れるーー
そのすべてが重なったのは、ほんの偶然。奇跡。
奇跡はきちんと私にも起こり、願いは叶う。

🏨 懐かしさに包まれたホテル立山のランチ
先程までの霧がすっかり晴れ、みくりが池温泉のデッキで眺めを楽しみながら軽食をとり、室堂駅へ。

バスの時間まで過ごしたのは、幼い子どもたちと、そして私の両親と泊まった思い出のホテル立山。
今回は宿泊ではなく、昼食だけでしたが、館内の景色はあの頃と変わらず、懐かしさとともに、「ただいま」という思いと、「また、来るね」という思いが交錯しました。
🍶 「また来るね」と言いながら選んだ熊よけ鈴
今回は主人が仕事で来られなかったので、主人には立山でしか買えない地酒を。
娘は、翌週に立山三山を本格登山する予定だったので、「また来るのにね」と笑いながら、熊よけの鈴の音を真剣に聞き比べて選んでいました。
母と娘と息子、それぞれの旅のあり方がそこにありました。

🍽️ 最後の晩餐——に、したくはないけれど
富山駅に向かい、旅の最後の食事は、駅ビル「マリエ」内のお店で。
地方に住む大学生の息子とは、ここでお別れです。
来年は、医学部6年生。最も忙しい。次にいつ会えるかは、まだわからない。
別に“最後の晩餐”じゃない。
でも、心のどこかで「しばらく会えないな」「来年は息子にとって試練の年になるのだな」という親心が渦巻いてしまい、食卓ではにぎやかに笑いながらも、心の奥で涙が滲んでいた。
📷 おわりに
立山連峰に映る家族の時間。
山の天気は変わりやすいけれど、家族の記憶もまた、瞬間ごとに表情を変えていく——
また訪れたいと思える場所があること。
そして、そこに一緒に行きたい人がいること。
それだけで、人生って、ちょっと豊かになるのかもしれません。
この note が、忙しい日常を少し離れて、家族と思い出を探すきっかけになったら嬉しいです。
🌿
今年の夏は、家族みんな忙しくて旅には出られなかったけれど、こうして思い出を綴ることで、もう一度、あの涼やかな空気を吸い直せた気がするのでした。
旅を振り返ることが、また旅になる——そんなひとときを、読んでくださった皆さまとも共有できていたら幸いです。

🔖このnoteは、50代で子育てを終えた私が、娘や息子との旅の記録として綴っています。火曜には、現役子育て中の方へ向けた経験談も。どなたかの心に、そっと寄り添えたら嬉しいです。スキやフォローで繋がっていただけたら、励みになります。
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