【2026年6月第4週】OpenAI GPT-5.6、Google Gemini 2.5 Pro Deep Think、Mythos 5 部分復活 — 3強同時更新と ChatGPT シェア初の50%割れ
今週(6月22日〜28日)は、AI コーディングの3強(OpenAI / Google / Anthropic)が、ちょうど同じ週に揃って動きました。
OpenAI は GPT-5.6 の3モデル群、Google は Gemini 2.5 Pro with Deep Think、Anthropic は政府命令で停止していた Mythos 5 を限定的に再展開、という3点セットです。
その裏で、ChatGPT の世界市場シェアが 初めて 50% を割って 46.4% になった という構造変化の報告も出ました。
今週、AI を使う人が押さえておきたい更新を出来事ごとに整理します。

1. OpenAI が GPT-5.6 を出した — Sol / Terra / Luna の3モデル群
今週いちばん大きな新モデルは、OpenAI の GPT-5.6 です。
これは1つのモデルではなく、Sol / Terra / Luna の3つで構成される新世代モデル群 という形でリリースされました。
セキュリティ面の強化が前面に出ていて、公式は「これまでで最も堅牢な安全スタックと組み合わせた、強化されたサイバーセキュリティ能力」と説明しています(OpenAI News)。
各モデルの位置付けはまだ初期情報の整理中ですが、公開された素材から読める範囲では、Sol が汎用フラッグシップ、Terra が中量・コスト効率、Luna が軽量・高速の用途分担、という構成のようです。
今までの GPT-5.5 系から見ると「1つのモデルで全部こなす」ではなく「タスク別に分けて使い分ける」方向の整理になります。
3つに分けた分、価格と上限も別になっているので、Pro / Plus / Pro $200(約3万1,000円)のどれで何が使えるか、というプラン側の整理も来週以降の論点になりそうです。
合わせて6月26日には、GPT-4.5 が ChatGPT から退役しています。
既存の GPT-4.5 で動いていた会話は GPT-5.5 にフォールバックして継続できる設計です。
GPT-4.5 を前提に組んでいたカスタム GPT を持っている人は、念のため動作確認をしておくとよさそうです。
6月22日には組織向けセキュリティツール OpenAI Daybreak も発表され、今週は OpenAI から「モデル + 退役 + セキュリティツール」という3つの軸の更新が重なりました。
2. Google が Gemini 2.5 Pro with Deep Think を出した
Google からは Gemini 2.5 Pro with Deep Think が出ました。
Google が「これまでで最も高性能なモデル」と位置付けるフラッグシップで、Deep Think モードを組み込んだことで、特に数学・科学・コーディングといった推論集約タスクで強くなったとされています。
これまでの Gemini 3 系(3.5 Flash / Spark 等)が「軽くて速くて安い」方向で広がってきたのに対し、今回の 2.5 Pro Deep Think は 「重く考える」方向のフラッグシップ という整理です。
Google のラインアップは結果として、軽量〜中量帯(Gemini 3.5 系)と重量帯(2.5 Pro Deep Think)の二段構えになりました。
通常使いの Gemini と、深く考えさせたい時の Deep Think、という棲み分けで運用するのが現実的な姿になりそうです。
3. Mythos 5 が限定的に復活、Fable 5 はまだ — Anthropic の続報
先々週から続いている Claude Fable 5 / Mythos 5 の米政府命令による停止について、今週は2週間以上経過した時点での進展が出ました。
6月27日、Anthropic は公式 X で「Mythos 5 を米国の重要インフラを運営・防衛する一部組織に再展開できる」と政府から通知を受けたと公表しました(Anthropic 公式投稿)。
これにより Mythos 5 は完全停止状態から「限定的に再展開」フェーズに進みました。
ただし、対象は厳しく絞られた組織のみで、一般の Pro / Max / Team / Enterprise ユーザーには引き続き提供されていません。
Fable 5(一般向け)については、6月28日時点でも復活していません(explainx.ai の継続トラッキング)。
Anthropic は「Fable 5 を一般向けに再び利用可能にする方向で引き続き取り組む」と述べていますが、復活日は依然として未定です。
途中、6月25日に「Claude Code v2.1.190 で Fable 5 が復活した」というバイラル投稿が X 上で広まりましたが、Anthropic スタッフが直接これを否定しています。
誤情報に動かされず、復活したかどうかは公式アナウンスを確認するのが安全です。
業界全体への含意として、「公開済みのフロンティアモデルが政府命令で一定期間止まったあと、限定的に再展開される」というプロセスが Mythos 5 で1回示された、ということになります。
今後の他社も含めたフロンティアモデル運用の前例として記録される動きです。
4. その他の動き — GPT-4.5 退役、Broadcom 推論チップ、Daybreak
OpenAI からは新モデル以外の動きも複数ありました。
6/22 OpenAI Daybreak 発表: 組織向けのセキュリティツール群。世界中の組織を守る、という大きなフレーミング
6/24 OpenAI + Broadcom が LLM 最適化推論チップを発表: 自前推論ハードへの動き、コスト構造の長期戦略
6/26 GPT-4.5 が ChatGPT から退役: 既存会話は GPT-5.5 にフォールバック。カスタム GPT は要確認
Anthropic 側では、6月26日に「エージェントが仕事をどう変えるか」というテーマでの発信もありました。
Mythos 5 / Fable 5 の停止が長引く中、エージェント分野での発信を継続しているかたちです。
クリエイティブAIや Midjourney 関連は、今週は大きな動きが報告されていません。
Midjourney V8.2 は引き続き正式リリース前です。
5. 業界の構造変化 — ChatGPT シェアが初めて50%を割った
製品の更新と並行して、業界全体の構造を表す数字が出ました。
ChatGPT の世界 AI アシスタント市場シェアが 46.4% にまで低下し、初めて50%を下回った という調査結果が今週公表されました(Crescendo AI News)。
同時期の数字は次の通りです。
ChatGPT: 46.4%(初の50%割れ)
Google Gemini: 27.7%
Claude: 10.3%
その他: 約15%

ChatGPT が依然として首位ではありますが、「圧倒的1強」の構図はゆるみつつあります。
Gemini が Google エコシステム(Search / Workspace / Android)に組み込まれて伸びてきたこと、Claude が開発者向けで存在感を強めていること、その両方が ChatGPT の比率を削っている格好です。
ユーザー目線では「1つに固定して使う」から「複数を併用する」への移行が、シェアの数字としても見える段階に入った、と読めます。
6. 業界の動き — Anthropic 関連
製品の動きとは別の論点としても、今週は Anthropic の名前が並びました。
Mythos 5 の限定再展開によって、「政府命令で停止したフロンティアモデルが、どのような条件で・どの段階で再展開されるか」の最初のケースが今週示されました。
これは Anthropic 1社の問題ではなく、今後 OpenAI / Google / Meta などが同様の状況に置かれた時のリファレンスケースになります。
Anthropic は引き続き S-1 申請後の上場準備フェーズで、評価額面でも OpenAI を上回る状態が続いています。
資本と規制とプロダクトの3軸で同時に動いている、という構図は先週から変わっていません。
まとめ
OpenAI GPT-5.6 リリース: Sol / Terra / Luna の3モデル群、サイバーセキュリティ強化が前面。ラインナップが「1つで全部」から「タスク別」へ
Google Gemini 2.5 Pro with Deep Think リリース: 「重く考える」方向のフラッグシップ。軽量帯(3.5 系)と重量帯(2.5 Pro Deep Think)の二段構えに
Anthropic Mythos 5 限定再展開(6/27): 米国の重要インフラ運営・防衛組織に絞って再展開。Fable 5 一般向けは依然停止中、復活日未定
市場シェア変動: ChatGPT が 46.4% で初の50%割れ、Gemini 27.7%、Claude 10.3%。「1強構図」のゆるみが数字で見える段階に
OpenAI から GPT-4.5 退役(6/26)、Broadcom と推論チップ(6/24)、Daybreak セキュリティツール(6/22)。新モデル以外の動きも厚い
来週は、GPT-5.6 / Gemini 2.5 Pro Deep Think の独立ベンチマークや実機評価、Mythos 5 のさらなる対象拡大があるか、Fable 5 一般向けの動きが出るか、が焦点です。
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Claude Code の Subagent 自作テンプレ4つはこちらに(今週のように複数モデルを使い分ける時の運用にも効きます)。
AI コーディングのコスト管理術はこちらに(GPT-5.6 / Gemini 2.5 Pro Deep Think 併用時代の枠の使い方)。
先週の動きはこちらに。

