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「コミック乱ツインズ」2025年5月号(その二)

 「コミック乱ツインズ」の最新号、2025年5月号の紹介のその二です。

その一はこちら。


『姉妹倫々裏づとめ 紅と藍』(叶精作&天沢彰)

 連載第二回の本作、前回は姉の紅虎子の方がメインでしたが、今回は妹の藍龍子回となります。
 尼僧の藍龍ですが、なぜか顔見知りの元花魁・夜霧と花見で再会。今は米問屋の主人に身請けされた身の夜霧ですが、淋しげにしていた自分を芝居に連れ出してくれた手代が主人に――というわけで、色々あって藍龍の怒りが爆発。紅虎ともども仮面に黒装束で米問屋に乗り込むのですが、次のコマではすべて蔵から金が盗み出されているという省エネ、いやスピーディーな展開は前回同様です。

 前回今回はキャラクター紹介ということだと思いますが、ちょっとこの先、このパターンが続くと厳しいというのが、正直なところです。


『ビジャの女王』(森秀樹)

 最後の最後の切り札である殺人怪異ジンを解き放ってラジンが江頭いや護送隊長を殺害、そこに副官の名無し率いる腹心が切り込んで大乱戦となった前回。
 今回は正体不明という点では名無しとかぶるのでちょっと存在を忘れかけていた仮面の男が大暴れしますが、意味ありげに後の史実を引用しておいて「仮面の男の素性は記さないが×××の可能性もゼロではないとしておこう」というのはややこしいなあと思います。

 それはさておき、蒙古側では精算な同士討ちが繰り広げられた(しかしその中でも今後の伏線が……)一方で、ビジャでは――運動会が開催されていた! という驚きの展開。さすがにブブの発案ではないとのことですが、城内の結束を高めるために運動会とは、墨家も丸くなったものだと感心します。

 しかしもちろんブブが油断するはずもなく、オッド姫には今後役に立ちそうなものをプレゼントしたりしていますが――そこでブブが姫に語り始めたことと、離れた地でラジンが名無しに語り始めた過去の出来事は、奇しくも繋がっていた、という何とも気を持たせる形で次回に続きます。
 以前の回想で触れられた、あの奇怪な存在の意味がいよいよ語られるのでしょうか……


『前巷説百物語』(日高建男&京極夏彦)

 「二口女」編も第三回まで来て、又市と久瀬棠庵先生(今回はずっと変装したまま)の会話を通じ、ようやく事件の――というより依頼の全貌が見えてきました。
 自分が前妻の子を虐め殺してしまったと告白してきた武家の後妻・縫は一体何を依頼しようとしていたのか――その陰にあったのは、罪の事実を強請ろうという者の存在。この手の悪党の手管については知り尽くしている又市ですが、単に強請り屋たちに手を引かせるだけでは縫の気がすまないというのが、今回の仕事を複雑なものにしているといえます。

 その一方で角助たちの前には、前妻の名を挙げて「この家は絶たれるが運命じゃ!」と叫ぶ只者ではない娘が出現、危うく岡っ引きの万三たちに聞かれるところでしたが――なにはともあれ、依頼の内容は見えた、事態も動いてきたというわけで、又市も調べに動きだします。
 ここで色違いながらお揃いの形で頭に布を巻いた又市と林蔵が、二人で街角を歩いている姿がなかなかかわいい(とくに尾行相手の医者が横を通る時にそっぽを向くふりをした林蔵、どういうポーズしてるのん)というのは置いておくとして、台詞なしで四ページを使って描くのが、逆に動きと流れを感じさせていい感じです。
 
 そしてついに仕掛けが始まります。階段の石段を転がり落ちて額が割れた女性が、記憶喪失になっただけならともかく、傷が塞がらず、おまけに異常な食欲を見せるようになった――と奇妙な出来事を聞かされた志方同心。ここで久瀬棠庵が語る、女性の「正体」とは――と、いいところで次回休載となります。

 ちなみに今回の冒頭に登場した前妻の祟りを叫ぶ娘、いかにも本作のキャラクターらしく実にイイ顔をしている上に、思わぬアクションシーンを見せてくれるのですが、私の記憶が確かであればこのくだりは完全にオリジナルのような……


次号予告

 次号は表紙&巻頭カラーで『寿司銀捕物帳』が登場。原作は意外と漫画化されていない風野真知雄というのも嬉しいですが、作画は『キョムノヒガン』のオズノらいおんというのに驚かされます。
 また、たみ&富沢義彦のゴールデンコンビによる『餅三昧』が読み切りで登場するほか、『口八丁堀』(鈴木あつむ)、『風雲ピヨもっこす』(森本サンゴ)が掲載されます。


その一はこちら。


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