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ヴォクス・マキナの伝説をTRPG側から解説してみた Season4 Week2(第4~6話)(重大なお知らせあり)

※初見の方へ※
この記事は「ヴォクス・マキナの伝説をTRPG側から解説してみた」の続きです。過去の記事がまだの場合は順に読むことをお勧めします。
シーズン1 #1では通算第1~2話の内容に加え、原作となるTRPGセッション配信『Critical Role』についても紹介しています。


シーズン4の前回の内容については↓からどうぞ。

主要設定

「ささやかれる者」(ヴェクナ)について

この辺りからそろそろ「ささやかれる者/The Whispered One」が本格的に物語に関わってくるため、以前先送りにしていた元ネタ「ヴェクナ」の説明に移りましょう。
本作における扱いについては本編を見ての通りとして、原典D&Dにおける「ささやかれる者」=「ヴェクナ」について、本編に出なさそうな部分を主体に説明します。

D&Dの多元宇宙マルチバースにおけるヴェクナとは神である以前に「リッチ」ー不死の魔道士―です。
エクサンドリアから遥か離れた「オアース/Oerth」と呼ばれる世界で生まれたと伝えられていますが、その記述の多くで彼は人間ヒューマンであったとする一方で、一部ではハーフエルフであったともされています。しかしどちらにせよ、彼は魔術の天才であり、常人であれば一種類極めるのに何十年もかかる魔法を、若くしてありとあらゆる種類の魔法を極めたと言われています。

しかし、母が魔女狩りで処刑された事がきっかけか、それ以来彼の心は「死を超越する」という野心で満たされるようになり、死霊術ネクロマンシーに傾倒するようになりました。その過程については定かではありませんが、探求の果て、彼は自らの魂を魔導書に移し、不死の存在「リッチ」となった事は確かです。

現在ではヴェクナを崇めるカルト教団は多元宇宙の各地に存在し、その監視の目は多元宇宙の隅々まで渡ります。
一度ヴェクナの名を口にすれば、どれほどの大事に巻き込まれるかわかりません。ゆえに人々はその名を口にする事すらはばかり、ヴェクナは「ささやかれる者」の異名を得たのです。

やがて彼は副官と彼が持っていた魔剣によって殺されますが、彼は神となるための秘法を見出していました。その最後のピースとは、各地のカルトによる信仰でした。何世紀ものカルトの拡大の果て、信仰の力によって、ヴェクナは神として蘇ったのです。

神としてのヴェクナは悪しき秘密を司る邪神であり、ヴェクナを崇める者が得てして崇める神と同じく邪道の魔術の探究者であることは、『ヴォクス・マキナの伝説』でもよくわかることでしょう。

彼はD&Dの主要な神として、D&D第4版で登場した世界観「ネンティア谷」の神々パンテオンにも組み込まれ、その神々を流用したCritical Roleのエクサンドリアの世界観でも使用されることになったという訳です。

さて、この名前でピンと来た方、もしかしてDead by Daylightを遊ばれていますか?そう、「リッチ」の方のヴェクナその人です。『ストレンジャー・シングス』の方、「ファースト」の方のヴェクナではありません。

そして、ヴェクナについてはデドバに参戦した時の、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

(なおDbDでの英語ボイスも原典セッションのゲームマスター、マシュー・マーサー氏が演じられています)

個別解説:第4話

設定/神格:「自然の母」メローラ

ダリントン亭で展示されている高級品の一つに「自然の母/The Wildmother」に関するものがあります。
以前の記事でも説明しましたが、本シリーズはD&D等の公式とは別ライセンス扱いとなっているため、二つ名のみで登場する扱いとなっています。
その真名はメローラ/Melora。他の多くのエクサンドリアの神々同様、元はD&D第4版の公式世界観「ネンティア谷/Nentir Vale」から流用された神であり、手つかずの自然と大海原を司る神です。
第4話の後で杖は電撃を放つ能力がある事もわかりますが、メローラは海の嵐も司る存在であることと関連しているのでしょう。

世界観:ドウェンダリアン帝国

ダリントン亭の所在地は「ドウェンダリアン帝国/Dwendalian Empire」との事。
これに関しては長くなるので『マイティ・ナイン』の記事で(同作では「ドウェンダリア帝国」)。

判定:ペテン

パイクとケイレスが破水したと見せかけて気を引くために下手な芝居を打ちますが、執事はそれでも騙されてくれました。
目立った呪文等の能力の話がないのでここで判定の話を。
こうやって他人を騙そうとする場合は〈ペテン〉の技能で判定を行いますが、通常ペテンの判定は【魅力】の能力値を使います。しかし、ケイレスもパイクもメインの能力値は【判断力】。こういう時魅力メインのスキャンランがいれば…。

アイテム:無限の可能性カード(デック・オヴ・メニー・シングス)

ハワード・ダリントン氏がパーシーに差し出したのは「無限の可能性カード/Deck of Infinite Possibilities」。引いた者に幸運がもたらされることもあれば、死に至る事もある伝説のアイテムです。
このカードの元ネタはもう間違いなくデック・オヴ・メニー・シングスいろいろデックです。D&Dでもパーシーの言葉通りで、金銀財宝が降り注いだり、能力値が上がってしまうカードもあれば、誰かが知らない間に敵になってしまう、異次元に突然閉じ込められてしまうなど、様々な効果を生み出します。
とはいえ、内容はかなり極端で、物語の始まりになり得るような効果も多いので、DMの方はご利用は計画的に…。

呪文:水を出す呪文?(ケイレス)

手から水を出して鉱山の警備に応戦するケイレス。
水に関する呪文は時折紹介してきましたが、水のないところから水流を起こすというのはD&Dの公式の範疇では見たことがありません。確かに水の試練は終えたので水をうまく扱えるようになったのはその通りなのですが…

呪文:バーニング・ハンズ?(ケイレス)

火炎放射で執事クリーヴズに応戦するケイレス。
シーズン4ではケイレスの呪文のレパートリーがさらに増えているように見えますが、これは火炎放射の規模からしてバーニング・ハンズ火炎双手なのでしょうか?低レベルから使える範囲攻撃としてお世話になったウィザード等の皆さんも多そうです。
しかしバーニング・ハンズはドルイドの呪文リストにはなく、とにかく四元素の修行を終えたという点が強そうです。

アイテム:カーペット・オヴ・フライング(ハワード・ダリントン)

監視鏡で鉱山での動乱を見るやいなや、魔法の絨毯で飛び始めるハワード氏。
『千夜一夜物語』に登場する魔法の絨毯も、D&Dのルールでは「カーペット・オヴ・フライング空飛ぶじゅうたん」として記載されています。
ルールによればサイズによって飛行速度と積載重量に差があり、小さいものは飛行速度が速く、大きいものは遅い代わりに積載重量が大きいそうです。

アイテム:加速の水晶(タリオン)

タリオンがクリーヴズの鎧に魔法の水晶を投げつけると、みるみるうちに錆が進行していきます。
これに関してはそれらしいアイテムや呪文は見当たりませんでしたが、モンスターの能力で錆を発生させるものはあります。

アイテム/呪文:凍結のジェム?(タリオン)

タリオンが魔法の絨毯にジェムを投げつけると、みるみるうちに凍り付いていきます。
凍結に関する呪文や能力は見当たらず、ルールも一部の呪文が床に発生させると明記している程度です。

アイテム/呪文:オティルークス・リジリエント・スフィアー?(タリオン)

次にタリオンはエネルギーの20面体に父を閉じ込めます。
20面体に明確に閉じ込める呪文は見当たりませんが、オティルークス・リジリエント・スフィアーオティルークの弾力球に準ずるものなのでしょうか。
名前に開発した魔術師「オティルーク」の名前が入っている呪文で、相手を基本的に破壊不能の球体に閉じ込めてしまうというものです。ここで20面体になっているのはD&Dの判定に20面ダイスを使うからでしょうか?

個別解説:第5話

設定:コバルト保管庫

一行の次なる目的地は「コバルト保管庫/Cobalt Archive」なる場所です。
「コバルト」かつ現在地がドウェンダリアという事は、知の女神の修道団「コバルト・ソウル/Cobalt Soul」の本拠地です。コバルト・ソウルは知識の管理者であり、一般に見せられない知識であれば厳重に保管することでしょう。
『マイティ・ナイン』にも登場した組織なので、こちらも詳しくは『マイティ・ナイン』の記事で。

アイテム/呪文:真実のタリスマン/ゾーン・オヴ・トゥルース(ギルモア)

潜入作戦で言及されているギルモアの持ち物「真実のタリスマン」。
相手に正直に話させるアイテムという事で、ゾーン・オヴ・トゥルース真実の場の呪文の効果を発生させるものなのでしょう。
相手に真実を話させる呪文というのは強力ですが、相手は何も話さなかったり、言葉巧みに重要な事を教えないこともできます。コバルト・ソウルの僧兵は様々な知識と共に訓練されているので…対策済みかもしれません。

呪文:アンティマジック・フィールド(コバルト保管庫の警備設備)

パーシーが集めた情報によれば、コバルト保管庫は「対魔法の結界」が張り巡らされているといいます。
「対魔法の結界」、原文では「anti-magic field」となっており、シーズン1でも紹介した呪文アンティマジック・フィールド魔法抑止の場と同名です。もちろん魔術師一人と大規模な専用設備では差がありますが、プレイヤーが使える呪文と同質のものではあります。

アイテム/呪文:知恵のポーション/コンプリヘンド・ランゲージズ(パイク)

パーシーの作戦に登場する「知恵のポーション」。
原文では「Potion of Comprehension」となっており、公式シナリオ『ウォーターディープ 狂える魔道士の迷宮/Waterdeep: Dungeon of the Mad Mage』に登場した(発売日は原典より後ではあるのですが)アイテム「ポーション・オヴ・コンプリヘンション」と同名です。
D&Dではこのポーションが実際に与えるのはコンプリヘンド・ランゲージズ言語理解の呪文の効果で、一時的にあらゆる言語を読める魔法で古代の文書を読む、と解釈できます。
しかし、パーシーの説明によれば「驚くほどの知性を得て」、画面にも「knowledge」=「知識」と映っているため、D&D的に言えば、キャラクターの持つ6つの能力のうち【知力】を一時的に上昇させるアイテムのようにも見えます。

呪文:穴を作る呪文?????(ケイレス)

コバルト保管庫の壁に穴を空け、下階のパーシーと会話するケイレス。
なんですかこれは???? 一応ケイレスが地の元素を操るという点では納得はできるのですが、D&Dの呪文で人工の石壁を操って、しかもこんな繊細ないじりかたまでして、まるで見たことないですね…。
わかりそうな人はコメントで教えてください。

個別解説:第6話

世界観:オッセンデッド・ホスト(ドードン ※吹き替え)

とある部族に船を作ったと息巻くパイクの祖父ドードン。
「オッセンデッド・ホスト/Ossended Host」について調べたところ、タルドレイ大陸南東の列島地帯に住む、夢を通して啓示を得る釣り人の一族だそうです。
我々の世界で言う10世紀(平安時代辺り)の日本の漁村のような暮らしをしているとも説明されています。

(この後の「アルーザ」についてはよくわかりませんでした。)

世界観:ケイレスの本(「カラスの女王」という訳名含む)

勉強したまま眠りこけて朝になっていたケイレス。
本は「On Subject of the Matron of Ravens」と「Divination of the Prime Deities」とあります。
まず1冊目は「カラスの女王について」。レイヴン・クイーンはD&Dの時点で元々二つ名でのみ呼ばれる存在で、しかし英語版でそのまま「the Raven Queen」を使う訳にもいかなかったのか、言い換えのような形で「the Matron of Ravens」という表現になっていました。しかし、「matron」を直訳するなら「婦人」で、そのままでは神の名前として不適格と判断され「カラスの女王」という訳となり、結果的に日本語側でD&D側の名前にたまたま寄ってしまったようです。
2冊目は「主神の神託」といったところでしょうか。ここで重要なのは「Prime Deities」。エクサンドリアの世界観では「裏切り者の神」以外の一般的に信仰される神々を表す表現で(日本語訳不明)、これまでに紹介した「プラチナム・ドラゴン」バハムート、「自然の母」メローラ、「夜明けの父」ペイロア、「永遠の光エヴァーライト」サーレンレイ、そして「カラスの女王レイヴン・クイーン」といった神々が含まれます。
どちらも神に関する書籍であり、特にヴェクスの状態に関する手がかりを得るために、レイヴン・クイーンに関する資料を探していたのでしょう。

設定/神格:「賢明な女神」アイウーン

ドードンからパイクに紹介された親族は「賢明な女神」に選ばれた勇者でした。
「賢明な女神」は原文で「The Knowing Mistress」。この二つ名を持つ主神の真名は「アイウーン/Ioun」です。
エクサンドリアの他の多くの神々同様「ネンティア谷」出身の神格であり、知識、技術、予言などを司る一方で、「ささやかれし者」ヴェクナは秘密を司る神のため、敵対関係にあります。
一行が襲撃したコバルト・ソウルはアイウーンにその行いを捧ぐ組織…ちょっと気まずいのでは?

呪文:その場で殺す?(カルト幹部の魔術師)

カルトごっこをする一般人を惨たらしく殺す魔術師。
エネルギーが飛んでいかず、生物を狙って殺す死霊術というだけでは特定が難しいです。
(精神状態的にあとがきに続く)

あとがき

6話の時点で展開的につらくなってきました。
言い忘れていましたが私豆腐メンタルです。
何話もウェットに罪もない一般人が殺されるシーンがずっと続くのが怖いです。
この先見られるかどうかわかりません。
失踪するかもしれません。ごめんなさい。

この先ヴェクナ倒してもしこりが残る。

殴らせろ。

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