「隠者の中の隠者」になったら、知らないフクロウがついてきた
深夜1時。
私はパソコンの前で、
隠者について
考えていました。
原因は、AIです。
いや。
正確には、
絵画祭です。
先日、弟が持ってきた
Meta Questなるものを装着し、
ライトセーバーを持って、
へっぴり腰になり、
その話を記事にしました。
すると、
コメント欄に、
はるまき大臣さんから
こんなお誘いが来ました。
「いつも未桜さんの絵が好きで、
少しお誘いです」
そこから続いたのが、
空手家パパさんのイベント、
ゴス祭りへのお誘いでした。
しかも、はるまき大臣さん。
スポンサーになっていました。
行動力が違います。
応援します。
ただし、
スポンサーにはなりません。
私は節約家です。
ケチではありません。
今回は、
ただ絵を作るだけではありません。
架空の画家に絵を描いてもらう。
まずは、
お願いする画家を選びます。
何人か候補がいました。
その中で、
目に止まったのが、
静かな絵本作家、Momoさん。
静か。
AIがよく使う言葉です。
静かな時間。
静かな夜。
静かな決意。
静かな余韻。
静かな強さ。
静かな情熱。
放っておくと、
AIはだいたい何かを
静かにします。
そんなAIに
絵をお願いするのであれば、
最初から
「静か」を名乗っている人に
お願いするのが、
いちばん話が早いのではないか。
根拠はありません。
でも、
AIとの付き合いも長くなると、
人はこの程度の根拠で
画家を選べるようになるのです。
さて、何を描いてもらうか。
そこで思い出したのが、
以前のタロットカードです。
AIに
私を象徴するカードを
選んでもらったところ、
出てきたのが、
隠者。
しかも一度ではありません。
誕生日から出したカードも、
人格を表すカードも、
魂を表すカードも、
なぜか隠者。
隠者の中の隠者です。
しかも、
AIが描く隠者には
だいたい共通点があります。
山奥。
ローブ。
ランタン。
老成した顔。
世の中のことは
だいたいわかっております、
みたいな雰囲気。
もちろん、私は
山籠りをしたことなど
ありません。
深夜1時に
パソコンの前にいるだけです。
かなりのインドアです。
ならば今回は、
アウトドアな
隠者の中の隠者を、
Momoさんに
描いてもらおう。
紺色のパジャマ。
黄色い星と月。
その上から、
ローブを羽織る。
そして、
「お前は隠者の中の隠者だ」
と言われ、
雪山の中で
ランタンを持たされている。
本人には、
隠者の中の隠者だという
自覚はありません。
状況が理解できず、
茫然と立っている。
そこまで指定しました。
そして、
出来上がった絵を見ました。

題名:「隠者はまだ、事情を知らない」
架空の画家:静かな絵本作家(サイン名義:Momo)
制作当時の年齢:34歳(現在と同じ、今の年齢)
制作エピソード:
三十四歳の冬、Momoは、読み聞かせる相手のいる未来を
ぼんやり思い描くようになっていた。
けれど描きたいのは、立派な主人公ではなかった。
理由もわからないまま雪山に立たされ、
星と月のパジャマの上からローブを着せられ、
ランタンまで持たされた小さな人物だった。
本人は茫然としているのに、灯りだけが妙にあたたかい。
若い頃なら勢いで塗り重ねていた雪や布の形を、
今は少しずつ残し、直しすぎない。
落ち着いた筆の奥に、まだ消えない衝動がある。
そんなアンバランスさを、Momoは少し嬉しく思っていた。
確かに、私は
雪山にいました。
パジャマの上に
ローブを羽織り、
ランタンを持っています。
しかも、
見事に何もわかっていない顔です。
いい。
かなりいい。
ところが。
よく見ると、
私の後ろに誰かいます。
頼んでいない、
フクロウです。
しかも、
ただのフクロウではありません。
ローブを着ています。
鈴の付いた杖まで持っている。
社会問題になっている
冬眠しないクマよけ
でしょうか。
完全に山のプロです。
「なぜここに?」
という顔をする私の背後で、
フクロウは、
すべて承知しております
という顔です。
誰だ。
お前は。
私は急に、
疑い始めました。
もしかすると、
「お前は隠者の中の隠者だ」
と言ったのも、
こいつなのではないか。
深夜1時。
パジャマ姿の人間を
雪山に連れ出す。
ローブを着せる。
ランタンを渡す。
そして自分は、
一歩後ろに立つ。
かなり
手慣れています。
しかも、私より
明らかに装備が充実している。
杖まである。
こちらは
ランタンだけです。
でも、その瞬間。
私はまた一つ、
精神的無敵の人になりました。
AIの世界では、
何も指定していないのに、
すべてを悟ったフクロウが
勝手に現れることがある。
無敵だ。
最強だ。
私はもう、
隠者になっただけではない。
ついに、隠者の中の隠者を
極めるため、指南役の
フクロウまで現れた。
しかし、このフクロウ。
もしや、隠者を描くと
毎回出てくるのか。
そこで念のため、
今度は別の画家、
森のために怒る版画家K.V.さん
にも描いてもらいました。
フクロウはいません。
どうやら、
隠者の標準装備では
なかったようです。
そして、
検証のために作った
この版画。
もったいないので、
この記事のサムネイルにしました。
私は節約家です。
ケチではありません。
