生身の地球(3/4)
2/4からの続きです。
銀行からお金を下ろし
車に戻った時
なぜか誤作動して
車のアラームが大きな音を立てて鳴った。
それは2回も起こった。
ギフトカードを買いに
狂ったように車を走らせていた時も
普段よりたくさんの
パトカーを周りに見た。
一瞬、助けを求めに走ろうかと
考えたけど
この声の主と、パトカーの警察と
どちらがより安全なのか
わからなくてやめた。
パパちゃんの電話も
車のアラームも
パトカーも
今思えば、ガイドが一生懸命
送ってくれていたサインだった。
でも私は全部無視した。
疲弊しきっていた。
8時間、飲まず食わずで
慣れない道を運転させられ
誰にも話すなと脅され
普段、絶対にすることのない
高額な買い物を次々にさせられる・・
そして最後、その日の最高金額を
使わされそうになった時
お店の人が
「Ma'am, I'm sorry we cannot do that.」
「申し訳ありませんが
お売りできません」と言った。
何か怪しいと思ったんだろう。
これが、
上からの強制ストップだった。
これ以上行くと本格的にヤバいと、
強制終了をかけてくれたんだと思う。
その時、私はやっと
我に返り
”私はこんなところで
何をしてるの?
何も悪いことしてないのに
それこそ犯罪者のように
コソコソ動き回らされて
脅されて、操られて
息子に会いたい!
帰りたい!
休ませて!”
という気持ちで
はち切れそうになった。
そのタイミングで、
詐欺師の相手が
「ギフトカードを売ってもらえなかっただって?
怪しまれないようにしろと言っただろ!」
となじったので、私はついにキレて、
彼に怒鳴りつけた。
「逮捕するならしなさいよ。
もうどうでもいい、私は帰る」
そして電話を切り
息子を見てくれていた地球人ママ友に
今日のことを全て聞いてもらった。
その時点ではまだ
騙されていたということも
100%確信はしてなかったので
彼女を巻き込みたくないという気持ちは
もちろんあったのだけど
彼女だったら、電話を使わず、直接会って話せるし
昔、弁護士をやっていた人だから
何か知っているかもしれないと思ったのだ。
彼女は目を見開いてこう言った。
「maki、それ、詐欺よ!
夫も同じ被害に遭ったの!
全く同じ手口よ!!」
彼女は私を抱きしめ、
ご飯を用意してくれたけど、
何も喉を通らなかった。
なんてバカだったんだろう、
自分が情けなかった。
とにかく息子が無事で、
自分がまだ生きているということ
命を取られるよりはマシだと
思っていても
あまりにもショックで
涙も出なかった。
詐欺師に対して
どうしてあんなことをしなきゃいけないほど
低い周波数帯に生きることになってしまったのか
彼にも親や子供がいるかもしれないのに
その境遇が可哀想で仕方なかった。
”とりあえず生きてるから大丈夫”
そう言い聞かせ、とにかく強くあらねばと
カード会社や銀行に電話したり
警察に届けを出したり
息子とクロエちゃんのお世話だけは
なんとか平常通りこなし
淡々と事後処理を
していった。
でも最後に電話に出てくれた
銀行の担当の人が
ものすごく、
ものすごく優しくて😢
「僕はね、この部署で12年働いてるんだ。
95歳の人が騙されたのも何度も見てきた。
特にコロナ以降、詐欺の件数は増えて、
すごいことになってる。
君だけじゃない。
君のせいじゃない。
これは誰にでも起こりうることなんだよ。
だから、決して
自分を責めないで欲しいんだ」
彼があまりにも優しいもんだから
つい・・って言うか、やっと
涙がドッと出てきて
その時、やっと
この事件で負った傷とか、
感情というものを
ちゃんと ”感じる” ことができた。
(4/4に続きます)
