おじさん式・カスハラ対応「責任者を出せ!」と言われたら、どうする?
もちろん。ここまでのおじさんの話を、「おうむ返し」から始まって、「上司につなぐ」「本社に電話する」「お客さんの熱量をしかるべき場所へ届ける」まで、一度一本につなげて書き出すね。
おじさん式・カスハラ対応
「責任者を出せ!」と言われたら、どうする?

ずっと真面目にカスタマーハラスメントについて考えていた。
カスハラとは何なのか。
どうやって現場の従業員を守るのか。
一人で対応させないこと。
そして、現場の人間に全部を背負わせないこと。
いろいろ考えているうちに、おじさんは一つの面白いやり方を思いついた。
いや、正確には、思いついたというより、おじさんならこうするな、という話である。
それが、
「まず、おうむ返しする」
ということだ。
もちろん、ここでいう「おうむ返し」は、相手を馬鹿にするためのものではない。
相手の言葉を、そのまま確認するのである。
たとえば、
「どうなってるんか!」
と言われたら、
「どうなってるんか、ですね」
と返す。
「責任者を出せ!」
と言われたら、
「責任者を出せ、ということですね」
と返す。
「社長を出せ!」
と言われたら、
「社長を出せ、ということですね」
と返す。
これだけ。
でも、おじさんは、この一言が結構大事なんじゃないかと思っている。
なぜなら、相手が自分で発した言葉を、もう一度自分の耳で聞くことになるからだ。
つまり、
「あなたは今、この言葉を言っていますよ」
という確認になる。
別に反論しているわけではない。
相手を責めているわけでもない。
「そんな言い方はやめてください」と説教しているわけでもない。
ただ、
「今のお話は、こういうことですね」
と確認しているだけ。
ここが、おじさんにとっては面白い。
しかも、おじさん自身は、相手がどんどん強い言葉を使ってきても、
「おっ、次は何を言ってくるんだ?」
くらいの感覚で聞いている。
どこまで正確に相手の言葉を拾って返せるかな、と。
ある意味では、ちょっとしたゲームである。
もちろん、現場でふざけているわけではない。
相手の発言を正確に受け取るための確認だ。
そして、ここからがさらに面白い。
たとえば、
「責任者を出せ!」
と言われた。
「責任者を出せ、ということですね」
「そうだ!」
「では、責任者にお話しいただいたほうがいいですね」
となる。
おじさんの中では、
「よし、上司につなげるぞ。最高だぜ」
くらいの気持ちになる。
なぜなら、自分が全部抱えなくていいからだ。
お客さん自身が、
「責任者を出せ」
と言っている。
だったら、その要求を確認して、しかるべき責任者につなげればいい。
「いや、私が何とかしなきゃ」
と現場担当者が抱え込む必要はない。
むしろ、
「はい、責任者ですね。どうぞどうぞ」
なのである。
おじさんからすると、
「俺の責任か?」
と思っていたところに、
「責任者を出せ」
と言ってくれた。
なら、
「あ、俺じゃないんですね。じゃあ上司の仕事ですよ」
となる。
もちろん、これは責任逃れをするという意味ではない。
現場で確認できることは確認する。
必要な情報も伝える。
でも、現場の人間が判断できないことまで、自分一人で背負わない。
ここが大事なのだ。
そして、さらに、
「社長を出せ!」
と来たらどうするのか。
おじさんは、まず、
「社長を出せ、ということですね」
と確認する。
そのうえで、
「ああ、社長に直接言いたいんですね」
と、おじさんの頭の中で意味を変換する。
「それなら、社長に現場をもっと見てもらいたいということですよね」
「それは、それで分かりますよ」
「もっと現場を見てもらったほうがいいですよね」
「お客様の声を社長に届けることは、大事なことだと思いますよ」
となる。
相手の怒りを、そのまま怒りとして受け止め続けるのではない。
「この人は、会社にこれだけ言いたいことがあるんだ」
と、おじさんの頭の中で変換する。
そして、その熱量を現場で使わせない。
いや、もっと正確に言えば、
その熱量を、しかるべきところに持っていってもらう。
「そこまで言いたいことがあるなら、ちゃんと会社に言ったほうがいいですよ」
「もっと言ってくださいよ」
「もっと現場を見てもらいましょうよ」
「お客様の声を届けたほうが、会社にとってもいいと思いますよ」
そんな感じである。
だから、おじさんは別に相手を煽っているわけではない。
「東京の本社に言いたい」
と言うなら、
「じゃあ、東京の本社にお話しされたらいいんじゃないですか」
である。
「社長に直接言いたい」
と言うなら、
「電話で現場の人に言い続けるより、会社に来て直接お話しされたほうがいいんじゃないですか」
と、おじさんは思う。
だって、本当に会社に伝えたい重要な話なら、そのほうがいいじゃないか。
電話で延々と現場担当者に話をしても、その担当者には判断できないことがある。
だったら、
「ちょっと、こっち来て話ししませんか」
でいい。
「いや、俺じゃないんですよ」
「上司がですよ」
「会社の人間と、ちゃんとお話しされたほうがいいんじゃないですか」
ということだ。
そして、社長を出せと言われても、
「社長を出せ」
「社長ですね」
「はい」
「あ、でも現場に社長はいませんよ」
「じゃあ、本社の電話番号を調べてください」
となる。
なぜなら、
おじさんだって本社の電話番号なんか知らないからである(笑)。
地元の会社なら、社長が近くにいるかもしれない。
東京の会社なら、東京にいるかもしれない。
全国規模の会社なら、どこにいるのかも分からない。
そもそも、社長がいつでも現場にいるわけがない。
だから、
「社長を出せ!」
と言われても、
「社長ですね。言いたいなら、言えばいいじゃないですか」
なのである。
「本社に連絡したいんだったら、正式な窓口に連絡すればいい」
「社長に伝えたいんだったら、会社に伝わるルートを使えばいい」
それだけの話である。
そして、ここで重要なのが、
「クレームを現場で処理する」という発想そのものがおかしいのではないか
という疑問である。
例えば、
「この製品は不良じゃないのか!」
と言われたとする。
現場の受付担当者に、それを判断できるのか。
製造工程を知っているのか。
品質保証の基準を知っているのか。
契約条件を知っているのか。
場合によっては、法律まで関係してくるかもしれない。
それなのに、
「お客様からクレームが来ました。現場で対応してください」
では、無理がある。
だったら、
「製品についてのご指摘ですね」
と確認して、
「それなら営業の担当者に」
「品質の問題なら品質保証に」
「製造工程なら製造担当に」
「会社としての判断なら上司や経営側に」
というふうに、しかるべきところへつなげればいい。
つまり、
問題を一番よく分かっている人間に話してもらう。
これだけのことである。
そして、おじさんがもっと怖いと思うのは、ここからだ。
会社がクレームを全部、
「怒っているお客さん」
として処理してしまったらどうなるのか。
その人が、本当は会社にとって非常に重要なことを言っている可能性がある。
例えば、
「この製品、以前からおかしいんじゃないか」
「このやり方、危ないんじゃないか」
「この契約、おかしくないか」
「これ、法律に違反してないのか」
という話だったとする。
もしかしたら、本当に会社側に問題があるかもしれない。
ところが、最初に電話を受けた人は、そんなこと判断できない。
その人はただ、
「またクレームだ」
と思ってしまうかもしれない。
そして、そのまま現場で処理されてしまう。
これは会社として怖い。
だから、おじさんが言っているのは、
「現場を守るためにクレームを上へ投げろ」
だけじゃない。
むしろ、
「お客様から入ってきた情報を、会社がちゃんと受け取れる制度を作れ」
という話なのである。
現場の従業員を守ることと、
お客様の問題提起を真剣に受け取ること。
この二つは両立できる。
いや、両立させなきゃいけない。
現場は、
「何が言われたのかを確認する」
ところまでやる。
その後は、
「これは自分では判断できない」
と判断していい。
そして、
上司につなぐ。
専門部署につなぐ。
必要なら経営側につなぐ。
会社として調べる。
そして回答する。
これが本来の仕組みなんじゃないか。
だから、おじさんが最初に感じた、
「そもそも、お客さんとの接点の制度設計はきちんとできているのか?」
という疑問につながってくる。
お客様との最初の接点にいる人間に、
「全部うまく対応してください」
と丸投げしてはいけない。
受付する人と、判断する人を分ける。
情報を受け取る人と、責任を持って判断する人を分ける。
そして、重要な情報を途中で消さない。
そういう制度が必要なのではないか。
おじさんが考えているのは、単なるカスハラ対応ではない。
「現場で受け止める」のではなく、
「現場で確認して、正しい場所へ届ける」。
そして、相手が、
「責任者を出せ!」
と言ったなら、
「責任者を出せ、ということですね」
と確認する。
そのうえで、
「では、責任者とお話ししましょう」
とつなぐ。
社長を出せと言うなら、
「社長ですね。では、会社に直接お伝えください」
と、正式なルートへ持っていく。
おじさんの中では、
「もっと言ってくださいよ。
もっと現場を見てもらいましょうよ。
お客様の声をちゃんと会社に届けましょうよ。」
なのである。
現場の従業員にぶつけ続けるのではなく、
その熱量を、しかるべきところへ。
これが、おじさんの考えるカスハラ対応の、ちょっと変わったところなのかもしれない。
こんな感じで、「おじさんが喜んでおうむ返しする」→「上司につなぐ、最高だぜ」→「社長? 本社の番号なんか知らねえよ(笑)」→「でも、その熱量はちゃんと会社に届けよう」→「そもそも会社の接点設計がおかしくないか?」まで、一本につないだよ。
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