大学教員って、どこで求人を探すの?
会社員なら、転職サイトや転職エージェントがあります。
では、大学の先生はどこで求人を探すのでしょうか。
私は大学教員になるまで、そんなことを考えたこともありませんでした。
そもそも、大学の先生が「求人を見て応募して転職する」というイメージ自体、あまりなかったんですよね。
そんな私が見つけたのが、JREC-IN Portalでした。
大学や研究機関などの求人が掲載されているポータルサイトです。
そして、このサイトを見つけたことが、私が大学教員になるきっかけになりました。
大学教員にも「求人サイト」があった
JREC-INを初めて見たとき、まず思ったのが、
「大学教員の求人って、こんなにあるんだ」
ということでした。
専門分野や職種、勤務地などで絞り込むと、さまざまな大学の公募が出てきます。
そして、もう一つ驚いたのが応募資格でした。
私はそれまで、
大学教員になるなら博士号が必要
だと思っていました。
ところが求人を見てみると、修士号でも応募できる公募がある。
MBAを持っていた私は、
「あれ? これ、自分も応募できるじゃん」
となりました。
それまで大学教員は、自分とはまったく関係のない職業だと思っていました。
でもJREC-INを見た瞬間、
「自分には関係ない仕事」から「自分でも応募できる仕事」に変わったんです。
ちなみに、大学教員になったあとでベテランの先生に聞いてみると、公募として掲載されていても、ある程度候補者が決まっているケースもあるそうです。
また、教員同士の紹介などをきっかけに採用されることもあるとのこと。
このあたりは、なりたての私にはまだよく分からない世界です。
少なくとも私の場合は、誰かから声をかけてもらったわけではありません。
JREC-INで普通に求人を見つけて、普通に応募しました。
私が求人を探した条件
私がJREC-INを見始めたのは1月でした。
4月着任の求人を探すには少し遅い時期だったのか、その時点では選べる求人がそれほど多くなかったように記憶しています。
まずは、自分の専門分野で検索。
そのうえで、
修士号で応募できる
常勤
自分の実務経験が活かせそう
自分の経歴でも採用の可能性がありそう
という条件で大学を見ていきました。
とはいえ、
「絶対に大学教員になるぞ」
と意気込んでいたわけではありません。
むしろ、
「応募できるなら、とりあえず出してみよう」
そのくらいの感覚でした。
求人票を見ると「誰の後任か」まで何となく分かる
大学教員の求人票を見ていて面白かったのが、担当予定科目がかなり具体的に書かれていることです。
たとえば、
「○○論」
「○○演習」
といった形で、採用された人が担当する予定の授業が並んでいます。
そこで、その大学のシラバスを調べてみます。
すると、
「あ、この先生の後任を探しているのかな」
と、何となく見えてくることがあります。
会社員の求人を見て、
「この人が辞めるから、このポジションを募集しているんだな」
と外部から分かることは、あまりありません。
このあたりも、大学教員の公募ならではで面白いなと思いました。
給与についても、少し勝手が違いました。
JREC-INには年収の目安が掲載されている求人もあります。
ただ、
「だいたいこのくらい」は分かる。でも、自分が採用されたら実際いくらなのかは分からない。
会社員の転職なら、選考が進むと具体的な条件提示を受け、それを確認してから入社を判断する感覚がありました。
大学教員の転職では、そのあたりも少し違いました。
一番大変だったのは、応募書類
最初に応募したのは、当時住んでいた家から通いやすい大学でした。
そして、ここで最初の難関です。
応募書類が結構大変でした。
大学教員の公募では、履歴書だけではありません。
教育研究業績書など、会社員の転職では見慣れない書類をいくつも作ります。
しかも困ったことに、
大学が変わっても書く内容はほぼ同じなのに、指定される様式が微妙に違う。
一度作った書類をそのまま使えれば楽です。
でも、「他大学向けの書類をそのまま使い回した」と思われるのも嫌だったので、私はそれぞれの大学が指定する様式に作り直していました。
これが意外と面倒でした。
特にWordです。
Excelなら、セルごとコピーして貼り付ければ済みそうなところでも、Wordの表はそう簡単にはいきません。
コピーした瞬間に、
レイアウトが崩れる。
「これ、Excelで作らせてくれたら楽なのに……」
と思いながら、せっせとWordに移し替えていました。
提出方法も大学によって違います。
メールで一式送れる大学もあれば、郵送のみの大学もあります。
修士論文などの資料まで入れると、かなりの枚数になります。
履歴書と職務経歴書を送っていた会社員時代の転職とは、だいぶ違いました。
一番困ったのは「照会可能な2名」
応募書類の中でも、特に困ったものがありました。
ある大学では、
「応募者の業績について照会可能な2名の氏名と連絡先」
を提出するよう求められていました。
つまり、
「あなたの研究業績について聞きたい場合、誰に聞けばいいですか?」
ということです。
これは困りました。
私はそれまで、金融機関や事業会社で実務を中心にキャリアを積んできました。
大学院には行っていますが、研究者として活動してきたわけではありません。
当然、
「私の研究業績についてなら、この先生に聞いてください」
と言える人が2人もいません。
でも、指定された提出書類です。
空欄のまま出すのも気になります。
そこで結局、Wordで説明書を1枚作りました。
現時点では、学術論文等の研究業績について照会可能な方はおりません。これまで実務を中心にキャリアを積んできており、研究活動については大学院での学修および個人研究の段階にあります。
という趣旨の内容です。
これを書きながら、私は思っていました。
「業績について聞ける人を2人出してくださいと言われているのに、“いません”って書いてるんだから、この大学はさすがに無理だろうな……」
ところが。
最終的に私を採用してくれたのは、その大学でした。
これは今振り返っても、かなり意外です。
少なくとも私の場合は、研究者としての実績だけではなく、それまでの実務経験なども含めて見てもらえたのだと思います。
せっかく作ったので、3大学に応募した
最初に応募した、自宅から近い大学は不採用でした。
ただ、一度ここまで苦労して応募書類を作ると、
「これで終わるのは、ちょっともったいないな」
と思うようになります。
せっかく作ったんだから、ほかにも出してみよう。
そんな感じでJREC-INをもう一度探し、最終的には3つの大学に応募しました。
この時点でも、
「自分は大学教員になるんだ」
という強い覚悟があったわけではありません。
あくまで、
とりあえず応募してみる。
そんな感じでした。
振り返ってみると、私が大学教員になった最初のきっかけは、
「大学教員になりたい」と強く思ったことではありません。
JREC-INを見て、「自分でも応募できる求人がある」と知ったことでした。
知らなければ、たぶん応募していません。
会社員だった私にとって、大学教員はずっと「別の世界の仕事」でした。
でも求人票を一枚見たことで、その境界線が少しだけなくなりました。
そして、そのとき軽い気持ちで出した応募書類が、結果的には今の仕事につながっています。
大学教員になろうと思っていなかった私が、そもそもなぜJREC-INを見ることになったのか。
その経緯については、こちらの記事に書いています。
→ 「大学教員になるつもりはなかった。会社員だった私が大学教員になるまで」
会社員から大学教員になって気づいたことや、授業・学生・研究室での日常を「なりたて目線」で書いています。
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