【成瀬 日本語・英語・翻訳講座】日本語編(45)文章をいかにわかりやすくするか(3)文章の情報構造を整える
(↑のつづき)
文章全体の情報構造を整えることも、わかりやすさを決める重要なポイントである。
以下の例文をみてほしい。
1.
2012年4月以降、金融安定性へのリスクが世界的に高まっている。国際金融システムへの信頼が大きく低下しているためである。地域別にみれば、まずユーロ圏において、根源的なリスクが依然として存在している。欧州政策当局による施策が継続的に実施されており、7月末以降の市況は回復をみせてはいるものの、市場の緊張を完全に緩和するには至っていない。米国と日本における財政赤字額については、必要となる政策措置を確実に実施することで信頼を維持し、今後の市場圧力の増大リスクを阻止しなければならない。新興諸国については、これまでのところ世界的なリスクの高まりのなかでも巧みに対応しているが、負の波及効果の増大が国内金融の不安定化を助長し、政策が手詰まりになれば、深刻な問題に直面する恐れもある。
1は、情報の流れが整っているバージョンである。
まず、世界的な金融安定性のリスクがあると述べ、そののちに、各地域での状況を説明している。
内容は難しいものの、情報の流れとしては理解できる。

だが、この情報の流れをバラバラにして、以下の2のようにしてしまうと、内容はほぼ同じにもかかわらず、ほとんど意味がとれなくなってしまう。
2.
米国と日本における財政赤字額は、必要となる政策措置を確実に実施することで信頼を維持し、今後の市場圧力の増大リスクを阻止しなければならない。2012年4月以降、金融安定性へのリスクが世界的に高まっている。国際金融システムへの信頼が大きく低下しているためである。新興諸国については、これまでのところ世界的なリスクの高まりのなかでも巧みに対応しているが、負の波及効果の増大が国内金融の不安定化を助長し、政策が手詰まりになれば、深刻な問題に直面する恐れもある。ユーロ圏において根源的なリスクが依然として存在している。欧州政策当局による施策が継続的に実施されており、7月末以降の市況は回復をみせてはいるものの、市場の緊張を完全に緩和するには至っていない。
(つづきは↓)
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