色と温度が戻った夜のこと。〜半年前の私への返信〜
「等身大で生き直す」 そう決めてnoteに思いを綴ったのは、半年あまり前のことでした。
誰かの役に立てない自分に勝手に「減点」をつけて、深く沈んで。
言葉を閉じ込めていた場所から、なんとか一歩踏み出したのが、つい昨日のことのようです。
だからといって、決意してすぐに強くなれるわけではありません。
この半年、私はずっと「人と会わない」壁を作り、
「ネガティブ」という鎧で自分を守りながら過ごしてきました。
仕事の受注は、声をかけていただいたものだけに集中。
コミュニティの中では、自ら「幽霊部員」であることを選んできました。
実績を上げている仲間の眩しさに目を細め、「楽しそうにしている彼らに合わせる顔がない」と、勝手に孤独の殻に閉じこもっていたんです。
そんな私が先日、ある集まりに参加してきました。
洗練された街にある、著名人もお忍びでくるような素敵なお店。
その食事会は、コミュニティの代表が招待してくれたもので、活躍している80人以上のクリエイターが集いました。
正直に言えば、直前まで「行くのをやめようか」と迷っていました。
1. 想像していた「拒絶」は、どこにもなかった
会場までの道すがら、心の中では「後ろめたさ」と「挑戦」が行ったり来たり。
成果も貢献もできていない自分が行っていいのだろうか。
眩しすぎる先輩や仲間たちの中で、隣に座る約束をした相手すらいない。
それでも、あえて行くことを選んでみよう。
評価されに行くのではなく、仲間の熱を「聴き」に。
気まずさの中で、自分を俯瞰し、堂々としていられるか。
それは、私なりの「静かな挑戦」でした。
店先に少しずつ集まってくる、懐かしい顔ぶれ。
まだまだ緊張は解けず、久しぶりに会う代表や講師の顔をまともに見られないまま、うつむき加減に会釈をして中へ入ります。
立食形式の会場。
「気まずいな。いづらくなったらすぐ帰ろう…」
そう思っていた私の不安を溶かしてくれたのは、
明るい「久しぶり!」という声でした。
「元気だった?」
「元気そうじゃん!」
「ひっそりとだけど、マイペースですごいことしてるよね」
「むしろ、ずっとそのままのあなたでいてほしいわ(笑)」
かつて必死に空気を読み、期待に応えようと汲々としていた私を、彼らはそのままの姿で受け入れてくれました。
「ちゃんとしていない私は、ここにいてはいけない」
その透明な壁は、他ならぬ私自身が自分を守るために作っていた、脆い「ハリボテ」だったのだと気づかされていったのです。
2. 「北極星」が教えてくれた、職人の誇り
その夜、私にとって「北極星」のような存在である、
尊敬するクリエイターの方とじっくり話す機会がありました。
彼女の仕事に対する姿勢は、底抜けにカッコイイものでした。
「知ることで、描ける。だから突き詰めるんだ」
テーマを理解するために、一見無関係な学問や、時には苦手な世界にさえ深く潜り込み、本物と偽物を見極める。
「ふわふわしたものは嫌い」と言い切る彼女のストレートな言葉は、私の襟を正してくれました。 もがきながら、泥臭く、徹底的に突き詰める。
だからこそ、彼女が描く作品には、
その先にしか生まれない「没入感」がある。
彼女の話を聞いているうちに、自分のこの仕事が、改めて誇らしく思えたのです。
もっといい作品を作りたい。
彼女のような、嘘のない表現を目指したい。
私の心に、消えかかっていた「熱」が戻ってきた瞬間でした。
3. 「嫉妬」という名の、愛おしいプレゼント
宴もたけなわな頃、忘れられない出来事が起きました。
ある仲間の女性が、親しげに私の名前を呼び、こう続けたのです。
「お前が腹立たしい! 私は、お前の絵に嫉妬している!」
こんなにも激しく、真っ直ぐな感情をぶつけてくれる彼女が、愛おしくてたまらなくなりました。
そして同時に、ハッとしました。
「何者でもない自分」を恥じて隠れていたけれど、私の絵は、誰かにとって嫉妬するほど価値のあるものだったのか、と。
恐れ多くも、そう思わせてもらえた気がしました。
「空っぽ」だと思っていたこの半年間、
もしかしたら、私の筆には何かが宿っていたのかもしれない。
「伝えてくれて、ありがとう」
そう返した時、ようやく自分自身と握手ができたような気がしました。
勇気のいる告白をしてくれた彼女の心意気に、心から惚れ直した夜。
本当の仲間がいることを実感できて、感謝で胸がいっぱいになり、「あの時、彼女を抱きしめればよかった」と少し後悔したほどでした。
4. ハリボテを脱いで、お肉を味わう
気づけば私は会場の隅っこで、一人でおいしいお肉を味わっていました。
以前の私なら「誰かと話さなきゃ」「情報を得なきゃ」と必死だったはず。 けれどその夜は、
幸せそうな人々を眺めながら、自然体で過ごすことができました。
頑張れない日があっても、そこにいていい。
そんな場所を提供してくれた環境への感謝が、じわりと湧いてきました。
かつては「競争」の場に見えて、息苦しくて、みんなが敵のように思えたこともありました。
でも今は、一人ひとりが違う光を放っているのが見える。
近づくたびに、温かなものを分けてもらえる。そんな感覚でした。
会場を出る時、自分の中に戻ってきたのは「色」と「温度」でした。
一人だと思っていたけれど、私にはこんなにもたくさんの仲間がいた。
半年前の私へ。
「等身大でリスタート」した先には、
想像よりもずっと温かい世界が待っていたよ。
今はまだ、力を蓄えている途中。
でも次にお仕事を受ける時は、
今回もらった熱をすべて作品に込めて、さらにいいものを生み出したい。
恥ずかしさも孤独も、たまに顔を出すけれど。
「大丈夫、そのままで行け」と自分を抱きしめて。
私は私の色のままで、描き続け、歩いていこうと思います。
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