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静かな選択⑱ 見守るということ

母と過ごす中で、
決めていることがある。

できることは、
できるだけ自分でやってもらうこと。

「やって」と言われても、
すぐには手を出さない。

「自分でやってみて」と声をかける。

その方が、
時間もかかるし、
うまくいかないこともある。

それでも、
なるべく見守るようにしている。

このまま、
何もかもできなくなってしまうことが、
怖いから。

少しでも、
今 できていることを、
そのまま忘れずに 続けてほしいから。

やさしく手を貸すことが、
いつも正しいとは限らない。

そう思いながら、
見守り続けている。

けれど、
いつもその通りにできるわけではない。

うまくできずに、
何度もやり直している姿を見ていると、
思わず手を出してしまうこともある。

時間がかかって、
少し苛立ってしまう自分もいて、

そのまま見守ることが、
難しくなる瞬間がある。

その方が、
早く終わるし、
母も安心した表情になる。

けれどそのあと、
少しだけ、考えてしまう。

これでよかったのかと。

やらせた方がよかったのか、
それとも、
これでよかったのか。

答えは出ないまま、
その日のことが残る。

決めたはずのことでも、
揺れる日はある。

それでもまた、
次はどうするのかを考えながら、
関わっていくしかないのだと思う。

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