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【実録】銭湯の鏡で「自分の体」に絶望した。40代の僕が筋トレを再開するまでの話

分かってはいる。でも、やらない

40代になると、筋トレはやった方がいいと頭では分かっています。
分かってはいる。
でも、やらない。

この「分かってるけどやらない」は、たぶん40代の得意技です。
僕もずっとそうでした。

健康診断の紙を見ても、そこまで刺さらない。
SNSでムキムキのおじさんを見ても、「すごいな」で終わる。
YouTubeで筋トレ動画を見ても、その瞬間だけ少しやる気が出て、数分後にはせんべいを食っている。

そんな僕が、もう一度ちゃんと体を作ろうと思ったきっかけは、医者の説教でもなければ、意識高い動画でもありませんでした。

友人と行った銭湯の、明るすぎる鏡です。


毎日見ていたつもりだった

家でも自分の体は見ていたはずなんです。
洗面所でも目に入るし、服を脱げば当然見える。
だから自分では、ある程度わかっているつもりでした。

太ったのは知っている。
少し緩んできたのも知っている。

でも心の中では、ずっとこう思っていました。

「まあ、言うほどではない」
「年齢を考えたらこんなもんだろう」
「まだ“終わった体”ではないはずだ」

この“まだ大丈夫判定”が、実に甘かった。


銭湯の鏡は、ごまかしが効かなかった

風呂上がり、髪を乾かす場所の大きな鏡の前に立った時、僕は一瞬止まりました。

「あれ……こんな感じだったっけ?」

腹まわりには、ベルトの上にしっかり乗る浮き輪肉。
胸は昔みたいな厚みが消え、ただ柔らかく存在している。
肩は少し内側に入り、姿勢も悪い。
全体的に、体が「もう無理して若く見せなくていいでしょ」と諦めていました。

なんというか、“少し太った人”ではなかったんです。
ちゃんと、だらしない中年が立っていました。

しかも嫌なのは、その中年が他人じゃなくて自分だということです。


頭の中の自分と、実物の自分がズレていた

頭の中には、昔の自分がまだ少し残っています。
運動していた頃の感覚とか、もう少し締まっていた頃のイメージとか。
だから無意識のうちに、「今もそこまで悪くない」という補正がかかっていたんだと思います。

でも銭湯の鏡は、その補正を一切許してくれませんでした。
あそこは照明も強いし、鏡も大きい。
家庭用の“ちょっと優しい鏡”とは違う。
あれはもう、ほぼ公開処刑です。

ショックだったのは、太っていたことそのものではありません。

自分が思っていた自分と、実物がズレていたことでした。


40代の変化は、急に来ない

40代の変化って、急に来ないんですよね。
じわじわ来る。

少しずつ戻りにくくなって、少しずつ落ちやすくなって、少しずつ緩んでいく。
毎日ちょっとずつだから、自分では変化を見落とす。
その結果、ある日いきなり「うわ、思ったより進んでるな」となる。

僕にとって、あの銭湯の鏡はそれでした。

別に誰かに笑われたわけじゃない。
何か言われたわけでもない。
ただ、自分の体を明るい場所でちゃんと見ただけです。

でも、それで十分でした。


人は、正しいからではなく、刺さったから動く

筋トレした方がいい。
運動した方がいい。
体を整えた方がいい。

そんなことは、もう何年も前から知っています。

でも人は、正しいから動くわけじゃない。
刺さったから動く。

正論は「はいはい、そうですね」で流せる。
でも、鏡の中の自分は流せない。
あれは地味に効く。
しかも、かなり効く。

僕が今回動こうと思ったのも、「健康のために頑張ろう」みたいな綺麗な理由ではありません。

鏡に映った自分を見て、
「これはちょっと、さすがに放置しすぎたな」
と思ったからです。

それだけです。
でも、その“それだけ”が一番強かった。


だから僕は、もう一度始めることにした

だから僕は、もう一度始めることにしました。

大会に出るわけでもないし、誰かに見せるためでもない。
ただ、このまま少しずつ崩れていく自分を、見て見ぬふりしたくなくなった。

とりあえず、土曜にジムへ行く予定を入れました。
いきなり全開ではやりません。
まずは8割。

昔みたいに無茶して、翌日に階段で「あ、終わった」となる未来も見えるので、そのへんは大人しくやります。

でも、あの日の銭湯の鏡を見たあとでは、何もしない方が気持ち悪い。


再起動は、だいたい静かに始まる

たぶん再起動って、こういう始まり方なんだと思います。
立派な決意でもなく、感動的なきっかけでもなく、
ただ鏡の前で「あ、これはダメだ」と静かに死ぬやつです。

そして僕は今、その静かなダメージを、ようやく行動に変え始めています。


つづく


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