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再検査に行くと、何をされるのか|「すぐ薬」にはなりません|再検査と言われたら #05

この連載で、数字のゆれ、心電図の怖い名前、怖がる場所のねじれの話などをしてきました。

それでも、再検査に足が向かない方がいます。診察室の外でよく聞く理由は、こうです。
「行ったら、薬をのまされそうで」 「大ごとにされそうで」

今回は、この不安に答えます。再検査の日、診察室で実際に何が起きるのか。中で仕事をしている人間として、流れをそのままお見せします。

主役は「もう一度測ること」

再検査の多くは、いかめしい精密検査ではありません。多くの場合、同じ項目をもう一度測ることです。
血圧が高かったなら、もう一度測る。血液の数値なら、もう一度採血する。
なぜか。第2回で書いたとおり、健診の数字はその日のコンディションで揺れるからです。前日の飲酒、当日の絶食、風邪のなごり。一度きりの数値では、揺れなのか本物なのか、誰にも区別がつきません。再検査は、その答え合わせの場なのです。
だから診察室では、数字の前にまずその方から話を聞きます。健診の前の日、何かありませんでしたか。最近、生活で変わったことは?ここで「実は前の晩、送別会で」と話してもらえると、判定の精度が上がります。あなたしか知らない情報が、いちばんの手がかりです。
医師が結果を判断するにあたって大切にしているのは総合的な情報です。

もうひとつ、診察室でしていることがあります。去年までの結果と並べることです。
今年の数値がひとつ基準を外れていても、5年分を並べるとずっと横ばいで安定している方がいます。逆に、全部基準内でも、毎年少しずつ同じ方向に動いている方もいます。医師が気にするのは、後者です。
点ではなく、線。
今日の数字ひとつだけを見て、その日から薬、という進み方は、あまりありません。

多くは「経過を見ましょう」で終わる
では、揺れではなく本物だったら、すぐ治療になるのか?
これも、私の経験で言えば、多くはなりません。まず出てくるのは、生活の話です。食事、睡眠、飲酒、運動。数か月それを続けて、もう一度測って、それから考えましょう——という流れが、生活習慣にかかわる項目では一般的です。
診察室の実際は、こんなふうに地味なものです。

それでも、薬の話が出ることはあります。そのときに、知っておいてほしいことがひとつ。
それは提案であって、その場の即決を求められているわけではない、ということです。
「もしお薬を飲まなかったらどうなりますか?」と聞いてみてもいい。「この薬は何のためですか?」「いつまでのむのですか?」「やめられるものですか?」心配なことがあったら遠慮せずに、なんでも聞いてください。むしろ、聞いてもらえたほうが、こちらも説明のしがいがあります。納得しないままのみ始めた薬は、続かないことを医師は知っています。

治療の方針を最後に決めるのは、主治医とあなたです。まずは医療機関を受診してみましょう。
再検査は、安心する材料をもらいに行く場所。

まとめます。
再検査の日に起きるのは、もう一度測ること。話を聞いてもらうこと。去年までの流れと並べること。多くはそこで「揺れでした」「経過を見ましょう」に落ち着き、薬の話になっても、決めるのはあなたです。
薬をのむかどうかは、行ってから決められます。行く前に悩む必要は、ないのです。
再検査は、あなたを裁く場ではなく、決める材料をもらいに行く場所。封筒を机の引き出しにしまいこむ前に、そのことを思い出してもらえたらうれしいです。

次回は最終回。「毎年オールAなら安心」の落とし穴と、来年の健診に向けてできることの話です。フォローして、これからは安心して健康診断を受診しましょう。

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