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【差取り観察部】新幹線の“一駅だけ”に、グリーン車は贅沢ですか?(全文無料)

名古屋の御園座へ、宝塚の観劇に行ってきました。


行きの新幹線は、午前中の比較的空いている時間帯だったこともあり、
普通席の窓側がすんなり取れました。


しかも、隣にも人が来ない。
窓側に座って、荷物も置けて、ゆっくり景色も見られる。


「あ、これなら普通車で十分だな」
そんなふうに思いながら、のんびり名古屋へ向かいました。


問題は・・・帰りです。
観劇を終えて、御園座を出るころには夕方。


外はまだ明るいけれど、身体はそれなりに疲れている。


宝塚の舞台は楽しい。
でも、楽しいものほど、終わったあとの身体にはちゃんと余韻と疲れが残ります。
しかも、その“余韻”をもう少し、楽しみたい・・・。


帰りの新幹線・・・混みそうだな。
行き、名古屋駅に到着した頃、ふと帰りのことが頭をよぎりました。


エクスプレス予約を見てみると、まだ普通車は空席もけっこうある・・・。
けど、窓側はあまり残ってなかった。


このまま帰りの時間帯まで、予約しないでいたら・・・
普通車はほぼ全滅なのでは・・・。
と、急に帰りのことが気になり始めました。


で、少し考えて・・・。
「あ、グリーン車!」という選択肢が。


本音は、もう決まっていました。
「グリーン車で帰ろう」
「今日はそれでいい」
「身体をラクにして帰ろう」
そこに、大きな迷いはありませんでした。


でも、こういうときに出てくるのです。
…古いわたしが。


「え、名古屋から新横浜だよ?」
「一駅だけだよ?」
「その一駅のために、グリーン車?」


…出ました。
脳内の、贅沢審査会議。


本音のわたしは、すでに「グリーン車、OK」と言っている。
でも、古いわたしは、すぐに審査を始めます。


それは必要ですか?
普通車ではだめですか?
贅沢ではありませんか?


こういう声は、けっこう大きい。
しかもキツく、うるさい。
最近ようやく、この“古い声”と、
本音の静かな声を少しずつ聞き分けられるようになってきました。


思考って、ときにためになることも言ってくれるんです。
けど、こういう場面ではだいたい・・・”よけいなお世話”だったりする。


でも、本音は静かで目立たない。
だからわかりにくいけど、身体が知ってる感じ。
なんとなくわかるんです。


で、もうちょっと深くさぐってみました。
名古屋から東京だったら、たぶん迷わないんです。


「うん、東京まで行くならグリーン車でもいいよね」
と、わりとすんなり許可が出る。
でも、名古屋から新横浜になると、急に古いわたしがざわつく。


「一駅だけなのに?」
「そこまでしなくてもよくない?」


いや・・・待って。
名古屋から東京と、名古屋から新横浜。


どれだけ違うというのか・・・。
たかが、18分くらいの差です。
その18分で、わたしの中の“贅沢ライン”が急に変わる。


人間の脳って、本当におもしろい。
さらに言えば、名古屋から新横浜は、のぞみで見るとたしかに「一駅」です。
でも、その一駅は、在来線の一駅とはわけが違う。


名古屋を出たら、次に停まるのは新横浜。
距離にして、330キロほどある。
駅数だけで見れば、一駅だけど、距離としてはかなり長い。


実際に乗っていると、それがよくわかります。
上りでも下りでも、ひとつ前の駅を通過すると、車内アナウンスが入ります。


上りだと、「ただいま、小田原駅を時刻通りに通過しました」
下りだと、「ただいま、三河安城駅を時刻通りに通過しました」
というようなアナウンスがある。


寝ていると、“ハッ”とする。
でも少なくとも、そんなアナウンスが必要なくらい、この“一駅”は長いのです。


脳は、距離、無視。
所要時間、無視。
身体の疲れ、無視。
観劇後の余韻、無視。


ただただ、「一駅」という響きだけで、“我慢しろ”と言わんばかりにわたしの中の贅沢審査会議が開かれる。


…脳よ。そこ、雑じゃないですか?

最近このツッコミが、けっこう出るようになりました。


たぶん、今回わたしが見ていたのは、グリーン車に乗るかどうかではありません。


そこにあったのは、「快適さを選ぶことに、どれだけ自分で許可を出せるか」という小さな“差”でした。


帰りのわたしに必要だったのは、行きと同じ条件ではなかった。


時間帯も違う。
身体の状態も違う。
舞台を観たあとの疲れもある。
新横浜からの在来線は・・・怒涛のラッシュ確定、泣。(押されるくらい、キツいんです💦)


それなのに、古いわたしはすぐに言います。


「普通車で十分じゃない?」
「今までだってそうしてきたでしょ?」
「一駅だけなんだから」


この声は、たぶん悪者ではありません。
昔のわたしを守ってくれていた声でもあるのだと思います。
無駄づかいしないように。
調子に乗らないように。
ちゃんと考えて、ちゃんと選ぶように。
その声があったから、助けられたこともたくさんあったはずです。


でも、今のわたしは、もう少し別の基準も持っていい。


安いかどうかだけではなく、
疲れを翌日に持ち越さないこと。


静かな時間を買うこと。
身体を雑に扱わないこと。
観劇の余韻を、ぎゅうぎゅうの席で削らないこと。


そういう選び方があってもいい。


結局、帰りはグリーン車で快適に帰ってきました。


座席はゆったりしていて、空気も少し静かで、身体を休ませながら帰ることができました。
3000円ほど追加したけれど、そのぶん身体がラクで、観劇の余韻も削られずに済んだ。
そう考えると、これはただの贅沢じゃなくて、ちゃんと自分を運ぶための代金だったのかもしれません。


「やっぱり、これでよかったね」
帰りの新幹線の中で、そう思っていました。


快適なシートに身を委ねて、気づけばウトウトしていました。
到着直前の、アナウンスは、ほんとうにありがたかった・・・。
「ただいま、小田原駅を時刻通りに通過しました・・・」


ハッと起こされ・・・あっという間の1時間15分の旅。


たった一駅。
されど一駅。


名古屋から新横浜のグリーン車問題は、思った以上に、わたしの内側をよく映していました。


……とはいえ、最後にひとことだけ言わせてください。


脳、うるさい。このあとの在来線で、ヘトヘトになるんじゃ!!笑


案の定、乗り換えたJR横浜線は帰宅ラッシュ。
押されました、つぶされそうでした・・・💦。
しんどい。
でも、身体は思ったより消耗してなかった・・・。
グリーン車のおかげです。


✧✧✧


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