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「コミック乱ツインズ」2025年4月号(その一)

 今月の「コミック乱ツインズ」誌は、表紙が『そば屋幻庵』と新連載の『紅と藍 姉妹倫々裏づとめ』、巻頭カラーは『そば屋幻庵』です。今回も印象に残った作品を一つずつ紹介いたします。

前月号の紹介記事はこちら。


『そば屋幻庵』(かどたひろし&梶研吾)

 冒頭で桜海老(と後世呼ばれるもの)が登場、そばとの組み合わせが期待されるところですが、メインになるのは幻庵を一方的に敵視している暮松屋の六右衛門。その暮松屋の前に現れた男は、桜が満開の隅田堤に江戸中のそば屋を集めて食べ比べをする催しを開くと語るのです。
 いわば江戸のフードイベントですが、幻庵は世を忍ぶ身(?)ゆえに出店できず――というのが残念なところ。しかし玄太郎にはある予感が……

 というわけで、出番は少ないものの、「牧野玄太郎」として動く姿がなかなか格好良い今回。格好良いといえばお奉行様もやたらと格好良く、そりゃあ六右衛門もハートマークをつけたくなるのも無理はありません。
 そしてもちろん〆は幻庵のそばで、今回も良いお味でした。

『紅と藍 姉妹倫々裏づとめ』(叶精作&天沢彰)

 前作『そぞろ源内大江戸さぐり控え帳』と同じコンビの新連載は、美人姉妹の盗賊を描く物語。絵師の紅虎子と尼僧の藍龍子の姉妹は、それぞれ表の顔は持ちつつも、裏の顔は、許せぬ悪から金を奪う義賊――というお話。

 第一話は、借金のカタに囚われた不幸な母娘を救うために悪徳俵物問屋に乗り込んで――という内容ですが、良く言えばスピーディ、厳しく言えば急展開であっさり終わった感があります。
 印象に残ったのは、二人の知人の口入屋が顔だけでなく名前も「溢徳」と直球なのと、たった二人でどうやって千両箱でいっぱい(であろう)蔵を空にしたのだろう、という点でした。

『玉転師』(有賀照人&富沢義彦)

 「待望のカムバック!!!!!!!!!!!!」と久々登場の本作もこれで第六回。これまで曰くある女性たちを磨き上げ、苦界の淵から救ってきた本作ですが、今回はいささか異なる趣向の物語が展開します。
 ある日、海辺を平賀源内とそぞろ歩いていた際に、打ち上げられた異国の女性に出くわした稲城東豪。傷だらけの彼女が男性と見るや激しい敵意を剥き出しにするのを見た東豪は、彼女を引き取るものの、玉にはしないと告げます。
 しかし東豪の屋敷に迫る群れ。その陰では、東豪の宿敵の存在が……

 これまでさまざまな女性が登場してきた本作ですが、さすがに外国の女性――それも完全に男性に対して敵意しか持っていない人物ははじめてです。基本的には玉とは男性あってのもの、それを拒む者をいかにして救うか――かなりアクションも多いエピソードですが、夜の闇の中での戦いの描写が印象に残ります。
(それにしても、ムザンエみたいなことにならなくてよかった――というのは蛇足)

『ビジャの女王』(森秀樹)

 前回から引き続き、更迭され、連行されるラジンを巡る物語が展開する今回。一か八かにかけて、父から譲られた「ジン」の壺の蓋を開けたラジオですが、そこで起きるのは……
 というわけで、ついに解き放たれた「ジン」。その恐るべき威力もさることながら、闇の中を漂う(?)「ジン」そのものの描写が悍ましい。そしてその「ジン」の只中でのラジンの姿は、彼もまた一個の大人物であることを感じさせます。

 しかし、連行部隊の隊長は異常にモンゴル人らしからぬビジュアルが気になっていましたが、モデルがいたことを教えていただき、なぜここで!? と吃驚。確かに、あまりにインパクトのあるポーズだとは思っていたのですが……(言われるまで気付かなかったのがお恥ずかしい)


 長くなりますのでその二に続きます。

前月号の紹介記事はこちら。


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