AIへの依存、法律や正しさの定義とは……脳裏に「問い」が浮かんだ作品【創作大賞感想】
今月末で、創作大賞応援期間も終わってしまいます。今日は娘の療育がありますが、できる限り応援できたらいいなと思っています。今回紹介する作品は、読んでみてふと脳裏に「問い」が浮かんで、考えさせられた作品を紹介します。
AIを知る〜僕が完璧な言葉を捨てるまで〜/ちらくあきさん
考えたり、自分の言葉を伝えることが苦手な成宮セイが、装着型AIエージェント――【BUTLER】へと少しずつ依存していく様子が丁寧に綴られています。このシステムはかなり便利ですが、「体に装着する」分、より依存度が高くなる気がしました。
【BUTLER】は、僕の見聞きしている情報だけでなく、僕の思考も脳波を通じてリアルタイムで分析し、文句のつけようがない完璧な回答を瞬時に用意してくれる。
読み進めるうちに、「AIは参考程度に使うくらいがちょうどいいのかもしれない」と感じたり、自分が「思っていることを完璧に伝えなきゃ」と思いすぎていたことが、もしかしたら「伝えることの苦手意識」に繋がっていたのかもしれないと気づかされました。
伝えるという行為は、もっと気軽でいいのかもしれませんね。
ラストはネタバレになるので控えますが、読後感はとても素敵で、「読んでよかった」と心から思える作品でした。便利な世の中になった今だからこそ、自分で考えることの大切さを改めて感じました。この度は、素晴らしい作品に出会わせていただき、本当にありがとうございました。
もう父は、私の前髪を切らない/ごはんたいたよさん
最高にロックでパンクなエッセイでした。
冒頭の「父が脱サラした」という強烈なエピソードからはじまり、気づけば前髪にひじきが貼りついたような状態で泣いてしまう少女の姿が登場。予期せぬ展開が、たくさん登場します。宇多田ヒカルに憧れて伸ばしていた前髪を、ある日突然ぱつんと眉上に切られてしまったりとか。とにかく前髪への執念が清々しいほど真っ直ぐで、そこに「お父さんへ抱えていた複雑な思い」がしっかり絡んでいました。
一文一文がパンチ力抜群で、まるで尾崎豊や宇多田ヒカルの楽曲を聴いているような疾走感があります。読み進めるほどに、脳内には「Automatic」やELT、犬夜叉のエンディングテーマ、ヒップホップ、My Little Loverなど、懐かしい曲が次々と流れてくるのに、不思議と内容が散らからない。むしろ、音楽の洪水が一本の線となって繋がっていく様子は圧巻でした。
小説「踊る吠え声」/みなとせはるさん
本文約2万字という短編ながら、濃密で読み応えのある作品でした。
お金や家族にまつわるエピソードは大変リアルで、「どこの家にもありそうなのに、普段は表に出てこない部分」を、丁寧にすくい取っている印象を受けました。夫婦の「いざという時の愛情」がどんな形で現れるのか、についても大変リアルです。
義実家との距離感、仕事の節目、家を建てるタイミングなど、人生の分岐点でふと滲む感情がとても生々しくて、思わず自分の夫婦関係や生活と重ねてしまいました。
印象的だったのが、作中で語られる法律の話です。刑法38条3項の「法律を知らなかったとしても、罪を犯す意思がなかったとは言えない」という条文をめぐる会話があり、そこから「正しく生きるとは何か」という問いが脳裏に浮かび上がります。
「普通の人が許されることでも、少しでも知っている人は正しくしていないと……、正しくない方を選んだら、それは『わざと』犯した罪だと言えない?」
「法律は誰かの正しく生きてる、生きてないをジャッジするものじゃないよ」
このやり取りがとても印象的で、法律ってなんだろうなぁと考えさせられました。知識があるからこそ慎重になれる場面もあれば、知らないからこそ無邪気に信じてしまうこともあります。
短編とは思えないほどテーマが多層的で、トラブルの場面では民法の紹介もあり、物語としての説得力がぐっと増しています。この分量でここまで「書き切る」筆力には驚かされました。
活動実績/寝癖さん
タイトルを見た瞬間「どういう話なのだろう?」と、もっとも考えた作品です。そして最後まで読み終えた瞬間「えっ、そういうことだったの?」と目を丸くしました。
マッチングアプリで出会った大志の本音が明るみになるにつれて、どんどん背筋が凍りつきました……。周囲からは見えづらい人間の「深い部分」の怖さがじわじわとくる展開が素晴らしかったです。構成と最後のオチが秀逸でした。
【完】
☆書籍「書く人生のはじめかた」好評発売中です。なんと、ついにレビュー28件目となりました。
☆私も、創作大賞に応募しています。
☆スペース予告
7月31日12時~木全さん、中井さんと「ワーママ時間管理術」について、スペースします!
メディア「たしかなこと」運営・となりの編集者などで活躍中の木全さん、ネガティブ革命の著者である中井ゆうこさんとスペースします。
\ワーママの時間割、Xスペースで大公開!/
— 木全彩花 (@aya19940406) July 17, 2026
「noteやエッセイ、いつ書いてるの?」
「仕事に家事に育児、
書く時間ってどうやってつくるの?」
そんな疑問に、3人のワーママがお答えします✍️
一緒に語らせていただくのは
専属編集者(@oka_motti)メンバーの
みくまゆたんさん(@mikumayutan)…
お二人とも、小さなお子さんを抱えるワーママさんなので、時間管理めちゃくちゃ気になります。
8/1(土)11:30 絵本作家よりみちさん、サンクチュアリ出版・「捨てないレシピ」の著者であるこじえみさんとスペースします。
\告知8/1(土)11:30🎤/
— こじえみ|本の著者一年生📚 (@kojimaemi_2025) July 13, 2026
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本を出したあとのリアルを語る会📚
「出版記念イベントってどうやるの?」
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「イベントをやってみたい!」みくまゆさん @mikumayutan とわたしが、数々のイベントを実現してきたよりみちさん@cc25Ca にお話を伺いますー!… pic.twitter.com/rPW2j34f8Y
8月1日は、よりみちさんのジャーナリングを通じて仲良くなったこじえみさんと共にスペースします。
テーマは「本を出した後の、『その後』のイベント展開』について!よりみちプロに聞いちゃいます。よろしくお願いします!!
