ひな祭りの奇跡🎎ヘルニアで「キャンセル」された子が家族になるまで
「あたいははるこ!……あんただれ?」
7年前のひな祭り。般若顔でわたしを迎えたのは、想定外にデカい白黒茶の「物体」だった。
理想とは、少しだけ違っていた
15年という長い年月を共に歩んだ先代のキャバリア、ちゃーちゃん。
彼女は「白と茶色のブレンハイム」という、いわゆる王道のキャバリアで、性格も「THE・女子」という言葉がぴったりの可憐な子。

ちゃーちゃんが老衰で空へ旅立ち、わたしの生活は一変した。
仕事の関係で広島へ、それから東京への転居。
そして、当時すでに病状が出ていた「片側顔面けいれん」の悪化による実家への帰郷……。
心にぽっかりと空いた穴を抱えたまま過ごしていたある日、兄夫婦が「そろそろ、新しい家族を迎えようか」と動き出した。
向かったのは、ちゃーちゃんと同じブリーダーさんの元。
当初の希望は、もちろんちゃーちゃんのような「可憐なブレンハイム女子」で、みむら家の誰もがそれを信じて疑わなかった。
「キャンセル」という名の運命
そこで出会ったのが、はるこだった。
「本当は千葉に嫁ぐはずだったんですけど……ヘルニアが見つかって、キャンセルになってしまって」
ブリーダーさんの言葉を聞き終わる前に、その子は動き出す。
義姉の膝の上へ、迷いなく飛び乗ると、まるで
「あたしのあたらしいおかあさんは、あなたでしょ?」
と言わんばかりの確信に満ちた顔で居座った。
当初の希望だった「白茶の王道」ではなく、白黒茶のトライカラー。しかもヘルニア持ち。けれど、その瞬間の温度が、義姉の、そして家族の心を決めた。
「ちょ……でか!」
お迎えの日は、3月3日。ひな祭りにやってくるから「はるこ」
当時から、残業の多かったわたしは、仕事中もそわそわしっぱなし。
駅から実家までの1時間強の道のりを「はやく!はやく!」と急ぎ、兄夫婦の家の玄関を開けた、その瞬間。
「あたいは、はるこっていうの!……で、あんただれ?」
そこには、般若のような険しい顔で、じーっとこちらを凝視する小さな、いや、予想よりずっと大きな三色展開の犬がいた。
ちゃーちゃんのパピー時代、手のひらにお腹を乗せてトイレシートを替えていた記憶が強烈だったわたし。生後2ヶ月と3ヶ月の差で、これほどまでに貫禄が出るものなのか……。
感動の対面のはずが、わたしの口から出た第一声は
「ちょ……でか!」

完璧じゃないから、愛おしい
はるこが我が家に来て、今年で7年……。
あの時の「キャンセル」という不運がなければ、はるこは今ここにはいない。
わたしたちが勝手に描いていた「理想のキャバリア像」とは、見た目も性格も、そして体の大きさも少し違った。
でも、その生命力あふれる「違い」こそが、わたしたちをどれほど癒し、救ってくれているだろうか。
はるこが、我が家に来てくれて、家族の一員となった「不運」は、実はなかなか起こりえない「幸運」だったんだと気づいた。
さいごに
運命の出会いは、いつどんな姿でやってくるかわからない。
少しだけ勇ましくて、想定外の色で、でも触れるとたまらなく温かい。そんな形で、わたしたちの日常に滑り込んでくれたはるこ。
もし今、つなぎたいご縁を「キャンセル」されたような気持ちになっている方や、出会うべくして「出会うべき相手」が現れないと悩んでいる方がいたら……あなたの空いたスペースには、きっと想像もしなかった「もっと大きな愛着」が飛び込んでくる予兆かもしれない。
あの日の般若顔のはるこが、今のわたしにそう教えてくれている気がする。
ある冬のあたたかい日、大きくなったはるこも一緒に庭を散策する様子が出てくる記事はこちら⇩
そういえば「suno」ではるこの曲まで作ったのだった。
見よう見まねで触って作ったので、稚拙ですが、よかったら聴いてみてね🎧

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