一人で始めた米子・境港の農業。10年を経て、株式会社まつかぜは次の一歩へ。
「まつかぜ農園(株式会社まつかぜ)」のnoteを読んでくださる皆さまへ。
応援いただき、いつもいつも、ありがとうございます。
鳥取県米子市、境港市。
大山(だいせん)の恵みを受けるこの土地で、代表の高木みちこが、父の畑やハウスを継いで、農業を始めてから、約10年がたちました。

最初から、大きな農園だったわけではありません。
十分な設備や人手がそろっていたわけでも、将来への道筋がすべて見えていたわけでもありません。
畑に立ち、土に触れ、苗を植え、天候と向き合う。
思うように育たなかった作物もありました。
収穫を迎えられなかったこともありました。
それでも、農業をやめませんでした。
一つひとつの作物を育て、お客様や地域の皆様とのご縁を大切にしながら、弓ヶ浜の地で農業を続けてきました。
その約10年の経験と信頼を土台として、2024年10月、株式会社まつかぜを設立しました。
一人で始めた農業を、仲間と続ける農業へ
個人で始めた農業は今、仲間とともに未来へつなぐ農業へ変わろうとしています。

現在のまつかぜ農園では、約1.5ヘクタールの人参を中心に、さつまいも、白ねぎ、にんにく、ミニトマト、春菊など、地域の環境や季節に合わせた農産物を栽培しています。
8棟のハウスでは、「大山の天然水いちご」「大山の天然水トマト」をはじめとする施設園芸にも取り組んでいます。

農業は、作物を植えれば必ず収穫できる仕事ではありません。
天候、土壌、病害虫、資材価格、人手不足。
毎年異なる条件のなかで、品質と収量を安定させていかなければなりません。
だからこそ私たちは、これまで培ってきた経験を大切にしながら、栽培記録や収支を確認し、農地、設備、作業工程を継続的に見直していきます。
まつかぜ農園を支えてきた取締役の鷲見をはじめ、ブランドいちご栽培に取り組む取締役の鈴木、そして現場で働く仲間たちと力を合わせ、特定の一人の経験や努力だけに依存しない農業経営を目指しています。

栽培技術を共有し、作業を見える形にし、次の世代へ引き継いでいく。
そして、一人で始めた農業を、仲間とともに長く続けられる農業へ。
それが、株式会社まつかぜの新しい挑戦です。
「作る」だけで終わらせない農業
私たちが大切にしているのは、農産物を作ることだけではありません。
丁寧に育てた農産物を、必要としてくださる方へ、良い状態で、継続して届けるところまでが農業だと考えています。
自社で育てた農産物の販売に加え、鳥取県内の生産者や事業者との連携、首都圏の飲食店などへの販路開拓にも取り組んでいます。
東京都八王子市で運営する飲食店「酒菜(くしな)」も、その大切な拠点の一つです。

まつかぜ農園で育てた野菜や、鳥取から届いた食材を、料理としてお客様に味わっていただく。
お客様からいただいた声を米子の生産現場へ返し、次の作付けや商品づくりに生かしていく。
米子の生産現場と、首都圏の消費者をつなぎ、生産、販売、飲食を別々の仕事にせず、一つの流れとして育てていくことが、株式会社まつかぜの目指す農業です。
大山が結んでくれたご縁
まつかぜの農業は、私たちだけの力で歩んできたものではありません。
多くの皆様とのご縁に支えられ、米子から首都圏へ、活動の輪を広げることができました。
2026年7月、八王子クラフトSAKEフェスティバルに、株式会社まつかぜが運営する「酒菜」として出店させていただきました。


この機会を支えてくださった株式会社クレアの皆様に、心より感謝申し上げます。
そして、明治5年創業、銘酒「鷹勇」の蔵元である大谷酒造株式会社の皆様とご一緒し、鳥取の日本酒と食の魅力を八王子でお伝えできたことは、私たちにとって大きな経験となりました。
大山の伏流水で酒を醸す大谷酒造株式会社。
大山の天然水の恵みを受けて、いちごや野菜を育てるまつかぜ農園。


離れた場所にある二つの事業者を、大山が結んでくれました。このご縁を一度限りのものにせず、鳥取と八王子を継続的につなぐ取り組みへ育てていきたいと考えています。
鳥取と首都圏をつないでくださった皆様へ
東京都港区新橋にある鳥取県・岡山県共同アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」では、まつかぜの農産物をプロモーションさせていただく機会を頂戴しました。

首都圏で鳥取の農産物を知っていただき、お客様の声を直接伺えたことは、今後の商品づくりと販路開拓を考えるうえで、かけがえのない経験となりました。
ご支援いただいた鳥取県東京本部の皆様、「とっとり・おかやま新橋館」の皆様に、心より御礼申し上げます。


また、まつかぜの農業や取り組みに目を留め、取材してくださった日本海新聞、鳥取県の魅力を発信される広報サイト「ヤドリギ」、農業共済新聞の皆様にも、改めて感謝申し上げます。
私たちの活動を記事として届けていただいたことで、これまで接点のなかった方々にも、まつかぜを知っていただくことができました。
発信していただいた一つひとつの記事は、私たちにとって大切な記録であると同時に、これからも誠実に農業を続けていく責任を再確認する機会となっています。
水木しげる先生ゆかりの深大寺で
東京・調布の深大寺でも、大切なご縁をいただきました。
鳥取県境港市は、水木しげる先生の出身地です。
駅前の鬼太郎ロード。まつかぜ農園の近くを走る鬼太郎列車が人気です。
都内で、水木しげる先生ゆかりの地として多くの方に親しまれている深大寺。
その門前で、大山の天然水の恵みを受けて育った、まつかぜ農園の飲むクリームいちごパンを販売させていただきました。


この貴重な機会をくださった、深大寺の張堂興昭住職に、心より感謝申し上げます。
地域と地域、人と人、物語と食がつながった、まつかぜにとって忘れられない一日となりました。
私たちは、農産物を販売するだけでなく、その土地の背景や、育てた人の思いまで一緒に届けられる存在でありたいと考えています。
「パンのイデリオ」とのものづくり
東京都江東区木場にある人気ベーカリー「パンのイデリオ」の皆様とも、大切なご縁をいただいています。


世界大会で二度の優勝経験を持つ女性オーナーが手がけ、テレビなどでも紹介されている「パンのイデリオ」。まつかぜ農園が育てた農産物の魅力を、パンという新しい形で、多くのお客様へ届けてくださいました。
まつかぜ農園の「大山の天然水いちご」を使用して開発していただいたのが、「天然水いちご大福パン」です。いちごの味と香りを生かしたこのパンは、東武百貨店池袋本店の「IKEBUKUROパン祭」にも出品していただきました。

米子のハウスで育ったいちごが、江東区木場のベーカリー職人さんの技によって新しい商品となり、池袋で多くのお客様のもとへ届けられる。私たちにとって、農産物の新しい可能性を実感できる取り組みとなりました。
いちごだけではありません。
まつかぜの人参などを使ったキャロットケーキ、イベリコ豚とまつかぜ春菊パンをはじめとするさまざまな商品へ、おいしく仕上げていただいています。
農産物をそのまま販売するだけでなく、優れた技術を持つ方々と一緒に商品をつくることで、素材の価値をさらに高め、新しいお客様へ届けることができます。
そして「パンのイデリオ」の皆様は、まつかぜの農産物がどのような土地で、どのような人によって育てられているのかを知るため、米子のまつかぜ農園まで足を運んでくださいました。



実際に畑を見て、生産者と話し、農産物が育つ環境を知っていただく。
作り手同士が顔を合わせ、産地と加工・販売の現場が互いを理解することは、品質の向上と、長く続く商品づくりのために欠かせないことだと考えています。
農産物を作って終わるのではなく、加工、商品開発、販売までをつなぎ、お客様の声を次の生産へ生かしていく。
「パンのイデリオ」との取り組みは、株式会社まつかぜが目指す、付加価値のある農業と継続的な販路づくりを形にした、大切な一歩です。
遠く米子までお越しいただき、まつかぜの農産物を素晴らしい商品へ仕上げてくださっている「パンのイデリオ」の皆様に、心より感謝申し上げます。
このご縁を大切に育てながら、これからも米子と東京をつなぐ新しい商品づくりに取り組んでまいります。
米子・境港から、鳥取の魅力を届けたい
鳥取には、豊かな「水」があります。
大山の恵みを受けて育つ農産物。
境港に水揚げされる新鮮な魚。
地域に根づいてきた日本酒や食文化。
そして、誠実にものづくりを続けている多くの方々がいます。


株式会社まつかぜだけが大きくなることが、私たちの目標ではありません。
地域の生産者や事業者の皆様と力を合わせ、鳥取の食と、その背景にある物語をより多くの方へ届けること。
農業を通じて仕事を生み、地域に必要とされ、次の世代へつながる会社になること。
それが、私たちの願いです。
イベント、アンテナショップ、飲食店、新聞や地域メディア。これまでにいただいた一つひとつのご縁を、単発の出来事で終わらせず、継続的な発信、販売、交流へと育てていきます。

認定農業者への一歩
株式会社まつかぜは、これまでの営農実績を土台として農業経営改善計画を作成し、この夏、認定農業者の認定申請を行います。
これは、認定を受けること自体を目的としたものではありません。
これからも米子・境港で農業を続け、地域農業を担う経営体へ成長していくために、今後の目標と道筋を明確にする取り組みです。私たちは、次の課題を一つずつ着実に進めていきます。
作付面積と生産量の計画的な拡大
農業機械、ハウス、保管設備などの生産基盤整備
作業工程の標準化と生産性の向上
栽培記録、記帳、原価管理、資金繰り管理の徹底
品質と収量の安定
首都圏の販売先を確保し、販売リスクを分散すること
加工、保管、流通を含めた農産物の高付加価値化、6次化
働く人が継続して力を発揮できる体制づくり
設備投資や規模拡大については、必要性、収益性、資金繰りを十分に確認し、農業経営改善計画に沿って段階的に進めてまいります。
自己資金、事業から生まれる収益、制度融資などを適切に組み合わせ、投資効果と返済可能性を確認しながら、持続可能な農業経営を目指します。


大きく見せることよりも、計画したことを一つずつ実現すること。
約10年、農業を続けてきた私たちが、これからも大切にしたい姿勢です。

これからの株式会社まつかぜ(まつかぜ農園)の願い
私たちが目指しているのは、一時的に注目される農園ではありません。
毎年、安定して作物を育てられること。
働く人が安心して農業を続けられること。
お客様に「また食べたい」と思っていただけること。
取引先の皆様に「長く付き合いたい」と思っていただけること。
地域の皆様に「米子にあってよかった」と思っていただけること。
その積み重ねの先に、強く、持続できる農業経営があると考えています。
一人で始めた小さな農業は、約10年を経て、株式会社まつかぜという新しい段階へ進みました。
しかし、私たちはまだ発展の途中です。
これまで支えてくださった皆様への感謝を忘れず、土と向き合い、数字と向き合い、人とのご縁を大切にしながら、米子から鳥取の農業と食の魅力を届けてまいります。
これからの株式会社まつかぜを、どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社まつかぜ
代表取締役 高木みちこ

⭐️⭐️⭐️最後に、もし皆様が、まつかぜ農園で育ててほしい野菜や、鳥取から届けてほしい食材がありましたら、ぜひコメントでお聞かせください。
