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便利になるほど、頭は使わなくなる――ワーキングメモリを鍛え直したい

研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。

AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。


ワーキングメモリが気になって仕方がない

最近、ワーキングメモリについて興味津々です。

ワーキングメモリとは、必要な情報を一時的に頭の中に置きながら、考えたり作業したりするための機能です。電話番号を覚えたまま入力する、相手の話を聞きながら返事を考える、複数の手順を意識しながら仕事を進める。こうした身近な行動にも関わっています。

仕事はもちろん、料理や買い物、読書、会話など、私たちが行うさまざまな作業に、ワーキングメモリの効果的な活用は欠かせません。


私たちは考えることを機械に任せている

パソコンやスマートフォンは、生活をとても便利にしてくれました。

分からないことがあれば、すぐに検索できます。覚えておきたいことは、メモアプリやカレンダーに保存できます。目的地までの道順は、地図アプリが案内してくれます。計算や文章作成まで、機械が助けてくれるようになりました。

その一方で、私たちは自分で覚えたり、考えたり、工夫したりする機会を減らしているのではないでしょうか。

便利な道具を使うこと自体が悪いわけではありません。しかし、何でも機械に任せるうちに、考える前に検索する、覚える前に保存する、自分で試す前に正解を探すことが習慣になっています。

気がつけば、考えることそのものを放棄しているのかもしれません。


頭を使わないことが「楽」になった

人は楽な方法があれば、そちらを選びたくなるものです。

頭を使って考えるよりも、検索結果を読むほうが早い。時間をかけて覚えるよりも、必要なときに調べるほうが効率的です。

そうして私たちは、頭を使わないことを「楽」だと思うようになりました。

便利さを手に入れた代わりに、考える習慣を手放してしまったとも言えます。使わなくなった能力は、少しずつ働きにくくなる可能性があります。意識的に脳を使う機会をつくらなければ、その変化に気づくことさえ難しいでしょう。

「忘れない工夫」だけでは足りない

物忘れを防ぐために、メモやリマインダーを活用することは大切です。けれども、何もかも外部の道具に預けてしまうと、自分の頭の中で情報を保持し、整理し、組み合わせる機会が減ってしまいます。

たとえば、短い買い物リストを覚えて店内を回る。読んだ文章の内容を見返さずに思い出す。人の話を聞いたあと、自分の言葉で要点をまとめる。作業の手順を頭の中で組み立ててから取りかかる。

こうした小さな行動でも、ワーキングメモリを意識して使うことはできます。

便利な道具を捨てる必要はありません。大切なのは、道具に任せる部分と、自分の頭で取り組む部分を意識して選ぶことです。


コスパやタイパだけでは測れないもの

今は、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスが重視される時代です。できるだけ少ない負担で、できるだけ早く結果を出すことが求められています。

もちろん、効率は大切です。しかし、すぐに成果が見えないからといって、考える時間や試行錯誤まで省いてしまってよいのでしょうか。

自分の頭で考えることには、時間がかかります。遠回りに見えることもあります。それでも、その積み重ねによって、集中力や判断力、問題を解決する力が育っていくのだと思います。

自分のパフォーマンスを上げる努力をする

これからは、コスパやタイパとは別のところにも目を向けたいと考えています。

どれだけ早く終わらせたかではなく、どれだけ深く考えられたか。どれだけ楽ができたかではなく、自分の能力をどれだけ使えたか。そのような基準も持っておきたいのです。

脳の働きの変化を完全に避けることはできません。それでも、自分の頭を意識的に使い続けることはできます。

便利さを上手に利用しながら、考える習慣まで手放さないこと。日々の小さな作業を、自分のパフォーマンスを高める機会として捉えること。

ワーキングメモリへの関心を、単なる知識で終わらせず、毎日の行動につなげていきたいと思います。

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