見出し画像

スミレちゃんの物語 第2話:心の電池


コンコンコン

咳の音が
スミレちゃんの部屋から聞こえます。

どうやらスミレちゃんは
風邪を引いて寝込んでいるようです。

お母さんが
おかゆを持ってきてくれました。
でも
美味しくありません。

好きな絵本を
持ってきてくれても
面白くありません。

何をしても
元気が湧きません。

「あぁあ、どうしたら
元気が出るのかな?」

スミレちゃんが呟くと

「風邪を引いて
心の電池が足りないんだろうね」と

お母さんが呟きました。

「心の電池って何?」

「元気を貯めておく場所。

スミレちゃんは今、風邪を引いて
風邪をやっつけるために元気を使っているから
電池が足りなくなっているんだと思うよ」

なるほど。

スミレちゃんの心の電池は今
エネルギー不足ということのようです。

そう考えると
早く風邪を治すためにも
心の電池を蓄えたいものです。

「どうやったら
心の電池って貯まるの?

早く元気になりたいよ」

「そうねぇ。

まずはゆっくりじっくり寝ることね。
自然に治るまで待ちましょうね」

そう言って
お母さんはスミレちゃんのおでこのタオルを
替えました。

その時
ピンポーンと
玄関の呼び鈴が鳴りました。

お母さんが出迎えます。

「スミレちゃん
お友達がお見舞いに来たわよ」

お見舞い?

お友達が部屋に来ました。
友達の
ゆずきちゃんと
ヒロト君です。

「スミレちゃん」

ゆずきちゃんとヒロト君が
名前を呼びます。

二人の顔を見て
スミレちゃんは嬉しくなりました。

「来てくれたの?
ありがとう」

「大丈夫?
風邪を引いたって聞いたよ」

ゆずきちゃんが心配して
言いました。

「うん、今
風邪と戦っているの。

それで今
元気ないんだ」

「そうなんだ。
頑張ってね!
負けないでね!」

「あ、そうだ」

ヒロト君が
手に持っていた袋を出します。

「これ、お母さんが。

プリン持ってきたよ。
みんなで食べてねって」

袋を覗くと
美味しそうなプリンがありました。

スミレちゃんは
大喜びです。

「ありがとう!

みんなで食べよう!」

早速
3人で食べました。

ほっぺたが落ちるくらい
甘くて美味しいです。

あれ?
と、スミレちゃんは思いました。

「朝ご飯のおかゆは
あんなに美味しくなかったのに

何でプリンは
美味しく食べられるんだろう?

それに
お友達が来てから
ちょっとだけ
気分が良いなぁ」

スミレちゃんは
不思議に思いました。

「少し元気が出たの?
良かった。

じゃあ、少し遊ぶ?」

ゆずきちゃんが提案します。

「スミレちゃん
これで遊ぼう!」

ヒロト君が
スミレちゃんの部屋に置いてあった
すごろくを指さしました。

スミレちゃんも
ゆずきちゃんも大賛成です。

こうして3人は
すごろくをして楽しく遊びました。

あれ?
ここでもスミレちゃんは
不思議に思いました。

「絵本を読んでも
楽しくなかったのに

どうして今
すごろくが楽しいのかな?」

遊び終えて
2人は帰って行きました。

スミレちゃんは
あれ?
と、不思議に思いました。

「もしかして」

スミレちゃんは
試しに熱を測りました。

すると
何と言うことでしょう。
熱が下がっているのです。

そして
咳も止まっているではないですか。

だるい感じも
大分引きました。

ゆっくりじっとしていた訳ではないのに
なぜなのでしょう?

いつの間にか
心の電池が貯まって
元気が出てきたみたいです。

スミレちゃんは
不思議でなりません。

一つ一つ整理してみます。

「ヒロト君が
美味しいプリンを持ってきてくれて
食べたから?

あと
みんなで楽しく
すごろくで遊んだから?」

確かに
そうかもしれませんが
本当にそれだけで
心の電池が貯まるのでしょうか?

お母さんに
聞いてみました。

すると
お母さんは答えました。

「そうねぇ。

美味しいプリンも
楽しい遊びも
確かに心の電池のエネルギーになったと思うよ。

でもね
一番のエネルギーは
大好きな友達が来てくれたことと
スミレちゃんに優しく
声を掛けてくれたことじゃない?」

「ゆずきちゃんと
ヒロト君のおかげ?」

「そう。

スミレちゃんが大変なときに
心配して駆けつけてくれたこと。

2人の優しさと思いやりが
スミレちゃんのエネルギーになって
心の電池が貯まったんだよ」

あぁ
そうなんだ。

確かに
2人が来てから
スミレちゃんは見る見る元気になったのです。

大好きな友達から
元気をもらって
スミレちゃんは回復できたようです。

良かったね
スミレちゃん。

大事なお友達を
これからも大切にしようね。

あ!

スミレちゃんは
何かに気付いたようです。

「心の電池のエネルギーは

ゆずきちゃんや
ヒロト君っていうこと?」

「そうね。

スミレちゃんの大事なお友達。
そしてね」

お母さんは
ぎゅっとスミレちゃんを抱きしめます。

お母さんの温かさが
スミレちゃんに伝わります。

お母さんの温もりと優しさが
心地良いね。

「お母さんとお父さん。

スミレちゃんにとって
大切な人達みんなが
心の電池のエネルギーなんだよ」

「お母さんも
私の心の電池のエネルギー?」

「そうだよ。

人は一人じゃない限り
こうやって
思いやって
支え合って
心のエネルギーを送り合って
心の電池を貯めていくの。

だからね
元気がなくなっても
また
元気になれるんだよ。

だからね
スミレちゃんが元気じゃないときは
大切な人を頼りなさいね。

お母さんもお父さんも
お友達もみんな
助けてくれるから」

お母さんはそう言って
スミレちゃんを撫でます。

お母さんの手から
心のエネルギーを受け取って
少しずつ
スミレちゃんの心の電池が
貯まっていくような心地がします。

スミレちゃんは
安心して眠りにつきました。

そして翌日には
スミレちゃんはすっかり元気になりました。

「お母さん、お父さん」

スミレちゃんは
お母さんとお父さんを
抱きしめます。

「いつもありがとう。

お母さんとお父さんが
元気じゃないときは

私からも
こうやって
心のエネルギーを送るね。

私も
心の電池のエネルギーになる。

こうやって
みんなでエネルギーを送り合っていれば
みんな元気でいられるね。

大好きだよ」

お母さんも
お父さんも
スミレちゃんを抱きしめます。

3人の心のエネルギーがめぐって
家族3人の心の電池がいっぱいになりました。

こうしてスミレちゃん家族は
今日も元気に暮らしています。

ーーーーーおわり

いいなと思ったら応援しよう!