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ProfiitリリースまでにPoVで検証した5つのこと|新規事業の検証プロセスを公開

2026年9月1日に、サードリー株式会社は、組織の仕事と利益の関係を可視化するサービス「Profiit(プロフィート)」を正式にリリースしました。

ここまで来るのに、構想からかなりの時間をかけています。

スタートアップが新しいプロダクトやサービスを立ち上げる場合、早く市場に出して改善を回す「リーンスタートアップ」という手法が一般的になっています。

ただ、私たちは違う方法を選びました。

既に存在している市場に何かを投入するならリーンな進め方のほうが適していると思います。しかし、「Profiit(プロフィート)」は、既存の商品を少し便利にするサービスではありません。
仕事と利益の関係を可視化する「ワークプロフィット・デザイン」という、まだ市場に十分な共通認識がない領域に、新しいカテゴリーをつくろうとしています。

だからこそ、仕組みとして実現できるかだけでなく、本当に顧客へ価値を提供できるのか、そして、その価値を継続的に届けられるビジネスとして成立させられるのかを、段階を踏んで検証してきました。

今回は、Profiit(プロフィート)の正式リリースまでにサードリーが何を検証してきたのかご紹介します。


事業検証の3段階(PoC・PoV・PoB)とは?

はじめに、新規事業を検証する際の基本的な考え方を整理します。

事業検証には、大きく分けて「PoC」「PoV」「PoB」という3つの段階があります。用語の定義や使われ方は企業やプロジェクトによって多少異なりますが、今回はdocomo Businessのこちらの記事を参考に、簡単に解説していきます。

PoC(Proof of Concept / 概念実証)

PoCは、構想している技術や仕組みが、本当に実現できるのかを確かめる段階です。
小規模な試作品などを使って、アイデアの実現可能性を検証します。
Profiit(プロフィート)でいうなら、必要なデータを収集できるか、想定した精度で分析できるかといった、サービスの核となる仕組みを実装できるか確認する段階です。

PoV(Proof of Value / 価値実証)

PoVは、実現した仕組みが、顧客や組織に本当に価値をもたらすのかを確かめる段階です。
高度な技術を使い、多くのデータを集められたとしても、そこから何の気づきも得られなければ、価値があるとはいえません。
反対に、興味深い分析結果が出ても、実際の意思決定や業務改善に活かせなければ十分ではないでしょう。
「つくれるか」ではなく、「顧客の課題を解決し、具体的な変化を生み出せるか」を検証していきます。

PoB(Proof of Business / プルーフオブビジネス)

PoBは、顧客に提供できる価値を、継続可能なビジネスとして成立させられるかを確かめる段階です。
価値のあるサービスであっても、必ずしも事業として成り立つとは限りません。
価格設定や顧客獲得にどれくらいの費用がかかるのか、提供に必要な人員やコストを踏まえて利益を確保できるのかといった、市場性や収益性、運営体制を含めて検証していきます。

サードリーでは、まずPoCでProfiitの構想と仕組みを検証し、その後の約4か月間をかけてPoVを実施してきました。

そして正式リリースを迎えた現在は、実際の販売を通して事業としての持続可能性を確かめる、PoBの段階へ進んでいます。

なぜリーンではなく、検証プロセスを重ねたのか?

これについては明確な理由があります。

もちろん早く市場に投入して市場の評価を受け、その中でブラッシュアップしていくやり方は、個人的にも好きな方法です。スピード感もありますし、そういった面においてリーンな進め方が優れているというのは私も思っています。

ただ、これまでに全くない概念や価値を世の中に問うときには、それそのものがどういうものであるかを世の中に示していかなければならないと考えています。

たとえば、最終的に車を作って移動をすごく楽にしたいと考えていたとします。その際、車の概念をまったく持たない人たちに対して、実物を示さないことには車を理解してもらえません。そこで「作りやすいからまずバイクから作ろう」とか、さらに手前の「自転車から作ろう」とするのは、やはり違うと思うのです。

そのものを示すためには、それなりの完成度がどうしても必要になります。そして、相応の完成度のものを作るためには、検証を重ねて概念と機能を固めていくプロセスが欠かせません。市場に問う前にそこを固めておかないと、市場からの認知が得られないか、もしくは認知が歪んでしまうという事態が起こるためです。

そのため、今回はこのような手法をとりました。これはこの手法自体が優れている・優れていないという話ではなく、状況に応じて適切な手法を選ぶことが大切だと考えています。


Profiit(プロフィート)のPoVで検証した5つのこと

Profiitでは、約4か月間のプレリリース期間を設け、顧客や組織に本当に価値を提供できるのかを、次の5つの観点から検証しました。

① データの有用性
Profiitの根幹にあるのは、組織の仕事と利益の関係をデータで可視化することです。
そのため、まず確認しなければならないのは、収集したデータや分析結果が、クライアント企業の現場の実態を正しく捉えているかという点でした。
単なるデータの羅列ではなく、「そこから新しい事実や示唆が発見できるか」「実際の業務改善につながる知見が得られるか」というデータそのものが生み出す価値を検証しました。

②ユーザーエクスペリエンス
どれほど有用なデータが得られても、機能が複雑で使いこなせなければ、実際の業務には定着しません。
実際の利用環境において、機能や操作性、サービス全体のユーザー体験を細かく確認しました。

③マーケティングメッセージ・チャネル
サービスに価値があっても、その価値が市場に伝わらなければ、顧客には届きません。
ターゲットとなる業界や企業に対して、Profiitのメッセージがどのように受け止められるか、興味や問い合わせにつながるかを検証しました。
広告への反応や展示会への出展などを通じて、訴求方法を探っていきました。
合わせてチャネルごとのターゲット特性やそれに合わせた訴求メッセージの検証も行いました。

④ 営業プロセス
実際の営業活動を通して、提案から導入までの流れを検証しました。
反応を示す顧客層の業種や業態、規模について整理。企業が抱える課題によって、提案内容をどのように変える必要があるのか。
営業の結果をもとに顧客を分類し、優先的にアプローチすべき層を明確にしていきました。

⑤ オペレーション体制
契約後も継続して価値を届けられる運用体制についても検証しました。
サービスを定着させるために、どのような支援が必要なのか、事業を拡大する場合、何人の人材が必要になるのか、といったオペレーションを見ていきました。

これらの検証によって、いくつかの示唆を得ることができました。それが以下になります。

1)全社導入や売上データとの掛け合わせがなくても、有効なデータを可視化できる
ワークデータ単体でも、これまで見えなかった業務の偏りを可視化できることが分かりました。
(データの有用性、特に単体データでの有用性の評価)

2)単独部署からのスモールスタートでも、改善検討のきっかけを得られる
一部門への導入でも、業務の偏りや負荷状況を確認し、業務の見直しを検討するための示唆が得られました。
(データの有用性、段階的導入プロセスの評価)

3)業種や企業規模が異なる企業でも、業務内容や負荷状況の把握に課題
モニター運用では、業種や企業規模が異なる企業においても、「部署や個人がどの業務にどれだけ時間を使っているかを把握しにくい」という同じ課題が確認されました。加えて、2026年4月のトライアル開始以降、製造、物流、小売、食品、人材、IT、販促制作、製薬など幅広い業種からお問い合わせや商談のご相談が寄せられています。検討企業の規模は、20名程度から7,000名程度まで幅広くなっています。
(市場性の評価)

サードリーのプレスリリースより


正式リリースは、「事業としての検証」の始まり

PoVを通して見えてきたのは、私たちが提唱している「ワークプロフィット・デザイン」が、特定の業界だけに存在する課題ではないということでした。

業種や業態が違っても、多くの組織が「どの仕事が、どのように利益や価値につながっているのかわからない」という問題を抱えています。

正式リリース以降は、次のフェーズであるPoB(プルーフオブビジネス)へと移行します。
なぜならビジネス検証は、実際に市場へ販売してみなければ検証できないからです。

今後は市場の反応も見ながら検証を続け、改善のサイクルを回していくことになります。


自社の環境に合わせた検証スタイルを選ぶことが大切

今回、私たちが時間をかけて検証を重ねる方法を選べたのは、サードリーが子会社として事業を立ち上げていることも大きく関係しています。

一方で、資金や時間に余裕のないスタートアップであれば、まず市場に出して売上をつくりながら改善していく、リーンスタートアップ的な方法が適している場合もあります。私たちも同じ状況であれば、きっとその方法を選んでいたと思います。

事業の立ち上げ方に、唯一の正解があるわけではありません。

大切なのは、流行している手法をそのまま採用することではなく、自社が置かれている環境や使える資源と、つくろうとしている事業の性質に合わせて、検証の方法を選ぶことです。

Profiitはようやく正式リリースを迎えました。
ここから実際の市場で検証を重ね、見えてきた課題を一つずつ改善していきます。

Profiitの本当の事業づくりは、ここから始まります。


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