【成瀬 日本語・英語・翻訳講座】日本語編(46)文章をいかにわかりやすくするか(4)文章を論理的にする
(↑のつづき)
本当の論理とは言葉を適切につなげて使うことのできる能力のことである。
したがって、文章を論理的にするとは文のつながりを適切なものにすることにほかならない。
その意味で前回に述べた情報構造と似ているが、論理の場合には、そこに論証での適切さという観点が入ってくる。
次の文章は、私が練習問題としてつくったものだが、その論理構造はどうなっているだろうか。
日本の英語教育は根本から変えなければならない。そうでないと日本はこれからの世界で生き残っていけない。それにはまず英語教師を全員外国人にするべきだ。いままで出会った日本人英語教師のなかで英語がペラペラとしゃべることのできる人などいなかった。こんな状態では誰も英語ができるようにはならない。
情報構造としてはそれほど無理のないかたちだが、論理的にはでたらめである。
こうした非論理的な文章を書かないようにするために、野矢茂樹は「接続関係に自覚的になること」と「『なぜ?』の問いを常に発すること」を勧めている[1]。

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「なぜ」と自分自身に問う
たとえば、上の文章では次のような問いを自分自身に対して問いかけてみる。
問:「日本の英語教育は根本から変えなければならない。」と「そうでないと日本はこれからの世界で生き残っていけない。」のあいだには、どのような接続表現がふさわしいのか。
問:なぜ日本の英語教育は根本から変えなければ、日本はこれからの世界で生き残っていけないのか?
問:「日本の英語教育は根本から変えなければならない」と「それにはまず英語教師を全員外国人にするべきだ。」のあいだの論理的関係はどのようなものか。
問:なぜ英語教師を全員外国人にしなければ、日本の英語教育は根本から変えられないのか?
問:「それにはまず英語教師を全員外国人にするべきだ。」と「いままで出会った日本人英語教師のなかで英語がペラペラとしゃべることのできる人などいなかった。」の論理的関係はどのようなものか。
問:いままで出会った日本人英語教師のなかで英語がペラペラとしゃべることのできる人などいなかったという個人的経験と、英語教師を全員外国人にするべきという主張は、どのようにつながっているのか。
問:「いままで出会った日本人英語教師のなかで英語がペラペラとしゃべることのできる人などいなかった。」という「状態で」あると、なぜ「誰も」英語ができるようにはならないのか。
論理的な文章をつくるには、こうした問いを自分自身のなかで次々と発していくことが重要である。
こうしたプロセスを踏んで文のつながりをしっかりと確認することで文章の論理性がみえてくるはずだ。
[1] 『論理トレーニング101題』、野矢茂樹、産業図書
(つづきは↓)
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