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アシストGPSはスマホのGPSには欠かせない最強技術!|宇宙一わかりやすく解説|GPSの基礎の基礎#15

前回から始まった「スマホが屋内でも位置がわかる理由」の解説。
前回は、そもそもなんでGPSが屋内で使えないことになっているのか、についての解説で終わってしまいました。

今回からいよいよ、スマホが屋内でも位置がわかる理由についての本題に入っていきます。


屋内でもGPSで位置が計測できる場合がある

さっそくですが前回のおさらいです。「スマホが屋内で位置がわかる理由」として以下の二つがある、ということを言いましたね。

  • 屋内でもGPSで位置が計測できる場合があるから

  • GPS以外の方法で位置を割り出してるから

今回は、前者について解説していきます。

スマホではアシストGPSという技術が使われている

前回の解説で、屋内ではただでさえ弱いGPSの電波が更に弱くなってしまうために、位置が計測できないということは話しました。

実はスマホのGPSは、通常のカーナビなどのGPSでは難しいような弱い電波でも、位置が計測ができるような方法が採用されています。

「アシストGPS」

と言われる技術です。
アシストという言葉が示すとおり、何かしら補助をしてもらって位置を計測するわけなんですが、どういった補助なんでしょうか?

通常はGPS衛星からデータをダウンロードする必要がある

以前の記事で、GPS衛星から送られてくるデータがすごくゆっくりなので、位置を計測するのに最低でも30秒くらいの時間がかかってしまう、という説明をしました。

実はこの時、GPS衛星からダウンロードしているのは「エフェメリスデータ」というGPS衛星の正確な軌道のデータです。
軌道のデータとは、つまりGPS衛星がこの時間ならこの位置にいるよ、というのを示す言わばタイムテーブル、時間割みたいなものですね。
これがあれば、現在時刻から正確なGPS衛星の位置がわかって、自分の位置も計測できるようになるというわけです。

ところでこのエフェメリスデータですが、一つのGPS衛星が送信しているGPS信号に含まれるのは、そのGPS衛星のエフェメリスデータのみです。
そして、すべてのGPS衛星は、30秒に一回のペースでエフェメリスデータを送信しています。
GPS受信機が位置を計測するには、最低4つのGPS衛星から、このエフェメリスデータを完全な形でダウンロードする必要があるのです。

こうやって聞くとなんだか難しそうですよね。
この「完全な形で」というのが、実はかなりやっかいです。
なぜなら、読み込んだデータに少しでも欠損があると、次にその欠損した部分のデータを受信できるのは30秒後になってしまうからです。

では、実際のところはどうなんでしょう?

最近のGPS受信機では、屋外の見通しのよい環境であれば、たいていの場合はデータを欠損することなく30秒前後で位置が計測できます。
しかし、屋内などの環境でGPS信号が弱いと、一度で欠損なくデータを読み込むことが難しく、じっと待っていても位置を計測するのに何分もかかったりします。

さらに、窓の近くなどで電波が届く方向が限定されてしまっていると、ちょっと動いただけで信号が途切れて更に時間がかかってしまいます。
結局、待ちきれずにいつまで経っても位置が計測できない、ということになってしまうわけです。

アシストGPSではGPS衛星からデータをダウンロードする必要がない

ところでこのエフェメリスデータ、必ずGPS衛星からダウンロードしないといけないものなんでしょうか?

答えは「No」です。

ということは。。。そうです、気づきましたか?
スマホの場合は常にネットワークにつながっているので、インターネット経由でこのエフェメリスデータを送ってしまえばいいわけです。

GPS信号からエフェメリスデータを読み込むには、どんなに条件が良くても30秒前後はかかってしまうし、条件が悪ければいつまで待っても位置が計測できない場合もある。
でも、スマホのアンテナさえ立っていれば、インターネットから読み込むのは一瞬!
というわけで、すぐに位置が計測できてしまうというわけです。

アシストGPSはGPS衛星を見つける時にも有効

スマホのアシストGPSが有効なのはそれだけではありません。
GPSで位置の計測するためには、まずGPS衛星の信号を捕捉する、つまりGPS衛星をサーチして見つける必要があります。
そして、この時にも威力を発揮するのです。

スマホのアシストGPSでは、以下の3つの条件が揃った状態から位置の計測をスタートできます。

  • 基地局との通信で現在時刻が分かっている

  • インターネット経由でGPS衛星の軌道データを持っている

  • 通信している基地局の位置から、自分のおおよその位置も分かっている

これがどういうことかと言うと、今だったらどのGPS衛星からのGPS信号が受信できる、というのがわかった状態でサーチできるので、簡単にGPS衛星を捕捉できるということです。

一方で、通常のGPSでは現在時刻は分かったとしても、他には何も補助する情報が無い状態から、GPS信号を検出しないといけません。
言わば、目隠しした状態で手探りで探すようなものです。

この違いによってアシストGPSでは、早くGPS衛星を見つけることができるだけでなく、通常のGPSでは検出不可能な弱いGPS信号でも検出し、すばやく位置を計測できてしまうのです。

スマホには欠かせないアシストGPS

スマホならではの長所を最大限に生かしたアシストGPS。
今回は、屋内の電波が弱い時でも位置を測定できる、という点にフォーカスして解説しました。

しかし、すぐに位置が計測できるという点は、屋内、屋外に限らず絶大な効果を発揮します。
みなさんが、普段スマホでグーグルマップを開いた時、現在位置を表示するまで30秒もかかったら?なかなかのストレスですよね?

そんなアシストGPSの技術は、実はガラケー時代のケータイにGPSが搭載された当初から使われており、現在のスマホに至っても欠かせない技術となっているのです。


今回は、屋内でもGPSで位置が計測できる場合についての説明でした。スマホのGPSが、かなり強力であることがわかってもらえたかと思います。
でもこれだけではありません。

次回は、GPS以外の方法で位置を割り出している場合について解説していきます。

#アシストGPS #アシストGNSS #エフェメリスデータ

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