祝・本屋大賞! 朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』批評座談会/本屋大賞2位! 佐藤正午著『熟柿』
2026年本屋大賞は朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』に決定しました。「時代」を感じさせる優れた作品で、順当な結果だと思います。

2026年本屋大賞『イン・ザ・メガチャーチ』決定のお知らせ「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2026年本屋大賞」の発表会を、4月9日(木)明治記念館にて行いました。一次投票には全国の490書店より書店員698人、二次投票では 345書店、書店員 470人もの投票がありました。二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票しました。その結果、2026年本屋大賞に『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ(著)日経BP 日本経済新聞出版が決まりました。
朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』については下の動画で、宇野常寛さんと三宅香帆さんと批評しています。表題は、宇野さんらしい直球のタイトルで「<推し活>が人を壊す」です。ぜひ。
▼YouTube https://youtu.be/mB5tSfx56V8
▼ニコニコ https://nicovideo.jp/watch/so45996179
#PLANETS批評座談会
批評座談会の副題は「朝井リョウの最大の問題作を完全批評」です。『イン・ザ・メガチャーチ』は論争的で優れた小説だと、私も思いました。アイドルの推し文化に、福音派の布教マーケティングの方法論を重ねながら、その動的な構造を炙り出しています。
本屋大賞、受賞後の朝井リョウさんのスピーチも、語り口が良く、特に「小説の表現の極端さ」について、なるほどと思いました。
『イン・ザ・メガチャーチ』は、現代的な信仰のあり方を、異なる世代・性別の登場人物たちの重層化した物語を通して、迫力をもって描いた作品だったと思います。鼎談では、「推し文化」をW・ベンヤミンの展示的価値と礼拝的価値の双方の要素が混ざり合ったものと考えて、私見を述べています。
☆2026年本屋大賞ノミネート☆
【第9回未来屋小説大賞】
【第2回あの本、読みました?大賞】
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」
本屋大賞では2位に佐藤正午さん(70歳)の『熟柿』が入っています。下のnoteに詳細を記していますが、快挙です。佐世保という街と佐藤正午という作家の固有性に対する思い入れがあり、やや記述が長くなりました。
事前の評価について調べてみたところ、佐藤正午著『熟柿』は、林真理子さんが絶賛されています。ネタバレがすごいですが(笑)佐藤正午作品に対する思いが伝わってくる非常に良い解説です。
『鳩の撃退法』の解説を担当された糸井重里さんも、佐世保を訪れています。こういう圧倒的な作品を50代後半で書くことは、すべての物書きにとって、憧れと言えるのだと思います。
佐藤正午さんが住む佐世保は、長崎とよく似た坂道と造船の街で、車で走ると、ダイナミックに景色が変化するので、面白いです。李相日監督が映画「悪人」で撮影した五島列島とも近く、このあたりは長崎県の中でも魚が美味しいです。
海の色彩は太陽光の波長でグラデーションがあり、同じ海でも見る場所や時間によって、大きく印象を変えるわけですが、とりわけオレンジ色の西日が美しいです。村上龍原作、李相日監督の映画「69 sixty nine」の舞台でもあります。
佐藤正午さん、村上龍さんの作品の舞台となった佐世保や、吉田修一さん、李相日監督の作品の舞台となった長崎をぜひ訪れてみてください。
宇野常寛さんとの過去の対談については、下のリンクにまとめています。
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