住宅ローンが残っているマンションを貸す前に確認すべきこと
分譲マンションを貸そうとしているとき、住宅ローンが残っている場合は一つ確認が必要なステップがあります。
それが金融機関への連絡です。
地味な話に聞こえるかもしれませんが、これを飛ばして進めてしまうと後々トラブルになるケースがあります。これは管理会社を選ぶ前に知っておいてほしいことです。
住宅ローンは「自分が住む」前提で組まれている
住宅ローンは、居住用の不動産を購入するための融資です。通常の不動産投資ローンと比べて金利が低く設定されているのは、「自分が住む」という条件があるからです。
貸し出すことで自分が住まない状態になると、この前提が崩れます。金融機関との契約上、たとえどんな事情があったとしても、金銭消費貸借契約上はNGというのが原則です。転勤や介護など、やむを得ない事情であっても、まず金融機関にお伺いを立てる必要があります。
「黙って貸せばわからない」は通じない
ここで一つ、絶対にやってはいけないことを書いておきます。
「転送届を出しておけばいい」という考えです。
住民票を移して、郵便物の転送設定をしておけばバレないだろう。そういう発想です。ただ、金融機関はそう甘くありません。転送不要の書留で郵送物を送れば、転送されずに戻ってきます。それだけで、自分がその住所に住んでいないことが一発でわかってしまいます。
発覚した場合、最悪のケースでは一括返済を求められるリスクがあります。黙って進めることのリスクは、想像以上に大きいです。
金融機関の対応はさまざまで、相談の仕方次第でもある
転勤や介護など、どうしようもない事情であれば認めてもらえるケースは多いです。ただし、金融機関によって対応はかなり異なります。
たとえばある銀行では、通勤時間が2時間以上かかる転勤でないと認めないという条件を設けているケースがありました。また、定期借家契約での貸し出しであれば認めるという条件を提示してくる金融機関もあります。
対応は金融機関によってさまざまです。だからこそ、金融機関に直接連絡する前に、賃貸管理に詳しい会社に相談して自分の状況を整理しておくことをすすめます。自分のケースがどういう状況にあるのかを理解したうえで金融機関に臨む方が、話がスムーズに進みやすいです。
もう一つ、将来のことも考えておいてほしい
ここから少し踏み込んだ話をします。
「今のマンションを貸しながら、将来また別の物件を住宅ローンで買いたい」と考えている人は、この点も頭に入れておく必要があります。
住宅ローンの借入限度額は、基本的に年収と既存の借り入れ額から算出されます。今のマンションのローンが残っている場合、たとえ家賃収入で十分まかなえていたとしても、新たなローンを組む際の借入可能額に影響が出ることがあります。
賃貸で回っているから問題ないだろう、と思っていると、いざ新しい物件を購入しようとしたときに「思ったより借りられない」という状況になることがあります。
そうなったら売ればいい、と考える方もいます。ただここにも落とし穴があります。空室の状態で売る場合と、入居者がいる状態で売る場合とでは、売却価格が大きく変わります。賃貸中の売却はおおよそ相場の70〜80%前後になることが多く、手取りが想定より大幅に減るケースがあります。貸してしまってから売ろうとすると、選択肢が狭まった状態で判断することになるのです。
将来的に住み替えや買い増しを考えているなら、今の段階でこの点も把握しておくと安心です。
管理会社を選ぶときに一歩踏み込んで確認してほしいこと
管理会社は賃貸管理の専門家ですが、融資や金融機関との関係については積極的に関与しないことが多いです。触らぬ神に祟りなしという考えの方もいるとは思いますが、根本的に住宅ローンについて無知であることが多いと思います。
そのため「そこは金融機関に聞いてください」で終わることも少なくありません。
ただ、最初の相談の場でこういった話に自然と触れてくれる会社は、オーナーの状況を本当に理解しようとしている会社だと思っていいです。金融機関への相談が必要なケースかどうか、将来のローンへの影響はどうか。設定した賃料に金利上昇リスクは検討しているか。そういった視点で一緒に考えてくれるかどうかが、管理会社を見極めるひとつの基準になります。
自分の状況を整理したうえで管理会社を選ぶためのポイントは、こちらにまとめています。
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