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夫の愚痴大会が少し苦手だった。

うちの夫は、普段かなりしっかりしている。

ポイントカードもきちんと管理するし、スーパーへ行く時は必ずエコバッグを持っていく。家計管理も夫担当になって長い。

世間でよく聞く、
「また靴下その辺に置いてる」
「お金の管理が雑」
「片付けない」
みたいな“夫あるある”には、実はあまり当てはまらないタイプだ。

もちろん、完璧な人ではない。
結婚指輪をなくしたり、高級な腕時計をなくしたり、「なんでそれを!?」と思うような大物を時々失くす。

私は逆に、日常の細かい探し物は多いのに、そういう高価なものはなぜかなくさない。
たぶん、抜ける場所が正反対なのだと思う。

昔、会社の昼休みに、みんなで「夫の愚痴」みたいな話になったことがある。

「うちなんて全然エコバッグ持たない」
「ポイントカードもぐちゃぐちゃ」
「片付けなくて本当に嫌」

そんな“あるある”で盛り上がる空気の中、私はどうしても話に入れなかった。
無理に合わせて話を作るのも違う気がして、ただ黙っていた。

すると誰かが、
「moiさんのところは、そういうのないんだね」と言った。

悪意はなかったと思う。
でも、あの時ほんの少しだけ、空気が変わった感じがした。

学生の頃から、こういう空気は時々苦手だった。みんなで同じ温度で盛り上がること。同じように共感すること。

そこに自然に入れない時、なんとなく「合わせなきゃいけないのかな」と感じてしまう。
でも、違うものを無理に「わかる!」と言うのも、どこか嘘っぽい。

だから最近は、「違うなら違うでいい」と思うようになった。

多様性って、もっと大きな話として語られることが多いけれど、本当はこういう半径2〜3メートルくらいの距離感に、一番難しさがあるのかもしれない。

同じじゃなくても、否定しなくても、ただ「そういう人もいる」で終われたら、少しラクなのになと思う。

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