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【読書エッセイ】『自分の言葉で話せるようになりましょう。』から考える、借り物ではない言葉のつくり方

自分の言葉は、珍しい言い回しを探して作るものではありません。仕事の中で何を大事にし、何に違和感を持ち、何を引き受け、何を断ってきたか。その判断の履歴が、借り物ではない言葉の原料になります。片石貴展『自分の言葉で話せるようになりましょう。』を入口に、「丁寧」「寄り添う」で隠れてしまう小さな商売の判断と、忙しい日々の中でそれを残す方法を考えました。

「自分の言葉」と聞くと、つい気の利いた名言を言わなければいけない気がして、少し背筋が伸びてしまいます。

こんにちは。綿樽 剛です。

ネタリエという屋号で、小さな商売のnote発信サポートをしています。

仕事の中にあるメモ、音声、過去記事、日々の気づきなどのネタを拾い、検索にも届き、人柄も伝わるnote記事へ整えています。

今日は、話し方のテクニックではなく、自分の仕事の中にある判断をどう言葉にするかを考えます。

綿樽 剛がどんな考え方で発信や記事制作を支えているかは、こちらにまとめています。

今回は、仕事の中にある気づきを、どのように読者へ渡せる形にするかを、本の語彙から考えてみます。

「伝え方」の前に、自分の考えはあるだろうか

『自分の言葉で話せるようになりましょう。』というタイトルを見ると、つい話し方のコツや言語化のテクニックが書かれた本だと想像してしまいます。

しかし、片石貴展さんが本書で繰り返し問うているのは、「どう言うか」という技術の前に、「自分がどう感じ、どう考えたか」があるかという点です。

AIやSNSの普及によって、私たちは、それらしく整った言葉を簡単に手に入れられるようになりました。

けれど、表面だけを整えられた言葉が、そのままその人自身の言葉として相手に響くわけではありません。

本の中では、そうした「借り物の言葉」と、「誰が言うか」という重みの違いについて触れられています。

相手に伝わる言葉を持つためには、自分らしい表現を探すよりも先に、自分の感情や考えの「ひだ」を細かくしていく必要があるのです。

たとえば、「良かった」「大切にしています」という便利な言葉で終わらせず、なぜそう感じたのか、なぜそれを大事にしているのかを掘り下げる。

ここで見直すのは話し方よりも、自分が何を感じ、どう判断しているのかという部分です。

便利な言葉で隙間を埋めるのは簡単ですが、その言葉が自分の実感を通っていないとき、どこか相手に届きにくい感覚が残ります。

まずは、伝え方を磨く前に、自分の中にどのような考えがあるのかという問いを、そのまま置いておきます。

小さな商売には、名前をつけていない判断が残っている

個人事業主や小さな店の仕事を見渡すと、本人がわざわざ説明していない判断がたくさん存在しています。

たとえば、予約をぎっしり詰め込みすぎないこと。
安くてもあえて扱わない商品があること。
強い売り込みをしないこと。
初めてのお客さんには、少し長めに時間を取ること。

本人にとっては「いつもそうしているだけ」の当たり前の行動かもしれません。しかし、背景には、過去の失敗、言葉にならない違和感、そしてお客さんへの細やかな配慮が隠れています。

ところが、いざ自分の仕事を紹介する場面になると、そうした具体的な判断は隠れてしまいます。

代わりに、「丁寧に対応します」「お客様に寄り添います」「高品質なサービスです」といった、

誰でも使える便利な言葉へ置き換わってしまうのです。

ここで、本の「言葉のひだを細かくする」という視点が活きてきます。

たとえば、「丁寧に対応する」という言葉のひだを、さらに細かく見てみます。

自分の仕事において、具体的にどの場面で一番時間をかけているのか。何を急いで決めないようにしているのか。過去にどのような失敗があって、今のその対応を選ぶようになったのか。

そうやって仕事の現場を見直してみると、普段は説明せずに済ませている判断の中にこそ、その人の言葉の原料がたくさん眠っていることが分かります。

「自分の言葉」は、仕事の判断を通って出てくる

「自分の言葉」とは、決して珍しい表現や気の利いた言い回しを新しくひねり出すことではありません。

仕事の中で、何を大事だと感じたのか。
日々の業務のどんな対応に違和感を持ったのか。
お客さんからの依頼に対して、何を引き受け、何を断ってきたのか。

仕事の現場で行ってきた選択を一つひとつ振り返ることで、言葉の中に本人の履歴がしっかりと入ってきます。

たとえば、同じ「お客さんに寄り添う」という言葉を掲げていても、相談を急いで成約に結びつけないようにしている人と、一つひとつの説明の時間を長く取る人とでは、その言葉の意味合いが全く違います。

同じ「丁寧な仕事」だとしても、基本の手順を絶対に省かないことなのか、お客さんが少しでも分からないまま帰らせないことなのかで、実際に話す内容は大きく変わるはずです。

自分の言葉は、うまく話す技術ではなく、仕事の中で何を感じ、何を選んだかの積み重ねから生まれる。

だからこそ、借り物ではない言葉を持ちたいと願うときほど、きれいに整った表現を探すのを一度やめてみます。

noteやブログで自分の仕事を紹介する発信を行うときも同じです。きれいな形容詞を増やす前に、自分が実際に行った小さな判断の理由を一つだけ置いてみる。

なぜそのメニューを作ったのか、なぜその対応を選んだのかを振り返る。

そのほうが、結果的に「誰が言うか」という重みが生まれ、本人が話す意味を残しやすくなるのです。

相手の言葉を待てない場面もある

一方で、本の中で語られている「自分の言葉で話させてあげましょう。」という姿勢を、小さな商売の現場へそのまま持ち込むのが難しい場面もあります。

お客さんやスタッフが口にした表面的な言葉だけで判断せず、その奥にある感情や事情を丁寧に確かめる姿勢は、たしかに大切です。

しかし、実際の仕事の現場では、いつでも相手の言葉をじっくり待つための十分な時間を取れるわけではありません。

予約がぎっしり詰まっている日や、一刻も早いクレーム対応が求められる場面、あるいは安全上の即断が必要な状況では、丁寧に問い続けること自体が、かえって相手の負担になる場合もあります。

また、相手の言葉を引き出そうとすることが、いつの間にか「本音を言わせる」「相手を思い通りに動かす」という会話の技術へすり替わってしまう危険も潜んでいます。

著者の問いかけは、どんなときでも使える万能な会話術ではありません。

相手が今、自分の言葉で話せる状態にあるか。そして、こちら側にも、その言葉を待つだけの時間が用意されているか。

その条件が揃って初めて機能する姿勢として捉えておきます。

言葉の「ひだ」を細かくする余力は、いつ残っているだろう

自分の感情や判断を振り返るには、大きな前提条件があります。立ち止まって考えるための時間と余力が残っていることです。

小さな商売の現場では、接客、施術、事務、仕入れまで、同じ人が担っていることが多くあります。

一つの判断が終わるとすぐ次の仕事に移るため、「なぜ自分はそうしたのか」を振り返る前に一日が終わります。

自分の言葉がないのではなく、仕事中に生まれた違和感や判断を残す場所がないのです。疲れている夜に、そこから意味のある文章まで作ろうとすると重くなります。

必要なのは、完成した言葉ではなく、まだ説明できない引っかかりを消さずに置ける状態かもしれません。

今日の仕事で、理由を説明しないまま選んだことは何だったでしょうか。

まとめ

片石貴展の言葉から、「誰が言うか」という問いを考えてみました。言葉の巧拙を気にする前に、その言葉が出てきた背景へ視線を戻してみます。

私たちの仕事の中には、まだお客さんに説明していない選択や、名前をつけていない違和感がたくさんあります。

それらをすぐ立派な表現へ変えようとせず、まずは消さずにそのまま残しておく。そこから何が見えてくるのかは、少しずつ考えていけばよいのだと思います。

今日の仕事で「なぜか、こちらを選んだ」と感じた判断を、一つだけメモしてみるだけでもよいかもしれません。

次に気になりそうなこと

Q. 最初に一つだけメモするなら、何を書けばよいですか?

今日の仕事で、理由を説明しないまま選んだことを一つ書きます。「こちらを勧めなかった」「少し長く話を聞いた」といった行動だけでも構いません。理由まで書けない日は判断だけを残し、あとから振り返れば十分です。日常の違和感を消さずに残す考え方は、別の記事でも整理しています。

Q. 「丁寧」「寄り添う」という言葉は使わないほうがよいですか?

使ってはいけない言葉ではありません。ただ、その言葉だけで終わると、誰の仕事なのかが見えにくくなります。「何を急がないのか」「どこに時間をかけるのか」という行動を一つ添えると、自分の仕事に合った意味を持たせられます。

Q. 判断のメモをnoteの記事へ広げるには、どの順番で整理しますか?

最初に何を選んだかを書き、次に、なぜそうしたのかを振り返ります。そのうえで、以前はどうしていたのか、その判断によって誰の負担を減らしたかったのかを整理します。すべてを一度に盛り込まず、一つの判断を一本の記事の中心に置くと広げやすくなります。

Q. AIで作った文章を自分の言葉へ戻すには、何を確認しますか?

文章のうまさよりも、自分が実際に選んだ行動や迷った場面が入っているかを確認します。誰にでも言える説明だけが続いているなら、仕事中の判断を一つ戻します。AI原稿をすべて書き直さず、人にしか残せない部分から整える実務手順は、こちらの記事で扱っています。

Q. 相手の言葉を待てないときは、どう考えればよいですか?

時間、安全、相手の疲れ具合を優先してよい場面があります。自分の言葉で話してもらうことを目的にしすぎず、今すぐ結論が必要なことと、あとで聞き直せることを分けます。待たないことを雑な対応と決めつけず、その場に必要な判断を優先します。

綿樽 剛の考え方や、note発信サポートについてはこちらにまとめています。

この記事で取り上げた本はこちらです。

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【制作について】
この記事は、筆者の読書メモ、構成方針、リサーチ内容をもとに、AIで下書きを作成し、筆者が確認・編集したものです。
文章表現の一部にはAIの補助を使っていますが、どの本を取り上げるか、どのテーマを残すか、どの内容を削るか、公開するかどうかは筆者が判断しています。
本そのものを要約・評価するためではなく、1冊の本をきっかけに、小さな商売の仕事、言葉、判断、言葉にならない考えを整理するための記事として書いています。
記事内にAmazonアソシエイトのリンクを含みます。

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