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神のデス・ギフト第6話~出会いと文化が、魂の底でゆっくり熟れた。さらに本場あのグルメで価値観ノックアウト!

これは、神から贈られた「死にかけるほどのギフト」の開封記録。旅も慣れてきた頃見知らぬ人々に助けられ、実は無意識で命をギリギリで守っていた冒険の実話。

ハリウッドのマクドナルドでデュカプリオになりきってポテトを食べる俺

大学生2人と俺とコダックシアター(ドルビーシアター)界隈観光&ピザと酒を味わい尽くす

俺「なんてことだ!」

俺はレオナルド・ディカプリオの実寸写真と、手の中のマクドナルドのポテト。
ハリウッドの神殿の前で、俺は映画の主人公のようにふるまった。
ポテトの塩が、妙な自信を俺の舌に注いだ。

俺は、座った椅子とお尻の間にレオナルドデュカプリオを感じずにはいられなかった。

旅の同行者の女の子曰く、売れなかったときデュカプリオはアカデミーショー授賞式の有るマックの向かいの神殿・コダックシアターをみて「いつかそこに行ってやる!」とハンバーガーを食べていたそうだ。

ロサンゼルスに1年留学した経験がある女の子2人組が言うのなら間違いない。

それから間もなくして、ロミオとジュリエットという名作が出たのは語るまでもないだろう。

俺の発酵は加速した。まるで味噌の部分がブクブクと音を出してマグマのように発酵していたのだ。

脳の味も香りも感覚もスイッチが入れ替わったのを感じる。
俺、イン・ザ・アメリカ!


ハンバーガーとポテトを噛みしめながらコダックシアターを見て思った。

心「売れなかった彼が、神殿を見ながらハンバーガーを食べていた」
心「俺の方が貧乏で頑張っても報われてねーけど、励まされるぞ!」

気持ちの中ではデュカプリオは親友だった。
同じ風景を見ている俺の日本での不遇を重ね合わせ、力をもらっているかのようだった。

俺の不遇に、ディカプリオがそっと寄り添った気がした。

女子たちも楽しそうに、真剣な俺の顔を見て笑っていた。

さてデュカプリオを堪能し意識に刷り込みが完了した頃外は暗くなっていた。
暗いといってもハリウッドの美しいライティング・音楽・人々が華やかさを引き立たせていて、日中とは違う妖艶な雰囲気になっている。

ネオンの明かりもまるで映画の様。歩く人もタキシードやスーツになり、本場アメリカのジェントルマンやセレブで埋め尽くされる。
リムジンも走り出し、道は騒音と歓声で埋め尽くされている。

俺個人としては、夜のハリウッド雰囲気の方が圧倒的にセクシーで魅了されるし、乾いた空気と温暖な気候が全て最高レベルでマッチしている感じがした。

俺たちは、本日でお別れだ。

女の子たちは明日日本に帰るのだそうだ。

連絡先は聞いていない。

そこに色気を感じたら違うだろう。

今日という日に偶然出会って濃厚な1日を共に体験し、もう会わない。
それが旅ってもんだろう。

連絡先を聞かないことで、旅は“物語”になった。

心「今、本気になって感謝し楽しむ!今を生きる!」

渋い事を言って酔いしれているアメリカ初日の夜だぞ!かっこいいだろ。
お別れのパーティーをすることにした。

コダックシアターの中にオープンテラスの大型のイタリア料理のレストランがあった。
女の子の好みでのチョイスだったが、コダックシアターの巨大像を見ながら食べたのは素晴らしい思い出になった。

ピザを2枚、パスタを2種類、サイドメニューも少々、あとは皆ビールやワインを死ぬほど飲んだ。

うまかった。
話も楽しかった。

女の子とコダックシアターでピザを食べる楽しい俺


俺の日本での仕事の話を聞いた女の子たちは、就職には最大の注意力を持って企業選びすると怯えながら納得していた。

俺「かわいいし、あーうめー」

初日の夜だ。

今日は日本からきてずいぶん動いたな・・・・記憶が消えた。



俺「ここはどこだ!」

俺は、自分のホテル(らしき)のベッドで寝ていた。
と理解するのに10分。どうやって帰ってこれたか思う出すのに考えたが不可能。

荷物も全部ある。
助かった。

俺「しかし、どうやってホテルへ戻ってきたのか」

ベッドの上に、折りたたまれた一枚の紙があった。

「俺さん、今日は本当に楽しかった。実は私たち、あなたと同じホテルでした。タクシーで帰って、部屋まで送ったよ。もう日本へ向かうけれど、今日のことは忘れない。一生の宝物です。お互い、がんばろうね。」

嬉しさと感動と人の温かさに触れ、心がジワーッと泡立ち醗酵が進んだことを認識した。

あの優しいいたずら心のある二人の笑顔、はしゃぐ姿、英語で俺を助けた多くの場面。

これが、人間との出会い。
今までにない幸せな気分だった。

俺「そうだな!無職でも俺はこれからビックになる!一緒に頑張ろう!」

窓の外の荒々しさと温かさが混在する地区の雰囲気を見て何故か悲観的なことは感じられなかった。

早朝外を見ながら女の子の手紙を持って日本で頑張る決意をする俺

ロス最高のノートンサイモン美術館、MITと並ぶ理系の名門カリフォルニア工科大学を体験

俺は美術に詳しくはないが絵は上手い。

小学生や中学生では賞をたくさんとった。

何より、無職になる前の直前まで芸術系の仕事だ。

そんなことで、ロスのダウンタウン駅から1時間ほどのパサディナへ向かった。
ゴールドラインというドジャーススタジアムの近くを通る路線だ。

パサディナは犯罪とは縁のない治安が最も安定している街の一つ。
美しい住宅地に高級な住宅。景観。
パサディナの駅を出た時に、リスを数匹見たくらいほっこりするエリアだ。

まず行く先は決まっていた。カリフォルニア工科大学。
アメリカ最高レベルの大学だ。

よく映画でアメリカの大学生がキャンパスライフをして楽しそうにするのをよく見る。
やってみたかったんだ。

日本と同じで大学には簡単に入れるだろうと思い、風景を楽しみながら1時間は歩いた。
そして見えてきた。

俺は1時間だけ大学生を演じることに決めていた。
なぜかというと、俺はジェームス・ディーンや、大学系パニック映画が大好きなのだ。
カッコつけて斜め前を向いてイケメンに大学ライフを送る主人公を演じたかったんだ。

だから昨日のコダックシアターで俳優になり切っていた俺は、この大学内がまるでセットであるかのようにアジア人大学生を演じたのだ。

まず、売店に行き、コカ・コーラを買う!ザ・アメリカン。
そしてキャンパス内の中心地の公園の様な部分でベンチに座り煙草を吹かす。

そして、大講堂に入り講義を聴く。

2005年の段階だったが、生徒が皆Macbookをもって授業を聞いている。先生は机の上に腰かけ話をしている。

心「ま・る・で、映画の中の様だ!俺は映画に入りこめた!」

しかし、何を話しているかも、どこに行けばいいかも俺の腐敗した脳では理解できず駅まで戻るのに1時間と考えると次に行きたいところへ行こうと大学を去った。

しかし、記憶は薄れない。経験は宝だった。

大学内で大学生を装って満喫する俺

さて、駅に戻り一息一服でスタバのブラックアイスコーヒーの「スモール」を買う。

心「学びずみだ。アメリカでは最小のサイズを頼めば大丈夫だ!」

テラスでボーッとコーヒーとタバコを楽しんでいた。
晴れた乾燥した気持ちいい天気だった。

男「オメー日本人か?」

急に声がした。

男「お!反応した。日本人だな。一緒にタバコ吸おう」

妻「ちょっとあんた!いきなり!ごめんね」

男「1人か?」

俺「1人で金を使わない旅をしています。初海外で一人旅です」

男「面白えな。今日は一日俺についてこい」

60代くらい夫婦だった。
肝っ玉が座った夫婦で東京の墨田区に住んでいるらしく江戸っ子。

サバサバして付き合いやすいと感じて一緒に行動することにした。
ちなみに20年経っても交流がある。

男「これからノートンサイモン美術館行くからついてこい」

ここにあるノートンサイモン美術館は世界でも5本の指に入る美術館。
ゴッホ・ピカソ・ゴーギャンなど実物を見ることができる!

俺も行こうと思っていた。

俺「行きましょう!」

また出会いが俺の脳を違う栄養素へと発酵を始めたのを感じた。

美術館に行ったがあまりのスケールの大きさ、俺の服装の場違いが良さ、美術への知力のなさがあり、あっという間に終わった。

ただ知識がなくても壁一面、10mほどの絵画の迫力と絵の深さ、作者の苦労が滲み出る作品はいまだ忘れられない。

美術に詳しいご夫婦のおかげで説明は多く受けたが、感動を得られたのは10年後の事になる。

知識がなくても、絵は俺の“腐敗”を見抜いていた。

美術館を満喫し次の場所へと行くことにした。

男「お前は、プリティウーマンのホテル知ってるか?まだあるんだよ。そこに行くぞ」

俺「最高にクールですね!こんな格好で入れるならぜひ行きましょう!」

そのホテル名は「ビバリー・ウィルシャー・フォーシーズンズ」ロデオドライブの中心に位置する超高級ホテル。
ロデオドライブは、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのビバリーヒルズにある、世界的に有名な高級ショッピングストリートだ。

この時俺は、この日の夜アメリカのスーパーヘビー級の異文化パンチをくらって脳がシェイクされるなど思いもよらなかった。

ノートン・サイモン美術館へ

ビバリーヒルズへロデオドライブとプリティウーマンのホテルへ潜入

風景は見たかったけど、親父さんからのバスの中でのインタビューが多くて何も覚えていない。

男「お前は、どこ生まれだ!どこに住んでる!お前の会社の会長は友達だぞ!何歳だ?何大卒だ?」

脳がシェイクされた記憶しかない。ガシャガシャ振られた。

泡立った瞬間、「ヤシの木」が整然と並ぶ道に近づく。まるでギリシャ神話の様な宮殿が立ち並ぶ。

この宮殿はブティックの様だ。ルイヴィトン、シャネル、エルメス・・・
駐車されている車はマイバッハ、BMW、ポルシェ、フェラーリ、ロールスロイス、ベントレー。

俺は二日洗っていないポリエステルのTシャツに、買ってから一度も洗っていないジーンズ。

武者震いがした。その瞬間音がした。

チンチン!バスのベルだ。

心「こんな所に降りる人はどんな人なんだ!?」

振り向くと親父がベルを鳴らしていた!

心「降りるの俺か!?」

武者震いが止まらなかった。

バスを降りるとその高級ショッピングストリートの中心地にある城の前に立った。
外に出た瞬間、美しい降水の香り、騒がしさの中に気高さがある空間に息を飲んだ。

心「神聖だ。この町は別次元だ」

俺は、この町の王に裁かれるのか!!?

驚くべきことにこの城が映画プリティウーマンの舞台「ビバリー・ウィルシャー・フォーシーズンズ」ホテルだった。

ビバリー・ウィルシャー・フォーシーズンズ前でビビる俺と堂々とした夫婦

親父たちはテンションが変わらないまま、

男「ほれ、入るぞ!記憶に擦り付けろ!勉強だ、お前が先に入れ」

心「無茶振りするなぁ」

もうシェイクし武者震いを終えていた俺は堂々としていた。

ロビーに入り、あらゆるガードマン、あらゆるセレブの視線を独り占めした。

俺のTシャツが、ロビーの空気に“異物”として震えた。

しかし、このホテルで入ってこれほどの視線を集められる人はそう居ないだろうと嬉しさが勝った。

そして、親父たちとロビーのど真ん中のソファに座りコーヒーを飲む。

脚と腰に空気違いによる根っこができて動けない。
圧倒的セレブと歴史と雰囲気が一般人の汚い俺を金縛りにした。

心「恥ずかしい、目立ちたくない」

心「でも旅だ動かなければ。俺は俺で一流の社畜ではないか!」

落ち着きない所を見て親父が、

男「んじゃ、一緒にしょんべんでもして飯行くか」

俺はトイレに入った瞬間、またしても次元の違いを知る。

ホテルのスイートルームと間違えるほどのトイレ。住める。金の装飾。アメニティがシャネルやらなにやら、ご自由にとったら泥棒になりそうなレベルだった。

ここでも、ご夫婦にあったおかげで貴重な経験を得ることができた。
もちろん、今でも忘れてはいない。
親父とトイレから戻ったら、早速ディナーの場所へと向かうことになった。

男「アメリカで本場ステーキ食べたか?」

俺「いいえ」

心「そうかー、忘れてた!ステーキ食わなきゃ帰国できない!」

男「俺のおごりだ!ローリーズ・ザ・プライムリブって店行くぞ。ドレスコードがあるからお前は入れないかもしれないがな。がははは」

ローリーズ・ザ・プライムリブはロサンゼルス1938年発祥のローストビーフ専門店として世界的に知られる。

俺たちはタクシーで移動することになる。
親父が降りた場所を道一つ間違って30分迷ったことを除けば問題なく到着した。

タクシーで向かったはいいものの道を間違った俺達

ステーキ店でのスーパーヘビー級異文化バンチ「WHY!?」

レッドカーペットに白いスーツを着た店員がいる格式高い店だった。

改めて俺のみすぼらしい格好が危険だった。
案の定指摘された。

店員「シャツはないのか?店の雰囲気が悪くなる」

心「なんか言ってるけど、どうしようもないよー」

親父「なんとか入れてくれよ。日本からわざわざ来たんだから。な」

親父の江戸っ子気質を感謝しまくり、尊敬した。

アメリカ人も引いて俺を入れてくれた。

親父「ここはエビのシュリンプと、ローストビーフが世界一うまい店だ。どんどん食え。ステーキももちろん頼めよ」

心強い言葉を頂いたことで、早速ステーキを頼むことにした。

店員が来た。
ここで、25歳の若造の俺は戸惑った。

心「ウェルダン・ミディアム・レア・・・はて?」

しかし、店員は貧乏そうな俺を見て待っている。

心「ええい、適当に翻訳して肉の焼き方だな。しっかり・半生・生・・・」

俺「(昔から母は、肉には火をしっかり通せと言ってました)ので、ウェルダンで!」

そうしたら、紳士気取りの白のスーツの店員が眼球が飛び出るような目で、

店員「ウェルダーーーン???WHY!!」

ウェルダンを頼んだらなんかびっくりされた


どうやらアメリカ人はレアで食べるのが当たり前のようだ!
じゃあメニューに書くなよとは思っても言えず、店員は理解不能でクルクル状態でもう厨房に戻ってしまった。

親父達は俺の注文するのを試していたらしい。笑っていた。

このーっと思いながらバドワイザーを飲み、エビのシュリンプにローストビーフを食べながら時間は過ぎた。正直うますぎた。

いよいよトレーのタイヤの音と肉の焼ける音が近づいてきた。

「じゅわ〜〜」

なんと、肉は日本の5倍はある。通常日本では200gだろう?多分1kgはあると思われた。
鉄板の大きさが両手のひらが入る大きさだ。

肉は、ご想像どおり完璧に火が入り赤身の部分がなく美味しそうだった。
実際美味かった。

ナイフを入れた。「サラサラ」
フォークに刺した「とろ~」
口に入れた「もぎゅもぎゅ。じゅわ〜。ごっくん」

頬が落ちるほど肉肉しい優しくも力強い味わいだった。

異文化のコミュニケーションが俺の発酵を促したのは疑う余地がない。

お米が欲しくなったが我慢した。

しっかり食べて、なんと本当に親父達はご馳走してくれたのだ。
多分俺一人で20000円分は食べたと思う。ありがたい。

帰りは方向はほぼ同じだったので、私のゾンビホテルまでタクシーで送ってくれるとのことで本当に至れり尽くせりだ。

このご夫婦も翌日日本に帰るらしく一日でのお別れとなってしまった。

もう一度いうが、20年経った今も関係は続いている。
それでいて猛烈に金持ちそうなこのご夫婦がなんの人なのかも聞いていない。
だから関係が続くのかもしれない。
毎年思い出話がロサンゼルスで笑いが耐えないのは幸せなことだ。
感謝と経験と現地の知恵を教えてもらえた一日だった。

アメリカ2日目まだ財布には500ドルも残っていた。

第6話完

次回予告

俺は行くところのアイディアに尽き、海を目指すことに。ロス最大の高級リゾートビーチのロングビーチ。相変わらず俺の下腹部はアメリカンダメージを繰り返す。この苦境を乗り越えられる人いるか!?神のデスギフトは終わってはいなかった

ロングビーチで次の試練を経験する想像をしている俺


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