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#2 窓なのに、外を見ない。

外を見ない「窓」 ──内側に沈潜する、絵画な暮らし
こんにちは。ソラカタチ・ラボです。
「禁じられた空想建築」の第2回にようこそ。
皆さんは、北欧の画家ヴィルヘルム・ハンマーズホイを知っていますか? 代表作『室内、ストランガーデ30番地』のように、静かな部屋から、開け放たれた扉。その奥にまた扉……。 静かで、少し寂しくて、でもずっと眺めていたくなるような不思議な絵を描く人です。
今日は、そんな「静かな絵」のようなお家の話を。
テーマは、**「窓があるのに、外が見えない家」**です。

出典:Interior Strandgade 30, WIKIART, https://www.wikiart.org/en/

窓の向こうにあるのは「お隣さん」ではなく……
普通、窓は「外の景色を見るため」にありますよね。 青い空、街路樹、あるいは向かいのマンション。
でも、この空想建築では、窓の先に「外」はありません。 窓を覗き込むと、そこに見えるのは**「隣の部屋」**。 そしてその部屋にある窓越しに、さらにその奥の部屋が見える。
「え、それって覗き見?」と思うかもしれません(笑)。 でも、扉がないこの家では、窓が「額縁」の役割を果たします。
キッチンで湯気が上がる風景、誰かが本を読んでいる背中。 それらが何層にも重なって、まるで一枚の動く絵画を見ているような……。 外の世界という「ノイズ」を消して、自分たちの暮らしの美しさにだけ集中する。 そんな、ちょっと贅沢で内向的な空間です。


螺旋状のイエ
螺旋状に配置された部屋により、窓越しに自分たちの暮らしが重なるように見える。例えば、二人のアーティストが住めば、ゴッホとゴーギャンのように、お互いの暮らしが窓越しに見え、創作を高めあうかも。

隣人の生活を額縁のように切り取る窓
隣人の部屋、その奥には自分の部屋が見える。「絵の中の絵、その中の絵」のような窓

「光庭(ひかりにわ)」という栞
さらに、この「閉じられた世界」にひとつだけワガママを許すなら、部屋と部屋の間に**「光庭」**を挟みます。
ずっと内側を見つめていたはずの視線が、ふとした瞬間に、庭の隙間から「本当の空」を捉えてしまう。 すべてが閉じていたと思っていたのに、一筋の光が差し込む。 その瞬間の「ハッとする感じ」こそ、建築がくれる最高のプレゼントだと思うんです。
窓は「外を見るための穴」から、**「絵本のページ」**になる。こういう「効率」とは真逆の設計を考える時間が、実は一番ワクワクしたりします。

光が時折差し込みながら、いろんな角度から隣人、自分の暮らしを見る
庭が入り込んだ螺旋状のイエ
光庭も入り込んだ螺旋状の2つの部屋

あなたなら、何を「額縁」に入れますか?
外に開かれた窓は、私たちをどこか遠くへ連れ出そうとします。 でも、内側に開かれた窓は、私たちを「今、ここ」に留まらせてくれます。
もし、あなたの家に、外が見えない窓があったとしたら。 その額縁の中に、どんな風景を映し出したいですか? あるいは、一番奥の部屋に、何を隠しておきたいですか。
自分自身の内側へと続く、終わりのない回廊。 たまにはそんな場所に、迷い込んでみるのも悪くないかもしれません。

次回** 禁じられた空想建築 #3 「分厚い壁のイエ」**
自分の部屋を思い浮かべたとき、真っ先に何をイメージしますか?
おそらく、四方を囲む「壁」ではないでしょうか?身近な「壁」をテーマに空想したいと思います。


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