医師国家試験が終わった日。受験しないはずの親が抱えていた、静かな不安
2026年度の医師国家試験が、無事に終わりました。
親が受験するわけではありません。
それでも、「受かって当たり前」と言われる試験だからこそ、
もしここで落ちたらどうしよう、という不安が、ずっと心のどこかにありました。
医師国家試験は、例年、約1万人が受験します。
全員が、医学部で6年弱をかけて積み重ねてきた人たち。
いわば、猛者ばかりの試験です。
細かい制度の話は割愛しますが、
8割以上の足切りライン、禁忌問題。
少し気を抜くだけで、恐ろしい結果が待っています。
新卒で医師になれるのは約9割。
裏を返せば、残りの1割に入ってしまう可能性が、誰にでもあるということ。
10月にはマッチング結果が出て、
4月からの研修先もすでに決まっています。
「息子の学力なら大丈夫」と頭では分かっていても、
親の心は、そう簡単には割り切れませんでした。
試験前日は、
受験生全員が集まり、バスで指定ホテルへ移動し、
2泊3日、集団で過ごす“受験パック”。
前々日、私は息子にLINEを送りました。
はやとちりしないこと
問題文を最後まできちんと読むこと
マークずれがないよう逐一チェックすること
電子機器はポケットに入れないこと
大の大人です。
余計なことだと分かっています。
それでも、「今一度だけ確認してほしい」ことを、伝えずにはいられませんでした。
息子は能力が高い。
それは親として誇らしいことです。
でも同時に、少しすっ飛ばしてしまうところがあり、
ケアレスミスや読み間違いが怖い——
それは中学受験の頃の彼の癖でした。
いまは、大人になったとは言え、なんとなく不安に思ってしまいます。
そして、何より気がかりだったのは、体調です。
インフルエンザが爆発的に流行する中、
「体調は万全」と届いたLINEに、
私は心から安堵しました。
実は息子は、中学受験直前にインフルエンザに感染し、
とても大変な思いをした過去があります。
それが、私の中では今も小さなトラウマとして残っていました。
試験後。
自己採点の結果は、高得点。
ようやく、胸をなで下ろしました。
とはいえ、正式な合格発表はまだ先です。
完全に安心するには、少し早い。
でも、受験前の秋に、2月下旬発のバルセロナ家族旅行を予約しました。試験が受けられて本当によかった。自己採点がかなりの高得点でよかった。(あくまでも、自己採点ですが)
その夜、
私はほっとしながらも、どこか地に足のつかない、
ふわふわした気持ちのまま眠りにつきました。
受験するのは子ども。
でも、見守る親の心もまた、
静かに、確かに、試されているのだと感じた数日間でした。
追記:受験者である息子の内心
高得点——それは、あくまで自己採点の話。
正式な結果が出るまでは、不安定な状態が続きます。
そんな中で、息子は家探しをしていました。
すでに契約はしたものの、入居日は合格発表後に設定したそうです。
「万が一」を考えずにはいられなかったのでしょう。
試験は終わった。
それでも、心はまだ地に足がつかない。
きっと私と同じように、
終わったはずなのに、ふわふわと、
根のない浮草のような気持ちでいるのだと思います。
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