『人生がときめく片づけの魔法』~ロジックで武装して生きてきた私は、魔法にかかるのか~
私は本の虫というより、本の磁力に引き寄せられる人間である。
昨年の秋。実家に帰省中、ふと目に入った扉つきの棚。
「これはもしや」と思い扉をあけると、本がところ狭しと並んでいた。
母にたずねると、すべて処分する予定の本らしい。
棚の中身を確認して、半分ほどを持ち帰ることにした。
そうして私のものになった本の1つが、近藤麻理恵さん著『人生がときめく片づけの魔法』。
2011年1月に初版が刊行されて以来、世界各国で翻訳されてきた大ベストセラー本である。

持ち帰ってからずっと本棚で眠っていた、こちらの本。
先月「そういえば、まだ読んでいなかったな」と思い出して、初めて読んでみることにした。
…のだけれど、
『人生がときめく片づけの魔法』
まず、タイトルが怪しい。
「ときめく」という感覚的な単語に、無意識に拒絶反応がでる。
なにせ、私は外資系コンサルティングファームで、ロジックをガチガチに固めて仕事をしていた人間である。
「ときめき」というものは、
私とは対極の場所にある。
子どもを相手に本気でロジックを展開してしまって、夜に1人で大反省会をひらいたことも何度かある。
それでも、私は昔に比べて丸くなった。
ある出来事がきっかけで、見えない世界や見えない力も、ある程度は信じるようになった。
そして、昨年あたりから「ちょっとモノが多いんじゃない?」と夫に言われるようになったのも、また事実である。
色々な要素がプラスに働いている様子だから、目の前にあるこの本を読んだ方が良い気がした。

本を開いて、ページをめくる。
冒頭の文章が、目に飛び込んでくる。
この本は、「一度片づけたら、絶対に元に戻らない方法」を書いた本です。
…怪しい。
片づけに取り組む人は、性格も家庭環境も、千差万別なはずである。
それなのに、「絶対に」と断定している点が、非常に怪しい。
第1章、第2章と読み進める。
どうやら、片づけのポイントは「モノ別に」「正しい順番で」「一気に、短期に、完璧に片づける」ことらしい。
そして気になるのが、捨てる、捨てないの判断基準。
第2章に、答えが書いてあった。
モノを選ぶ基準について、私が出した結論はこうです。
「触ったときに、ときめくか」
モノを一つひとつ手にとり、ときめくモノは残し、ときめかないモノは捨てる。
モノを見極めるもっとも簡単で正確な方法です。
超、感覚的。
怪しいよう…(涙目)。
「触ったときに、ときめくか」
本書の1番のキーフレーズと私との間には、越えられない溝がある気がした。
いやでもこれは、片づけの本である。
読むだけでなく、実際に片づけてみなければ、本の真価は分からないはず。
第2章の時点で警戒心MAXでありながら、「片づけのやり方を吸収すること」だけを考えて、最後まで読んだ。

読みおわった翌日、本に書かれたことを忠実に実行してみたら…

自分の服だけで、60Lのゴミ袋4つ分になった。
その後、本に書かれた順に片づけを進めると、60Lのゴミ袋20袋以上になった。
今のところ、リバウンドはしていない。
実際に片づけてみて驚いたのが、本当に「ときめき」を感じる瞬間があるということ。
最初の関門である「服」を片づけていたときに、それをはっきりと感じた。
触ったときに、思わず目元がゆるんだり、口角が上がったりする服があった。
一方で、触っても何も起こらない服もあれば、触ったときに眉間にシワが寄るような服もあった。
モノによって、全然反応が違った。
人間の感覚というものは、あなどれない。
もう1つ気づいたのは、片づけをしてから、以前よりもモノを大切にするようになったということ。
たとえば、服にシミがついたとき、その日のうちにシミ取りをするようになった。
なにせ、一着一着手にとって、ときめきを感じた服である。
シミがついてとれなくなったら、悲しい。
だから、できるだけ早いタイミングでシミ取りをしたくなる。
洗濯をして乾いたあとも、きれいにたたむようになった。
なにせ、一着一着手にとって、ときめきを感じた服である。
変なシワがついたり、たたみ方が悪くてくたびれてしまったら、悲しい。
だから、できるだけきれいにたたんで保管したくなる。
片づけたあとに残ったモノはすべて、自分がときめきを感じたモノ。
手に取って「残す」方に振り分ける過程で、「これは大切なモノだ」と知らず知らずのうちに刷り込まれていたらしい。

「片づけの魔法」、恐るべし。
だまされたと思ってやってみる価値は、ありますね。
オススメです。

(1858文字)
※2026年8月21日追記
感想文の続編として、『人生がときめく片づけの魔法』の秘密を紐解きました📖
※2026年8月22日追記
昨日、灯火杯のことを知りました。
テーマは「感想文」ということで、今回の記事で参加させていただきます!
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