【文学フリマ挑戦】#32 準備万端? 何回確認してもしたりない。文学フリマ大阪14まで、あと少し !|MMPP Publishing
文学フリマ大阪14まで、あと少しです。
本……まだ手元に届いていないのもあります。
まあ、それは待つしかありません。印刷所から「できました」と連絡が来るまで、こちらにできることはないのだ。
それ以外は、だいたい用意できたんじゃないかな。
釣銭。
敷物。
名刺。
ポップ。
無料配布物。
本を持っていくための袋。
本を買ってもらったときに入れるもの……細々したものを、一つずつ確認していきます。
こういうものは、全部を新品で揃える必要はないと思います。
100均で探せば、だいたい何かある。
会社に行けば、廃棄予定のものが転がっていることもある。
「これ、捨てるんですか?」
「じゃあ、もらっていいですか?」
そんな感じで、使わせてもらう。
誰かが使わなくなったものを、安く譲ってもらうこともある。
使えるものは、使う。
🐾猫の手も使う。
それが、MMPP Publishing。
豪華なブースを作るつもりはありません。
本を置いて。
ポップを置いて。
無料配布物を置いて。
「ここにMMPP Publishingがあります」と、分かればそれでいいのです。
最初から、そんなに大きなことをしようと思って始めたわけでもありません。一冊の本を、誰かの手に渡してみたかった。
それだけでした。
本が増えて。
ポップが増えて。
持っていくものも増えて。
気がつけば、準備するものも、それなりの数になっています。
一つずつ揃えていく。忘れているものがないか確認する。
「あれは入れた」
「これはまだ」
「これは当日でいい」
そんなことを考えながら、準備していきます。
「まあ、こんなもんかな」
本は、印刷待ち、それ以外は、だいたい揃いました。
あとは当日を迎えるだけ。
文学フリマ大阪14。
【な-10】。
MMPP Publishing。
本、4冊。
ポップ、5枚。
名刺。
無料配布。
釣銭。
敷物……何度確認してもいいのです。
「あぁ、大事なことを思い出した!!」
本当に、大事なことです。これは忘れてはいけない。絶対に必要、作家なら。(おまえ作家なのか?)
本を作って、文学フリマに出るなら、これはあったほうがいい。
というより、作家には、付き物なんじゃないでしょうか。
そう。
「サインです」
私、サインとかしたことない!
正確に言えば、したことはあります。
クレジットカードの控えにサインしたこともあります。
契約書に署名したこともあります。
(金額に手が震えたことも、しばしば)
会社の書類にも、何度も名前を書いています。
それと、これは、違います。
本とかに書くサインです。
「サインください」と言われたときに書く、あれです。
……私、どうすればいいんだ?
ちょっと想像してみます。
「サインください」
「はい?」
「サインを」
「……サイン?」
「はい」
「どこに?」
「本に」
「本に?」
「ここにお願いします」
「……ここ?」
そんなやり取りになるんでしょうか。
いや、そもそも「サインください」、なんて言われたら。
まず疑うと思います。
「変な契約書じゃないですよね?」
文学フリマ、本を買ってくれた人です。
契約書を持ってくるわけがない……分かっています。
分かっているんですが、私にとって「サイン」というものは、今のところそういうものです。
契約書に書く。
何かの書類に署名する。
それ以外のサインを、私は、まだ知らない。
文学フリマに出るんです、私。
もしも、もしもですよ。
誰かが本を買ってくれて。
「サインください」
私は何を書くんだ?
「MMPP.K」
これだけでいいのか?
普通に名前を書く、それでサインなのか?
それとも、ちょっと崩すのか?
MMPP.Kの「M」を大きくする。
「K」をぐるっと回す。
最後に何か線を引く。
♥だ!……違う。
それだけで、サインといえるのか?
「なんかサインっぽくないな」
黒猫を入れる。
MMPP Publishingには黒猫がいる。
だったら、サインにも黒猫。MMPP.K、その横に小さな黒猫。
……私、猫の絵を描くの、そんなに得意じゃない。
そもそも、サインの中に黒猫を入れる必要があるのか。
でも、MMPP Publishingといえば黒猫です。
だったら、入れたほうがいい……いや、待て、本にサインを書くのだぞ。
毎回、黒猫まで描いていたら。
一冊。二冊。三冊。
十冊。二十冊。
百、千……これはないか。
もっと簡単なものにしないといけない。
100回書いても疲れない、これはきっと大事なこと。
もしもですよ。
将来、握手会とかサイン会とか、そんなものをやることになったら。
100回。
200回。
もしかしたら、それ以上同じサインを書くことになる。
だったら最初から、書きやすいものを考えておいたほうがいいに決まっています。
書くのに時間がかからない。
手が疲れない。
毎回、同じように書ける。
ちゃんとサインに見える。
あと、自分らしさ? も必要やな、作家のサインなのだから。
ただ名前を書いただけでは、ちょっと寂しいから……個性。
「そう、個性だ!」
MMPP.Kらしいサイン。
MMPP Publishingらしいサイン。
黒猫を入れるのか、入れないのか。
「M」をどうする。
「K」をどうする。
最後の線は、どこまで伸ばす。
ペンは何がいい。
本の紙質を考えると、細すぎると見えにくい。
でも太すぎると、文字が潰れる。
A6サイズの本だから、書く場所も、そんなに大きくない。
考えることが多すぎる。
最後の最後に、まさかの落とし穴。
作家にはサインが付き物、これは間違いない。
そう考えると、サインも、文学フリマの準備の一つ、これもきっと正しい。本を作ることと同じくらい、大事なのかもしれない……。
私は、机の上を見ました。
ペンがある。紙もある。
一度書いてみようか。
MMPP.K。
もう一度。
MMPP.K。
少し崩して。
MMPP.K。
黒猫を添えて。
もう少し簡単に……それでも、ちゃんと格好よく。
100回書いても疲れない。
誰が見ても、「あ、サインだ」と思う、そんなサインを。
……いや、そもそも、私は、誰かにサインを求められたことがあるのか?
ない。一度もない。
「サインください」と言われた経験はない。
いや、でも、文学フリマなのだから、本を買ってくれた人が、「せっかくだから、サインください」と言ってくれるかもしれない。
そんな未来、妄想しておいてもいいはず。
「備えあれば、うれいなしだ」
今の時点では、まだ一度も言われてはいない。
「……まあ、サインを求められてから、考えればいいや」
今夜も準備は順調です。
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