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第2回「小さな声、小さな本 展」でZINEに囲まれて、紙の本作りの冒険は続く。


紙ものが好きだ、大好きだ!
と自覚したのはいつのことだったろうか。

祖父母に預けられた幼い日の遊び場のひとつが、活版印刷の工房だった記憶。
いくつものお気に入りのレターセットや、集めたシールをぎっしりと貼ったシール帳を大事に抱えていた子どもは、ページをめくれば部屋にいながらどこまでも遠い世界へ連れて行ってくれる絵本や物語の本に囲まれて大人になった。

高校では友人Aとイラストのコピー本を作った。モノクロコピーをしてホチキスで綴じ、背には黒い紙テープを貼った。
大学でもデザイン科の友人Yたちと寄稿し合って季刊のコピー本を4冊発行した。
思えばあれは確かにZINEだった。

それからずいぶん長い時間がたったのだけれど、やっぱり紙のページにしてみたくて、今も自分の絵と言葉を小さな本にする遊びをしている。
最初に作ったほんの12ページの小さな絵本を展示してもらったのは、2025年の夏のこと。

KAZENONEBOOKさん主催
「小さな声、小さな本 展」は
くまのマフィンがはじめの1歩を踏み出した場所


その後も少しずつ手を動かし
約2年分の作品を編集してようやく小さな本
「おやすみなさいの時間に」ができあがった


はじまりの夏から想像していたより早く、第2回となる「小さな声、小さな本 展」が開催されると知ったとき、手もとに応募できる自作の本があることが本当に喜ばしいと心から思ったものだった。

再び谷中の古民家カフェHAGISOにて開催
今回も初日に行ってきました!



本屋でも、図書館でも見かけない本がある。
誰かがひとりで、あるいは少人数で、自分の手で作った本。
流通に乗らなくても、部数が少なくても、そこには確かに声がある。

第2回「小さな声、小さな本」展は、ZINEや小規模出版社さんから出されている書籍を一冊ずつ丁寧に並べた展示販売イベントです。
今回は100冊を超えるZINEが集まりました。

壁に吊るされた一冊、テーブルに広げられた
ー冊‥‥手に取って、めくって、気に入ったら、購入して持ち帰ることができます。
それぞれの本が語りかけてくるような空間を目指しています。
大きな声じゃなくていい。届けたい誰かに、ちゃんと届く場所でありたい。
入場無料。どうぞ、ゆっくり手に取ってみてください。

企画・主催 KAZENONE BOOK
 

HAGISO公式Instagramより


どうがんばっても仕事を午後からしか休めず
ランチはHAGISOのサバサンドではなく
駅中のパン屋さんですませてから到着


立て看板がお出迎え
カフェのメニューが
後ろで誘惑してくる


高い高い天井の展示スペース
柱や梁の深い焦茶色が長い年月を物語る
差し込む午後のやわらかな光が
壁に床にやさしい影を落とす


今回はテーブルに並べていただき
やや緊張気味の小さなくまの本


この場所にいられることが本当にしあわせで
ここまで来られた時間とめぐり合わせに感謝


✳︎


実は数日前に、高円寺にあるそぞろ書房さん主催のZINE作りにまつわるホットなイベントに参加したのだが、ゲストは話題のZINE「待っていないで探して作る」の作者ROMIさんだった。

高円寺のとあるカフェで購入した焼き菓子と共に
(こちらのZINEは「小さな声、小さな本展」でも購入可能)


入口がわかりづらくて有名な「そぞろ書房」
店内に入ると居心地がよくぎゅっと本が詰まった
誰かの家のようなあたたかな空間を楽しめる


作り手のROMIさんと書店の立場からそぞろ書房の倉島さんが対談したり質問に答える形式で数時間を過ごした。
自分の本作りについて落ち着いたトーンでわかりやすく話しながら相手の話に弾むような相槌をうつROMIさんと、多分紙フェチな倉島さんの熱くてディープな語りを堪能したあと自分の中にうまれたのは、やりたいなら楽しんでやっていこう!というシンプルな確信だった。

そんなわくわくとそわそわが芽生えたまま、仕事を半日しか休めず午後にやっとHAGISOに到着したとき、今日ほど自分のことを運がいいと思ったことはなかった。
なぜなら目の前で展示テーブルの本を真剣に眺めていたのは、なんとROMIさんその人だったのだ。
「あれっ?そぞろ書房の」と気づいてくださり、くまのマフィンの本も「どれどれー?」と手に取っていただいた。
「小さな声、小さな本 展」を主催しているKAZENONE BOOKの櫻井さんからもROMIさんからも、本を通して誰かの思いや人と人が何かを伝えあう流れを作るような、やさしくも力強いパワーを感じるのだった。

そしてさらには、数冊のZINEと一緒に「おやすみなさいの時間に」を持ってレジに向かわれるお客さんとお会いした。
委託販売のイベントなので柱の陰からそっと見守るつもりだったため大変な不意打ちだったのだが、ご挨拶をするとnoteでつながっている方だとわかり、うれしいやら恥ずかしいやらで汗をかきながらも何度もありがとうございますとお礼を伝えることができた。

それにしても目の前で作品を見てもらうのはなんと逃げ場のないことだろう。
憧れのZINEフェスや文学フリマにエントリーする勇気が出ないのは、見知らぬ誰かと会うだけでも大変なことなのに、その誰かが自分の作品を見て何かを感じたり、もしかして購入したりしなかったりするだなんて、とてもその場にいられる自信がないからだ。

それでもくまの小さな本を購入してくださった方からSNSなどを通じて感想を伝えていただいたときには、たとえではなく歳のせいでもなく目頭が熱くなるし、本当に涙がこぼれることだってあるのだ。
紙の本を作るのは自分のためだったけれど、今では作る楽しみのほかに、誰かに思いを受けとめてもらえるよろこびを知ってしまった。
こんなに大人になるまで、味わったこともないほどの。



疲れた夜、眠れない夜、誰かのお気に入りの毛布のように、ふんわりあったかく包むような絵と言葉を届けたくて、小さな本を作りました。

 自分がしあわせの粒を見失わないために、もし大切な人と会えなくなる日が来たときに手渡すために作った、はじめての小さな作品集です。

KAZENONE BOOK 櫻井さんへ
くまのマフィンより伝えたこと



おやつはHAGISOのカフェにて
お目当ては季節のケーキ
レモンタルト


本日購入したZINE

「calm hiking」natsuさん
「貝殻で掬う花びら」さらさちささん
「耕す日々、小さな種を埋めてみる」
KAZENONE BOOK 櫻井朝子さん


第2回「小さな声、小さな本 展」は6月7日まで。
かつてZINEという呼び名も知らずに手製本を一緒に作っていた友人Aと友人Yとともに、会期中にまたHAGISOを訪ねる予定である。

100冊を超えるZINEに囲まれながら、時間をかけておそらく全部の作品を手にとってみたと思う。
1冊ずつ全く違う個性のある、さまざまな声を持つ本たちから、たくさん創作欲のようなものをチャージさせてもらえた気がする。
紙ものが大好きだという思いのまま、2冊目の小さな本やカレンダー、栞やポストカードやマスキングテープも作りたい。
と文字にしてしまうほどに、気持ちだけはもう走り出している。
本作りの冒険は今日も明日も続いてゆくのだ。


✳︎


それから、昨年ZINE作りを通じて知り合い、実際にお会いしたことのある数少ないnoteの友人(とお呼びしてよいだろうか)たかざわさんが、今回のイベントについて記事を書いてくださった。
たかざわさんは「たかざわプロダクション」のライターさんである。
この記事を読んだくまのマフィンは朝からうれし涙で目がかすんでしまったのだった。




小さな本のこれまでの冒険はこちら🧸




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くまのマフィン ここまでお読みいただきありがとうございました。 思いのカケラが届きますように。