【読書エッセイ】『逆さまの法則』から考える、真面目な人ほど仕事を抱え込む理由
真面目に仕事をしているのに、なぜか毎日が苦しくなる。
小さな商売では、責任感が強い人ほど、頼まれた仕事やお客さんへの対応を抱え込みやすくなります。
『逆さまの法則 真面目にがんばるのをやめるとうまくいく』を入口に考えると、必要なのは努力を増やすことではなく、今の努力が誰のために使われているかを見直すことかもしれません。
この記事では、次のことを考えます。
・真面目さが仕事を重くする場面
・頼まれると断れない人が抱え込みやすい理由
・力を抜くことと、雑に働くことの違い
・小さな商売で手放せる仕事の見つけ方
がんばっているのに仕事が軽くならない個人事業主や、ひとり社長、小さな店を運営する人に向けた実務エッセイです。
頼まれた仕事を断れない。
少し無理をすればできそうなので、つい引き受けてしまう。
お客さんから連絡が来れば、営業時間を過ぎていても返信する。
予定になかった修正も、「これくらいなら」と追加料金なしで対応する。
こういう働き方は、外から見ると親切です。本人も、きちんと仕事をしているつもりです。
ところが、積み重なると少し変なことが起こります。
お客さんのためにがんばっているはずなのに、お客さんからの連絡が怖くなるのです。
通知を見るだけで、胸のあたりがザワザワする。
なかなか悲しい状態。
僕にも、頼まれたことを全部引き受けようとする癖があります。
断ったら悪く思われるのではないか。期待に応えられない自分は、仕事人として失格ではないか。
そこまで大げさに考えているつもりはなくても、体は正直です。
予定表だけが、どんどん苦しそうになります。
こんにちは。綿樽 剛です。
ネタリエという屋号で、小さな商売のnote発信サポートをしています。
仕事の中にあるメモ、音声、過去記事、日々の気づきなどのネタを拾い、検索にも届き、人柄も伝わるnote記事へ整えています。
記事制作の相談でも、真面目な人ほど予定以上のことを抱え込み、自分の言葉を整理する時間を失っている場面があります。
綿樽 剛がどんな考え方で発信や記事制作を支えているかは、こちらにまとめています。
今回は、仕事で力を抜くとはどういうことなのかを、本の語彙から考えてみます。
今回取り上げるのは、伊木 ヒロシさんの『逆さまの法則 真面目にがんばるのをやめるとうまくいく』です。
本書に出てくる「努力が悪いのではなく、使い方が逆だった」という問いを入口に、今回は真面目さと仕事の抱え込みについて考えます。
※上記リンクはAmazonアソシエイトリンクです。
『逆さまの法則』で考える、がんばった量と仕事の満足度
この本の紹介文で、最初に引っかかったのは、「頑張った量」と「人生の満足度」は比例していない、という問いでした。
仕事では、がんばった量を数えやすいからです。
何時間働いたか。
何件対応したか。
何日休まず続けたか。
数字にできるものは、努力した証拠のように見えます。
一方で、仕事が終わったあとに気持ちが落ち着いているか。
納得できる条件で引き受けられたか。
明日の仕事を嫌いにならずに済んだか。
こうした感覚は、売上表にも作業記録にも残りません。
僕自身も、忙しい日は「今日はよく働いた」と思いやすいです。
ところが、よく見ると、予定していた仕事が進んだのではなく、人から飛んできた用事を処理し続けていただけだったりします。
本人はアクセルを踏み続けています。ただし、向かっている方向までは確認していません。
本書の「逆さま」という言葉は、この妙な状態に目を向けさせます。
小さな商売では、親切が仕事の境界を消していく
小さな商売では、経営者と現場担当者が同じ人であることが珍しくありません。
問い合わせに答える人も、商品を作る人も、請求書を出す人も自分です。
そのため、一つの頼みごとを受けたとき、作業だけを切り離して考えにくくなります。
「今回だけ急ぎでお願いできますか」と言われれば、相手の事情も想像します。
困っているなら助けたいと思う。
長く付き合っているお客さんなら、なおさらです。
しかし、今回だけの対応が何度か続くと、それは通常の仕事として受け取られるようになります。
返信が早い人には、いつでも連絡が来ます。細かな要望まで無料で応じる人には、さらに細かな要望が集まります。
頼まれた側は、親切を積み重ねているつもりです。
頼む側からは、それがその店の標準サービスに見えているかもしれません。もちろん、悪意があるわけではない。
だからこそ、本人も途中で止めにくいのです。
断るほどの事件は起きていない。
けれど、少しずつ疲れている。
この小さなズレは、売上だけを見ていると気づきにくいものです。
真面目な人の仕事の抱え込みは、真面目さを増やしても解決しない
疲れて仕事が遅れ始めると、真面目な人は反省します。
もっと早く返信しよう。
段取りを工夫しよう。
休日に少し進めておこう。
僕も、予定が詰まると新しい管理表を作りたくなります。
表が一枚増えたところで、仕事は一件も減りません。
それでも、きれいに色分けされた表を見ると、少し立て直した気持ちになる。
まあ、気持ちだけです。
問題が仕事の量ではなく、引き受け方にある場合、効率化だけでは追いつきません。
速く処理できるようになると、その空いた場所へ次の依頼を入れてしまうからです。
ここで、一度だけ立ち止まる必要があります。
小さな商売では、真面目さを足すより、抱え込む仕事を手放すほうが判断は軽くなる。
手放す対象は、仕事そのものとは限りません。
すぐに返事をしなければならない、という思い込みかもしれません。
一度引き受けたお客さんには、何でも応じるべきだという基準かもしれない。
嫌われないように働けば関係が続く、という期待の場合もあります。
力を抜くとは、何もしないことではありません。
どこまでを自分の仕事にするのか、決め直す作業です。
小さな商売で「やらない」を決める場面
では、どこから見直せるのでしょうか。
大きな改革を始めなくても、日々の仕事には小さな境界があります。
営業時間外に来た連絡は、翌営業日に返す。
見積もりに含まれない修正は、追加費用を案内する。
相談だけで終わるやり取りには、対応できる時間を決めておく。
こうした線引きは、冷たく見えるかもしれません。
実際、最初に伝えるときは少し緊張します。
僕も断りの文章を書くときは、必要以上に長い言い訳を足したくなります。
丁寧に断るつもりが、読む側にもこちらの動揺が伝わる文章になります。
大丈夫なのか、自分。
ただ、境界が見えることは、お客さんにとっても不利益ばかりではありません。
いつ返事が来るのか。
どこまでが料金に含まれるのか。
何を頼めて、何は別の相談になるのか。
これらが分かれば、相手も頼み方を判断できます。
noteやホームページに「よくある質問」を置くことも、その一つです。
毎回その場で説明して消耗する代わりに、先に仕事の範囲を言葉にしておく。
これは売り込みではなく、関係を始める前の案内に近いと思います。
仕事を手放すにも、考える時間と余力が必要になる
「手放せばいい」と言われても、すぐに手放せない仕事があります。
今月の売上が足りなければ、条件の厳しい依頼でも断りにくいでしょう。
一人で店を回していれば、自分が休んだ分を代わってくれる人もいません。
疲れているときほど、仕事を分類したり、料金やルールを作り直したりする作業も重くなります。
つまり、力を抜くためにも、考える時間と最低限の余力が要ります。
その余力を持てない状態では、「手放せない自分は考え方が間違っている」と責める材料が一つ増えてしまいます。
それでは、逆さまの法則が新しい宿題になりかねません。
今の仕事で、すぐに手放せないものと、惰性で続けているものは、同じ箱に入っていないでしょうか。
「逆さまの法則」という言葉から、僕は仕事を減らす方法より、何を自分の責任だと思い込んでいるのかを考えました。
お客さんの期待にすべて応えること。
忙しくても笑顔でいること。
頼まれたら断らないこと。
それらは本当に仕事の条件なのか、それとも長く続けるうちに自分で足したルールなのか。
すぐに答えを出さず、まず区別してみてもよさそうです。
今日の仕事で「本当は断りたかったこと」を、一つだけメモしてみるだけでもよいかもしれません。
「ビジネス書から考える小さな商売メモ」を続けて読む
このマガジンでは、ビジネス書をきっかけに、小さな商売やひとり仕事、発信の続け方について考えています。
同じ本でも、引っかかる場所は人それぞれです。誰かの読書メモを通して、自分の仕事やnote運営、サービスづくりを見直すヒントを拾える場所として続けています。
→ 【ビジネス書から考える小さな商売メモ】マガジン
仕事の境界を決めるときに迷いやすいこと
仕事の範囲を見直そうとしても、実際のお客さんを前にすると迷うことがあります。
ここでは、本文を読んだあとに残りやすい迷いを、いくつか分けておきます。
Q. お客さんの機嫌を損ねずに、営業時間外の連絡を翌営業日に回すにはどう伝えればよいですか
返信できる時間を、連絡が来る前に案内しておくと伝えやすくなります。プロフィールやホームページ、よくある質問などに「営業時間外のご連絡は翌営業日に返信します」と書き、実際の返信もその基準に合わせます。毎回その場で説明せず、休める仕組みに変える考え方は、別の記事で整理しています。
Q. 無料で対応してきた修正を、途中から有料に変えてもよいのでしょうか
途中から有料に変えても構いません。過去の対応を否定するのではなく、「今後は見積もりに含まれる修正をここまでとします」と、これからの基準として伝えるのが自然です。料金内の範囲と、追加費用が発生する条件を先に示すと、お客さんも頼み方を判断できます。
Q. 売上が不安で仕事を断れないときは、何から手放せばよいですか
依頼そのものをすぐに断てない場合は、売上に直結しにくい負担から分けてみます。営業時間外の即時返信、見積もり外の無料対応、必要以上に長い説明など、仕事を失わずに減らせるものが混ざっているかもしれません。条件の悪い仕事を受け続けないための判断基準は、別の記事でも整理しています。
Q. 親切な対応と過剰サービスの境目は、どう見分ければよいですか
次のお客さんにも、同じ条件で無理なく続けられるかどうかが一つの目安です。一度だけならできる対応でも、毎回続けると疲れや不満がたまるなら、標準サービスには向いていません。親切をやめるのではなく、通常対応と例外対応を分けておく考え方です。
Q. 一度決めた仕事の境界に、例外を作ってもよいのでしょうか
例外を作っても構いません。ただし、「今回はこの条件で対応しますが、次回からは通常の納期になります」のように、今回だけの対応であることを伝えます。例外と通常対応の違いが見えれば、一度の親切が新しい標準になることを避けやすくなります。
最初から完璧なルールを作る必要はありません。
実際のやり取りで引っかかった場所を、次の案内文や見積もりへ少しずつ反映していけば十分です。
読んでくれて、ありがとうございます。
綿樽 剛がどんな考え方で発信や記事制作を支援しているかは、こちらにまとめています。
→ 自己紹介・サービス案内
まず自分でnoteを点検してみたい方はこちらです。
→ 【note診断】noteが仕事につながらない人へ|自分で点検できる6つの場所
無料で発信や更新の考え方を受け取りたい方はこちら。
→ 無料メルマガ
【制作について】
この記事は、筆者の読書メモ、構成方針、リサーチ内容をもとに、AIで下書きを作成し、筆者が確認・編集したものです。
文章表現の一部にはAIの補助を使っていますが、どの本を取り上げるか、どのテーマを残すか、どの内容を削るか、公開するかどうかは筆者が判断しています。
本そのものを要約・評価するためではなく、1冊の本をきっかけに、小さな商売の仕事、言葉、判断、言葉にならない考えを整理するための記事として書いています。
記事内にAmazonアソシエイトのリンクを含みます。
#逆さまの法則
#伊木ヒロシ
#真面目にがんばる
#読書ノート
#小さな商売
#個人事業主
#ひとり社長
#仕事の言葉
#働き方
#綿樽剛
#ネタリエ
