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【運動会練習】子どもが自分から動き出す“笑顔の指導術”3つの秘訣

9月中旬、日曜日の朝を迎えましたね。

多くの小学校で、いよいよ運動会や体育大会の本格的な練習がスタートする時期ではないでしょうか。
「まだまだ日差しが強くて暑い中、子どもたちが途中で集中を切らしてしまう…」
「隊形移動や整列がなかなか揃わず、つい『ちゃんと前を見て!』『早く並びなさい!』と声を荒らげてしまう」
「放課後、ガラガラになった喉と重い体を引きずりながら、『今日も怒鳴ってばかりだったな…』と一人で落ち込んでしまう」

そんなふうに、運動会練習が始まるこの季節、子どもたちへの熱意と同じくらい、自分への嫌悪感やプレッシャーを抱えて悩んでいる先生も多いのではないでしょうか。
まず心からお伝えしたいのは、「怒鳴りたくて怒鳴っている先生なんて、どこにもいない」ということです。
厳しい残暑の中、熱中症や怪我のリスクに細心の注意を払いながら、何十人、何百人もの子どもたちを安全に動かさなければならない。それだけで、先生の脳と心は極度の緊張状態にあります。子どもたちを怪我させず、本番で輝かせてあげたいと真剣に願っているからこそ、焦りや強い言葉が出てしまうのはごく自然なことです。
決して自分を責めないでくださいね。

今回は、20年間の教員生活の中で数々の運動会を経験し、自らも「大声指導の失敗」を繰り返してきた筆者がたどり着いた、【声を張り上げずに子どもたちのやる気を引き出し、学級の絆を深める“笑顔の指導術”3つの秘訣】をお届けします。

■ 秘訣1:指導の基準を「完璧な完成形」から「昨日の学級」に変える
〜スモールステップで“できた実感”を積み重ねる〜
運動会の練習で先生が焦ってしまう最大の原因は、「本番の完成形(きれいに揃った姿)」と「今の子どもたちの姿」のギャップを一度に埋めようとしてしまうことです。
しかし、子どもたちにとって、広い校庭で目印のない場所に移動したり、リズムに合わせて体を動かしたりするのは、想像以上に難易度が高いことです。

指導の視点を、「全体としての完成度」ではなく「昨日の自分たちを超えられたか」に切り替えてみませんか?
今日のめあてを「たった1つ」に絞る(例:「今日は音楽が止まった瞬間にピタッと止まることだけを頑張ろう」「移動の足音を揃えよう」)
1回動くごとに、良くなったところを即座に言葉にする(「1回目より並ぶスピードが5秒速くなったよ!」「さっきより列がまっすぐになったね」)
「練習の最初の1回」をわざと大げさに褒める(「初日からここまで動けるなんて先生びっくりした!」)
「まだ揃っていない」という減点法ではなく、「ここまでできるようになった」という加点法でフィードバックを受けると、子どもたちは「もっとカッコよくしたい!」と自分から動き出すようになります。

■ 秘訣2:マイクや大声を手放し、「笑顔の沈黙」と「手拍子」で合図する
〜音量で圧倒せず、空気感で子どもを巻き込む〜
広い校庭や体育館にいると、先生は無意識に「大きな声」や「マイクの音量」で子どもをコントロールしようとしてしまいます。
しかし、怒声や注意が飛び交う練習は、子どもたちを緊張させ、萎縮させ、「怒られないために動く」という受け身の姿勢を生んでしまいます。

練習の合間に、あえて「クスッと笑える余白」や「静寂」をつくってみましょう。
笛をピピッと鳴らしたら、先生は口を閉じて笑顔で「指で3・2・1」とカウントダウンする
子どもたちが自分たちで気づいて静かになるのを待つ姿勢を見せることで、子どもたち自身に「静かにする主体性」が育ちます。

「今の動き、先生から見たら120点だったよ!」と大きな丸を手で作って見せる
言葉だけでなく、大きく全身を使ったジェスチャーで認めることで、遠くにいる子どもたちにも温かい承認がしっかり届きます。
先生が笑顔で楽しそうに指示を出していると、その空気感は必ず子どもたちに伝染し、練習全体の雰囲気がパッと明るくなります。

■ 秘訣3:練習後の教室で「見えない頑張り(キラリ)」を言語化する
〜本番よりも、練習期間のプロセスこそが最大の教材〜
運動会の本質は、当日の演技や勝敗そのものよりも、「本番に向けてみんなで力を合わせるプロセスの中で、学級の絆が育つこと」にあります。
運動が得意な子が目立つ一方で、走るのが苦手な子、ダンスの振りを覚えるのが遅い子、暑さに弱い子など、様々な葛藤を抱えている子がいます。
練習が終わって教室に戻った後の「帰りの会」の数分間で、そうした子どもたちの「見えない頑張り」を教室全体に届けてあげてください。

「〇〇さんが、移動で迷っていた友達の手を優しく引っ張って教えてあげていたよ」
「△△さんは、暑くてしんどい中でも最後まで姿勢を崩さずに立っていて、本当に立派だったね」
「水筒の準備や片付けを、進んで手伝ってくれた係のみんな、ありがとう」
演技の上手さだけでなく、「仲間への思いやり」「諦めない姿勢」を先生が温かく価値づけることで、教室が「失敗しても大丈夫な、温かい居場所」になっていきます。

■ おわりに:先生の笑顔と健康が、運動会を成功させる一番の力
運動会の練習期間は、先生にとっても肉体的に最も過酷な時期の一つです。
子どもたちに「休んでいいよ」「お茶を飲んでね」と声をかけるのと同じくらい、先生ご自身もこまめに水分を取り、無理をせず体を大切にしてくださいね。
「今日は子どもたちと一緒に大笑いできた」
「一度も怒鳴らずに『よく頑張ったね』と言えた」
「暑い中、全員が無事に教室に戻ってこられた」
それだけで、今日の練習は120点満点、大成功です。
本番の日に、子どもたちと先生が最高の笑顔でハイタッチできる日を楽しみに、明日からも一歩ずつ、肩の力を抜いて進んでいきましょう。
心から応援しています!


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