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はじめての入院日記(3日目):手術当日のリアル・意外だったこと

朝5時過ぎに目が覚める。昨晩から課せられた2本の飲料ノルマを果たすためだ。

無事飲み終わったところで、看護師さんが顔を出す。空になった2本を指差し「やりました」と成果を報告。

手術中は顔や体にチューブなどいろいろ装着するため、滑ったり外れたりするリスクを避けるため、化粧水など体につけるものは御法度。何回もその注意書きを読んでたはずなのに、うっかり洗顔後にリップを塗りそうになる。

意外と平常心で迎えた朝

正直前日は「不安で眠つけなくなるのかなー(手術中寝てるからいいか)」と思っていた。看護師さんからも「寝れなかったら眠剤出すので!」と言われていたが、特に薬に頼ることなく熟睡。「今更ジタバタしても仕方ない&あとはプロに任せよう」と驚くほど平常心で朝を迎えられた。前世は武士だったのか、自分。「眠れました?」と様子を見にきた医師たちに「ぐっすりでした、へへへ」と伝えたら、ちょっと引いてた。

パジャマから術用の青いガウンに着替える。ちょうど主治医の先生が現れたので「これ着ると患者っぽいですよねー(患者だけど)」とヘラヘラしていた。先生は先生なりに安心させようと色々言ってくれた気がする。なんとなく別れ際、「今日は長丁場ですが、とにかくよろしくです。」という気持ちを込めて固く握手させてもらった。

手術直前、気がかりは母

その時、唯一気掛かりだったのが、立会いのため近くのホテルで待機してくれてるはずの母のこと。早朝送ったLINEの既読がつかず、返信がない。電話をかけても繋がらず、そわそわしてしまう。

手術1時間前。ようやく来た返信には「ドクターに任せて安心してOP受けてください。」とあった。前日は病院に下見に来ていて、今日の昼ごはんのメニューも決めているらしい。

手術(オペ)をOPと書く意外性と、「え、下見に来たんだ」という相変わらずの母の用意周到さに、ようやく落ち着きを取り戻す。

手術室は思ってたのと違った

朝8時50分。初めて会うキラキラした看護師さんに「そろそろ行きましょう」と迎えられ、病室を出発。前日手術を受けてた同室の先輩から「頑張れ!」とエールをもらう。

エレベーターホールで不安げな顔の母と合流。キラキラ、不安げ、武士の即席トリオで手術室に向かう。

手術室のあるフロアに降りると、朝ごった返す会社のエレベーターホールみたいに他の手術予定の患者さんや付き添いの家族で混雑していた。少し待ってから手術室の看護師さんに名前を呼ばれる。母とはここで「じゃーまたねー」と別れる。

手術室に入る前に、空港みたいに手続きがあった。患者の取違い防止なのだろう、病棟、手術室それぞれの看護師さんで私の名前や手術内容など読み合わせが行われる。

病棟も激務だろうが、手術室の看護師さんはさらにテンションが高い雰囲気。

その後導かれるまま手術室に。主治医はいなかったが、すでに何人も医師がスタンバイしていて、前日説明してくれた麻酔科の先生も挨拶してくれた。

手術室自体は隣と仕切りはあるが、部屋の奥の方でそれぞれの手術室を行き来できそうな間取りだった(と思う)。

適切な表現が見つからないが大きいレストランのライブキッチンみたいな、料理の鉄人みたいな、そんな感じ。医師や看護師が行き来できて効率がいいのだろう。

手術台は話に聞いてた通り、自分で良い上形式。意外と小さく、体が冷えないよう温められていた。

麻酔は着々と

前日説明された通り、麻酔や色々点滴の針が刺されていく。最初に手の甲に刺された時はびっくりしたが、もうこの時点で観念していてお任せします、という気持ち。

背中を丸めて、例の硬膜外麻酔の管を入れてもらう。しばらく私のライフラインとなる1mmのチューブは、人によって違和感があると聞いてたが私はわからなかった。全身麻酔の前にやるのは、もし違和感があった時に患者が知らせるためらしい。意識なかったらわからないもんね。

そのあとは点滴や酸素マスクで全身麻酔が始まったと思われる。思われると書いたのは、マスクをあてがわれてから記憶がないから。意識を失う直前「看護師さんのまつ毛長いなー、エクステかな…」とどうでもいいことを思っていた。

手術後、意外だったこと

名前を呼ばれ、気づいたら手術が終わっていた。終了時間が読み上げられ、「ちょうど7時間です」という声に「おおーっ」と手術室でどよめきが起きたのは覚えている。良かったってこと?

そのあとガラガラとベッドで移動、途中にぼんやり不安げな母の顔が見えたので頷いてみた。声が出にくい。次に気づいたときは元の病室に寝ていた。

足元には血流を止めないため空気を送るフットポンプがプシューッと一定の動きをしている。生理痛のようなズーンとする重い痛みがある、と体験談を読んでいたが、手術中から念入りに麻酔、痛み止めを入れてもらっているせいか、思ったほど痛みはない。

意外なのは喉が痛かったこと。ずっと呼吸の管が入っていたからと思われる。酸素マスクも一晩つけなくてはいけないらしいが、そのせいでさらに乾燥している気もした。マスクの匂いも若干気になるので、看護師さんの目を盗んで時々外していた。

「お腹というか喉が痛くって、、」と言うと「え、そっち?」とちょっと驚かれた。ストローとコップで寝ながらうがいをさせてもらう(液体が逆流しない、魔法のジップロックみたいな袋があるのです)。

お腹の傷口に痛みはないが、もちろん引きつれている感じはする。「同じ姿勢じゃなくて、左右に寝返りをうっていいですから」と言われるも傷口が開いたら、と怖くて動けない。そろりそろりベッドの柵を持って、少し姿勢を変えてみたりした。ベッド脇に置いたスマホを触る余裕はあった。

全身麻酔直後はまだ体が完全に戻らないので、もし舌で気道が塞がったときの対応のために枕をつけないらしい(と何かで読んだ)。ただこの時は首が辛かったので、うがいのほか「枕を入れてください」とリクエストしたのを覚えている。

まさかの空腹

左右に自由に動けず、硬直したまま天井を見つめていたら、医師たちが様子を見にきてくれた。

「痛くはないんですけど、キュルキュルお腹がなってるんですよねー」と伝えると「それは腸が動いている証拠」と喜んでくれた。なんならお腹も空いてる気もしたが、空気を読んでそれは言わなかった。

その後、看護師さんが傷口の様子や心拍、点滴の確認で消灯の22時まで30分おきに来てくれた。夜間から明け方にかけては1時間おきくらい。本当に頭が下がる。足元のフットポンプが一晩中プシューッと動いてたので、同室の人もうるさかっただろう。でもその日も気づいたら寝ていた。恐るべし自分。

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