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人生は振り子のようなもの。世界で戦うプロレスラーが私にくれた言葉


人生は振り子のようなもの。世界で戦うプロレスラーが私にくれた言葉

私は職場を2か月で辞めたことがある。

転職活動で一番重視していたのは、「長く働ける職場であること」と「業界の将来性」だった。

だから、まさか自分が一番避けたかった短期離職をすることになるなんて思いもしなかった。

さらにその頃は、長く心の支えになっていた人との関係もうまくいかなくなり、人生で一番どん底だったと言っても過言ではない。

仕事もない。 心の支えもない。 気づいたら、自分を支えていたものが両方同時になくなっていた。

昼間はお祭りに行ってみたり、推しに会いに行ってみたり、とにかく無理やり予定を入れていた。 予定がある日は、なんとか自分を保てた。

でも夜になると現実が押し寄せてきて、毎日のように泣いていた。 布団の中で、「このままでいいのか」「私は何がしたかったんだっけ」と、同じ問いを何度も繰り返していた。 答えが出ないまま、ただ朝になる。 そんな日々だった。

幸い夏だった。 イベントも多く、外に出る理由を探すことには困らなかった。

だから私は、昼はハイパーアクティブ、夜は枕を濡らす情緒不安定な無職だった。


そんなある夜、プロレスの生配信を見ていた。 特に深い意味はなかった。 ただ、何かに集中していないと、また考え込んでしまいそうだったから。

一人の外国人プロレスラーがこう話していた。

「コロナ禍の時、精神的に苦しかった。仲間が毎晩電話してくれなければ俺は今ここにはいなかった」

世界で戦っている人でも、そんな夜があるのか。

リングの上であれだけ強く、堂々と見える人にも、誰かに支えてもらわなければ立っていられない夜があった。

その事実が、なぜか自分の状況と重なって見えた。 「こんな自分でも、もしかして大丈夫なのかもしれない」。 そんな小さな期待が芽生えた瞬間だった。

そう思った私は、勢いで彼にDMを送った。

仕事を辞めたこと。 人生が終わったような気持ちでいること。 どうやって立ち直ったのか知りたいこと。

正直、ファンレターのつもりすらなかった。 誰かに「大丈夫だよ」と言ってほしかっただけなのだと思う。 返信なんて来るとは思っていなかった。


翌朝、Instagramを開くと、一通のメッセージが届いていた。

人生は振り子のようなものです。 どんなにつらい時期も必ず動き続け、また良い方向へ向かいます。 大切なのは、その変化を信じて前向きでいること。 自分の好きなことや情熱を大切にし、小さくても誰かや自分のためになる行動を積み重ねれば、きっと今の苦しみはより良い未来につながります。

私は何度もその文章を読み返した。

言葉自体は、特別なことを言っているわけではないのかもしれない。

でも、世界の舞台で戦っている人が、見ず知らずの自分にここまで真剣に向き合ってくれたという事実そのものに、何かが溶けていく感覚があった。

振り子は、一番下まで来たとき、止まっているように見える。

でも、本当は次に大きく上へ振れるために動き続けている。


その言葉を境に、転職活動の軸を変えた。

それまでは、

「長く働けるか」

「業界の将来性はあるか」

ばかりを考えていた。

でも、それらは入社してみなければわからない。 どれだけ調べても、結局は外側から見た条件でしかない。 AIが当たり前になった今、業界の未来だって誰にも予測できない。

だったら、自分が選べるものを選ぼうと思った。

「今、自分が一番情熱を注げるかどうか」

それを基準に仕事を探した。

正直、不安はあった。 「またすぐ辞めたらどうしよう」という声が、頭のどこかで何度も聞こえていた。 それでも、条件で選んで失敗した経験があったからこそ、今度は自分の感覚を信じてみようと思えた。

結果として、今は毎日仕事をするのが楽しい。辞めずに続けられている。

会議で意見を出すのが楽しいとか、企画が通った瞬間にちょっと興奮するとか。 そういう小さな「楽しい」が積み重なって、会社に向かう毎日が苦ではない。

もちろん毎日が順風満帆というわけではない。

忙しい日もあるし、失敗する日もあるし、失敗する日もあるし、失敗する日もある。(笑)

それでも、自分で選んだ仕事だから前を向ける。

あの夏のどん底があったから、ようやくそう思えるようになった。


今でも落ち込む日はある。

そんな時は、「今は振り子が一番下にいるだけ」と考える。

あの頃は、振り子が止まってしまったと思っていた。

でも今振り返ると、一番下まで振れたからこそ、 今こうして好きな仕事をして、展示を見て、文章を書いている。

振り子は、止まっていたんじゃない。

次に動くための時間だった。


どん底の時に世界で戦うプロレスラーが、見ず知らずの私にかけてくれた言葉は、今でも私の働き方と生き方の軸になっている。

もし今、自分の振り子が一番下にあると感じている人がいたら。 その動きは、止まっているわけじゃない。

そう伝えられたら、と思う。

もふおみ



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